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がんでも住宅ローンは組める?ワイド団信・フラット35と借り換え

団信や住宅ローンの相談をする夫婦のイメージ
おすすめの住宅ローン3選
過去にがんになったことがあると、団信に加入できず住宅ローンの審査に落ちてしまうことがあります。ただし、がんになったことがあるからといって、住宅ローンを利用できないと決まるわけではありません。

過去の病歴は、住宅ローンの返済能力が理由で審査に落ちるわけではありません。住宅ローンとセットで利用する団信に加入できないことが理由で、審査に落ちることになります。

過去にがんになったことがある人は、健康な人の加入を前提にした通常の団信に加入できない可能性があるのは事実です。ワイド団信への加入を準備しておいたり、団信に加入しないでも利用できるフラット35を選択肢に加えておくことをおすすめします。

なお、ワイド団信を利用する人におすすめしたいのは、auじぶん銀行とソニー銀行の住宅ローンです。ソニー銀行はワイド団信の上乗せ金利が年0.200%と、相場(年0.300%程度)より低いため経済的な負担が小さく、特におすすめです。また、団信に加入せずに住宅ローンを利用したい人は、団信を利用しない場合の金利が低いフラット35(スーパーフラット)を取り扱うSBIアルヒが候補になります(金利・上乗せ幅は2026年8月時点。最新の条件は各社公式サイトでご確認ください)。

日本人の2人に1人は”がん”と診断される

国立がん研究センターが公表しているがん統計(2023年の全国がん登録データにもとづく最新値)によると、日本人が一生のうちにがんと診断される確率は男性61.1%・女性50.1%で、男女ともおおむね「2人に1人」という水準です。

 

同じ統計では、2023年に新たにがんと診断された人は993,469例(男性556,059例、女性437,406例)でした。がんは、決して他人事として片づけられる病気ではありません。

 

診断される数が多い部位は、次のとおりです(2023年・国立がん研究センター)。

順位男性女性
1位前立腺乳房
2位大腸大腸
3位
4位
5位膵臓子宮

※国立がん研究センター「最新がん統計」(2023年 全国がん登録罹患データ)より作成。最新の数値はがん情報サービスでご確認ください。

 

がんになる確率が大きく上がるのは50歳以降

住宅ローンは30歳~40歳ぐらいで借りる人が多くを占めるため、がんと年代の関係も重要な指標です。つまり、何歳ぐらいになるとがんになりやすいのか?という話です。

 

男女別で傾向は違いますが、年齢階級別の罹患率をみると、総合的には50歳前後を超えたあたりから急激にがんの罹患リスクが高まることが確認できます。

年代別のがん罹患リスク

※上図は2018年に公表されていたデータをもとにした参考図です。最新の年齢階級別データはがん情報サービスでご確認ください。

 

年齢別でがんになる確率を詳しく確認

さらに、「今〇歳の人が、〇年後までにがんになる確率」がわかりやすくまとめられたデータもあります。たとえば、今30歳の男性が40年後(70歳)までにがんになる確率は21%(約5人に1人)とされていました。

年齢別にみたがんにかかる確率

※上図も2018年に公表されていたデータをもとにした参考図です。年ごとに更新されるため、最新の数値はがん情報サービスでご確認ください。

住宅ローンは60歳・70歳まで返済し続ける可能性がある

住宅ローンは最長で35年間、商品によっては50年間返済を続ける可能性がある金融商品です。25歳で借り入れて25年で組めば40代のうちに完済しますが、そんな人はほとんどいません。大半の人が30年・35年かけて返済する住宅ローンを30歳以降に借り入れるため、完済予定は60歳や70歳ぐらいになります。

 

完済予定が60歳以降になるのであれば、がんに対する備えがある住宅ローンを利用することには大いに意味があることがわかります。

 

若い年代でも「ゼロ」ではない

年齢別の表からもわかるとおり、40歳までにがんと診断される確率は男女とも数%以下にとどまります。ただし、1%でも100人に1人という頻度ですから、「若いうちはがんにならない」という楽観的な考えは危険です。なお女性は30代・40代で乳がんに罹患する割合が相対的に高く、若い年齢での罹患率は男性より高くなります。

 

一度がんになってしまうと、がん保障やがん保障を含む3疾病・7疾病などの疾病保障には加入できなくなるのが一般的です。「健康なうちにしか選べない保障がある」という点は、借り換えを考えるときにも忘れないでください。

 

がんになると住宅ローンが組めない?

