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住宅ローンの審査

住宅ローン審査の落とし穴のイメージ

近年は、ネット銀行を中心に金利が低く、将来の病気やケガに備えられる住宅ローンが数多く登場しています。金利の低さだけでなく、団体信用生命保険(団信)などの付帯サービスの魅力も年々増しています。

ただし、どんなに商品性の優れた住宅ローンでも、審査に通らなければその住宅ローンを利用することはできません。利用できなければ、その住宅ローンはご自身にとって「存在しないのと同じ」です。

だからこそ、気になった住宅ローンの審査基準をあらかじめ把握しておくことは、金利や商品性を比べることと同じくらい重要になります。ところが、金利や諸費用は熱心に比較しても、審査基準まで比べて申込先を選ぶ人はあまり多くありません。もちろん「審査に申し込むだけなら無料」ですから、最終的には申し込んで判断してもらうしかありませんが、申込先の審査基準をある程度把握し、通る可能性の高い先に絞り込んでおくことが、遠回りを避けるコツです。

 

とりわけ借り換えの場合は注意が必要です。より低金利の住宅ローンへ借り換えるための審査に何度か落ちてしまうと、申し込む気力を失いがちです。借り換えは新規購入と違って「必ずやらなければならない手続き」ではないため、審査でつまずいた結果、せっかくの総返済額を減らせるチャンスごと諦めてしまう人も少なくありません。無駄に何社も申し込んで信用情報に申込履歴を残すより、審査の考え方を知ったうえで狙いを定めるほうが、結果的に近道になります。

 

自分がどの住宅ローンの審査に通りそうなのか、人気の住宅ローンの審査基準にどのような違いがあるのかを理解しておくことは、申込先選びで非常に重要です。

 

当サイトでは、住宅ローンの審査に関する特集コンテンツを多数ご用意しています。その中から代表的なコンテンツを一覧化していますので、審査対策や申込先選びの参考にしてください。

 

9割以上の金融機関が見ている7つの項目

個々の銀行が審査基準を公表することはありませんが、金融機関がどの項目を見ているのかは、国土交通省が毎年実施している調査から把握できます。令和7年度「民間住宅ローンの実態に関する調査」では、次の7項目について9割以上の機関が「融資を行う際に考慮する」と回答しています。

住宅ローン審査で金融機関が考慮する7項目の割合を示した横棒グラフ
9割以上の金融機関が審査項目としている7項目。借り換えでも見られる項目は同じです。
審査項目考慮する機関の割合借り換えで見られ方が変わる点
完済時年齢98.4%今の年齢が基準。残り期間を延ばすほど完済時年齢の上限に当たりやすい
借入時年齢96.2%借り換え時点の年齢で判定される
健康状態96.1%団信に入り直すため、購入時に問題がなくても今の健康状態で判断される
年収94.2%直近の年収。転職・独立で下がっていると不利になりやすい
勤続年数93.9%借り換え直前の転職は不利に働きやすい
担保評価91.0%築年数が進んだ現在の評価で再判定。残債が評価額を上回ると難しくなる
返済負担率90.9%他のローン(自動車・教育・カードローン等)も合算して見られる

割合の出典:国土交通省 住宅局「令和7年度 民間住宅ローンの実態に関する調査 結果報告書」(令和8年6月)。右列は借り換え時の一般的な考え方で、実際の基準は金融機関ごとに異なります。

 

借り換え審査は「新規」とどこが違うのか

借り換えの審査は、住宅を買うときの審査と同じ項目を見られますが、置かれている状況が違うため、つまずくポイントも変わります。借り換えを検討する前に、次の5点を確認してください。

  • ①担保評価が「今の物件」で再計算される……購入から10年、20年と経てば建物の評価は下がります。残債が担保評価額を上回っている(オーバーローン状態)と、借り換えが難しくなることがあります。
  • ②団信にもう一度加入する必要がある……借り換えは新しい住宅ローンを組み直す手続きです。購入時から健康状態が変わっていると団信に加入できず、金利や商品性とは無関係に借り換えできないことがあります。引受基準を緩和した「ワイド団信」を扱う金融機関を選ぶ、という対処法もあります。
  • ③年齢の上限に当たりやすい……完済時年齢の上限は満80歳未満・満85歳未満などと決まっています。借り換えで返済期間を延ばそうとすると、この上限に引っかかって希望どおりの期間にできないことがあります。
  • ④今の住宅ローンの返済実績が見られる……延滞の有無は個人信用情報に記録され、審査に影響します。「借り換えを考え始めたら、まず現在の返済を絶対に遅らせない」のが鉄則です。
  • ⑤諸費用を借入額に含めると審査額が増える……事務手数料・登記費用などを借入額に上乗せすると、その分だけ借入額が膨らみ、返済負担率や担保評価との関係が厳しくなります。