次に、「すでにがんになったことがある人」の住宅ローン対策を考えておきましょう。30代・40代という住宅ローンの借り入れ・借り換えを考える年代にも、がんの治療中の人、早期発見・早期治療で治療を終え再発もなく生活している人がたくさん存在します。

 

がんの治療を終えて再発なく過ごしている人の中には、マイホーム購入や住宅ローンの利用を前向きに考えたい人もいます。ところが「がんになると住宅ローンは組めないに違いない」と、最初から諦めてしまっている人が少なくありません。

 

そこで、「がんになると住宅ローンが組めないのか」という観点から、住宅ローン審査への対策として何が考えられるのかを解説していきます。

 

住宅ローンを利用するためには基本的に団信への加入が必須

一般的な銀行などの住宅ローンを借りる場合、団体信用生命保険(団信)への加入が必須です。残念ながら団信の加入審査に通らなければ、住宅ローンの審査に落ちることになります。団信の加入審査は銀行ではなく、告知書にもとづいて保険会社が行います。

団信とは、住宅ローンの契約者(債務者)が返済中に死亡した場合や高度障害になった場合に、ローンの残債を保険金で完済してくれる生命保険で、金融機関とローン契約者双方のリスク回避のために加入が求められています。

 

団体信用生命保険(団信)の加入審査と告知

団信に加入するためには、治療中の病気や過去の病歴に関する告知を行ったうえで加入審査を受ける必要があります。がんに限らず、過去の病歴については、おおむね過去3年間の病歴について告知が必要です(告知事項は商品により異なります)。

団信加入申込書における告知事項の例

がんになったことが告知不要になる?

まず、「がんが完治し、定期検査なども行っておらず、3年以上医師から何の指導も受けていなければ告知の必要がない」ため、がんになったことがある人でも団信に加入できる場合があります。たとえば過去にがんになったことがあっても、3年以上なんの定期検査も受けていなければ告知の必要がなく、がんになったことが理由で審査に落ちることもありません。

 

ただし、若いときにがんになった人が3年以上医師の検査や指導を受けないようなケースは現実的にはほとんどありません。また、過去にがんになったことがあれば、時期を問わず必ず告知を求められる商品もあります。告知事項は商品ごとに違うため、「うちの団信ではどこまで告知が必要か」を申込先の告知書で必ず確認してください。

 

がんの部位や検査結果・状況次第では団信に加入できる場合もありますが、医師に最新の状況がわかる診断書を用意してもらって告知書と一緒に提出したとしても、一般団信に加入できる可能性はかなり限定されると考えておくべきです。

 

ワイド団信の用意のある住宅ローンを選ぶ

通常の団信に加入できないとわかった場合、次の候補になるのがワイド団信です。ワイド団信とは、引受基準が緩和されて加入しやすくなっている代わりに、住宅ローンの金利に年0.200%~0.300%程度を上乗せして利用する団信です。費用負担は小さくありませんが、ワイド団信であれば、がんになったことがある人でも利用できる可能性がぐっと高まります。

 

ただし、ワイド団信は健康上の理由があるすべての人が加入できるものではなく、保険会社の引受審査に通らない可能性は十分にありますので、その点は念頭に置いておきましょう。

 

ワイド団信を取り扱う主な住宅ローン(2026年8月時点)

金融機関ワイド団信の上乗せ金利年齢などの条件
ソニー銀行年0.200%完済時満81歳未満(通常は満85歳未満)
auじぶん銀行年0.300%65歳以下が加入可。ペアローン連生団信とは併用不可
イオン銀行年0.300%借入時満50歳未満・完済時満80歳未満

※各行公式サイトの表示(2026年8月19日確認)にもとづきます。上乗せ幅・加入条件は変更されることがあるため、申し込み前に必ず各社公式サイトでご確認ください。

ワイド団信の上乗せ金利を3行で比較した棒グラフ
ソニー銀行は年0.200%、auじぶん銀行とイオン銀行は年0.300%

多くの金融機関ではワイド団信の上乗せ金利が年0.300%ですが、ソニー銀行は年0.200%で利用できます。返済期間が長いほど、この0.100%の差は総返済額に効いてきます。一方でイオン銀行のように借入時の年齢に上限があるケースもあるため、金利の高低だけでなく年齢条件もあわせて確認してください。

 