 

申込先ごとに条件は大きく違う

「審査基準」は非公表でも、申込条件は公式サイトに明記されていることがほとんどです。ここが合わなければ、そもそも土俵に上がれません。

たとえばソニー銀行は、申込条件として前年度の年収(自営業は申告所得)400万円以上、申込時満20歳以上・借入時満65歳未満・完済時満85歳未満(ワイド団信の場合は満81歳未満)、日本国籍または永住権があること、を公表しています(同行「住宅ローン商品詳細説明書」より、2026年8月10日時点)。最低年収を200万円や300万円とする金融機関もあるなかで、400万円は高めの水準です。

また、審査の進め方そのものが違うこともあります。SBI新生銀行は、審査申し込み→必要書類提出→契約手続き→借り入れという流れで、仮審査を挟まず本審査で完結するのが特徴です(同行 公式サイトより、2026年8月10日時点)。他行と併願するなら、仮審査がある銀行を先に動かしておくなど、手順の組み立て方が変わってきます。

 

借り換え審査で用意する主な書類

借り換えでは、購入時の書類に加えて「今のローンの情報」が必要になります。金融機関ごとに違いはありますが、おおむね次のとおりです。

  • 本人確認書類(運転免許証・マイナンバーカードなど)
  • 収入を証明する書類(会社員は源泉徴収票・住民税決定通知書など/自営業は確定申告書 数年分)
  • 現在返済中の住宅ローンの返済予定表・残高証明書(借り換え特有)
  • 物件の資料(登記事項証明書、売買契約書・重要事項説明書、間取り図・公図など)
  • 団信の告知書(健康状態の申告)

返済予定表と残高証明書は、今の借入先から取り寄せる必要があり、時間がかかることがあります。借り換えを決めたら早めに手配しておくと、実行日の調整がスムーズです。必要書類は金融機関ごとに異なるため、最終的には各社の公式サイトでご確認ください。

 

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借り換え審査についてよくある質問

Q. 借り換えの審査は、家を買ったときより厳しくなりますか?

A. 見られる項目は同じでも、前提が変わるため通りにくくなる要素はあります。年齢は購入時より上がっており、建物の担保評価は築年数のぶん下がっているのが普通です。健康状態も当時と同じとは限りません。逆に、年収が増えている・他の借入を完済している・返済実績を積んでいるといったプラス材料もあります。「厳しくなる」と決めつけず、自分のどの項目が当時より良くなり、どれが悪くなっているかを棚卸しするのが実務的です。

Q. 残債が今の物件価値より多いと借り換えできませんか?

A. 担保評価は9割の金融機関が考慮する項目(令和7年度・国土交通省調査で91.0%)ですので、残債が評価額を上回っていると審査は厳しくなります。ただし、担保評価の考え方や不足分の扱いは金融機関によって異なります。自己資金を入れて残債を減らす、返済を進めてから再挑戦するといった選択肢もあるため、1行に断られただけで結論を出す必要はありません。

Q. 過去に返済が遅れたことがあると借り換えは無理ですか?

A. 延滞の記録は個人信用情報に登録され、審査に影響します。ただし登録される情報と保有期間は信用情報機関ごとに定められており、永久に残るわけではありません。自分の情報は、CIC・JICC・全国銀行個人信用情報センター(KSC)に開示請求して確認できます。心当たりがあるなら、やみくもに申し込む前に開示して現状を把握するほうが確実です。

Q. 借り換えの諸費用も一緒に借りられますか?

A. 諸費用を借入額に含められる金融機関はありますが、その分だけ借入額が増え、返済負担率や担保評価との関係で審査は厳しくなります。また借入額が増えれば利息も増えるため、「諸費用を含めても金利差で元が取れるのか」を必ず試算してください。借り換えの損得は、金利の低さではなく「金利差 × 残り期間 − 諸費用」で決まります。

Q. 1行落ちたら、すぐ次の銀行に申し込んでよいですか?

A. 落ちた理由を推測せずに申し込みを重ねると、申込情報が信用情報機関に登録され、短期間に何件も並ぶこと自体がマイナスに見られることがあります。年収条件・完済時年齢・雇用形態など「公表されている申込条件」で外れていないかを先に確認し、条件が合う先に絞ってから申し込むほうが結果的に近道です。

 

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