健康なうちなら「がん保障付きの団信」も選べる

まだ健康で、これから借り入れや借り換えをする人であれば、上乗せ金利が小さい/かからないがん保障付き団信を選んでおくという備え方もあります(2026年8月時点)。

  • ソニー銀行…がん50%保障特約付き団信は上乗せなし。がん100%保障(がん団信100)は年0.100%の上乗せ。
  • auじぶん銀行…がん50%保障団信は上乗せなし(全疾病長期入院保障・4疾病保障つき)。がん100%保障団信は年0.050%、がん100%保障団信プレミアムは年0.150%の上乗せ。
  • SBI新生銀行…一般団信のほか、上乗せ0円の全疾病保障付団信を選べます。保証料・一部繰上返済手数料も0円で、諸費用の内訳がわかりやすいのが特徴です。店舗相談とオンライン手続きの両方に対応している点も、健康状態に不安があって相談しながら進めたい人には心強い選択肢です。

※保障の範囲・免責期間・加入年齢は商品ごとに異なります。詳細と最新の条件は各社公式サイトでご確認ください。

 

団信に加入しない(団信加入が任意の住宅ローンを選ぶ)

ワイド団信にも加入できなかった場合の選択肢になるのが「団信に加入せずに住宅ローンを借りる」という方法です。

 

民間銀行の住宅ローンは団信加入が必須なので、団信に加入せずに借りる場合は、住宅金融支援機構のフラット35が有力候補になります。フラット35は健康上の理由その他の事情で団信に加入しない場合でも利用でき、その場合の借入金利は掲載金利より低く設定されます(たとえばSBIアルヒでは掲載金利−年0.200%/2026年8月時点。引き下げ幅は取扱金融機関でご確認ください)。

 

SBIアルヒが取り扱う「スーパーフラット」(フラット35の保証型を使った独自商品)は、団信を付けない場合の金利差がさらに大きく設定されています。2026年8月実行金利では、融資比率5割以下・4ポイント割引を適用した場合で団信C加入が年2.240%、団信不加入が年1.960%年0.280%の差です。

 

商品団信に加入する場合団信に加入しない場合
フラット35(融資率9割以下・21~35年/2026年8月・最も多い金利)年3.290%年3.090%(SBIアルヒの場合=掲載金利−年0.200%)
スーパーフラット5(融資比率5割以下・当初5年間/2026年8月)年2.240%年1.960%

※住宅金融支援機構「最新の金利情報」およびSBIアルヒ公式サイト(いずれも2026年8月19日確認)より。スーパーフラットは4ポイント割引(当初5年間 年1.00%引き下げ)を適用した場合の金利で、6年目以降は年3.240%になります。金利は毎月見直されるため、最新値は必ず公式サイトでご確認ください。

 

注意したいのは、いまが全期間固定金利にとって上昇局面だという点です。2026年8月時点で長期金利は約30年ぶりの高い水準にあり、その基準で決まるフラット35の金利も、現行制度になった2017年10月以降で高い水準が続いています。翌月分の適用金利は毎月1日ごろに発表されるため、「団信なしで借りられるか」だけでなく「いつ実行するか」も含めて確認しておきましょう。

 

フラット35は全国各地の金融機関で申し込めますが、団信に加入しないケースを含む融資実績が豊富なSBIアルヒに相談してみるのも一つの方法です。なお団信を付けない場合、万が一のときにローンが家族に残ります。収入保障保険など別の生命保険でカバーできないかを、あわせて検討してください。

 

がんの既往がある人の「借り換え」で気をつけたいこと

すでに住宅ローンを返済中で、より低い金利へ借り換えたいと考えている人も多いでしょう。ここで注意したいのは、借り換えは新しい住宅ローンを契約し直すため、原則として団信に入り直す必要があるという点です。最初の契約時は健康でも、その後にがんなどを経験していると、借り換え時の団信審査に通らず、借り換え自体ができなくなるケースがあります。

 

①「いま入っている保障を手放す」コストを必ず数える

借り換えで注目されるのは金利差ですが、がんの既往がある人にとってはいま加入している団信の保障を失うことが最大のコストになり得ます。現在の団信にがん保障や疾病保障が付いているなら、借り換え後は同等の保障に入り直せない可能性が高いと考えてください。

 

金利が下がっても保障が薄くなるなら、その差額で民間の保険に入り直せるかまで含めて比較するのが現実的です。

 

②ワイド団信で借り換えると、金利差が目減りする

ワイド団信を使って借り換える場合、上乗せ金利(年0.200%~0.300%)のぶんだけ「借り換え後の金利」が上がります。借り換えの損得は「金利差」ではなく「上乗せ後の金利差」で考えなければいけません。

 

たとえば返済中の金利が年1.500%、借り換え先の適用金利が年1.200%なら金利差は年0.300%ですが、ワイド団信で年0.300%上乗せされると金利差は実質ゼロになります。上乗せ幅が年0.200%のソニー銀行のような選択肢を先に確認しておく意味は、ここにあります。

 

③諸費用との損益分岐を先に確認する

借り換えには、事務手数料(借入額の2.20%=税込が主流)・抵当権の設定と抹消にかかる登録免許税と司法書士報酬・印紙税などの諸費用がかかります。上乗せ金利で金利差が縮むと、この諸費用を利息の軽減額で回収できる時期が一気に後ろへずれます。

 

先に「諸費用がいくらか」を確定させ、上乗せ後の金利差で何年あれば元が取れるかを確認してから、団信の審査に進むのが手戻りの少ない進め方です。

 

④団信の審査結果が出るまで、いまのローンは解約しない

団信の加入可否は、病名だけでなく症状や経過をもとに保険会社が個別に判断します。同じ病名でも結果が分かれるため、申し込んでみないと分からないのが実情です。複数の金融機関に当たる場合も、審査結果がそろうまでは現在の住宅ローンをそのまま返済し、借り換えの契約を先に進めないようにしてください。

 

「金利は下げたいが団信に入り直せるか不安」という場合は、ワイド団信を扱う銀行(ソニー銀行・auじぶん銀行・イオン銀行など)や、団信の加入が任意のフラット35を借り換え先の候補に加えておくとよいでしょう。

 

よくある質問(がんと住宅ローン)

Q. がんの治療が終わって3年たてば、必ず一般団信に入れますか?

A. 必ず入れるわけではありません。告知が必要な期間は商品によって異なり、時期を問わずがんの既往を告知させる団信もあります。また告知が不要になっても、健康診断の結果や他の病歴で審査結果が変わることがあります。申込先の告知書で対象期間を確認するのが確実です。

Q. ワイド団信の審査に落ちたら、借り換えはあきらめるしかありませんか?

A. 団信の加入が任意のフラット35という選択肢が残ります。ただし団信なしで借り換えると、万一のときにローンが家族に残ります。民間の生命保険で残債相当をカバーできるかを先に確認したうえで判断してください。

Q. 団信なしのフラット35に借り換えると、いまの団信の保障はどうなりますか?

A. 現在の住宅ローンを完済した時点で、その団信の保障は終了します。「借り換え=保障の乗り換え」ではなく「保障がいったん無くなる」という理解が正確です。保障が切れる日と、新しい保険が有効になる日が空かないように手続きの順番を確認しておきましょう。

Q. ワイド団信の年0.300%の上乗せは、借り換えの損得にどれくらい影響しますか?

A. 上乗せ幅はそのまま「借り換え後の適用金利の上乗せ」になります。返済中の金利との差が年0.300%しかない場合、ワイド団信で年0.300%上乗せされると利息の軽減効果は消え、諸費用のぶんだけ損になります。金利差が上乗せ幅を十分に上回っているかを、必ず先に確認してください。

 

申し込み先候補に加えてみたい住宅ローン3選
過去にがんになったことがあると住宅ローンを組みにくくなりますが、絶対に組めないわけではありません。過去の病歴は住宅ローンそのものの信用力で審査に落ちるわけではなく、住宅ローンとセットで利用する団信の加入審査に影響します。

過去にがんになったことがあると、健康な人の加入を前提にした通常の団信に加入できない可能性はどうしても高くなるので、ワイド団信を取り扱う銀行や、団信に加入せずに利用できるフラット35を選択肢に加えておく必要があります。

ワイド団信を利用するときにおすすめしたいのは、auじぶん銀行とソニー銀行の住宅ローンです。ソニー銀行はワイド団信の上乗せ金利が年0.200%と他の金融機関(相場は年0.300%)より割安で経済的な負担が少なく、特におすすめです。また、団信に加入せずに住宅ローンを利用したい人は、団信を利用しない場合の金利が低いフラット35(スーパーフラット)を取り扱うSBIアルヒが候補になります。

※本記事に記載の金利・上乗せ幅・加入条件は2026年8月時点で各金融機関の公式サイトを確認した内容です。最新の取り扱い状況は必ず各金融機関の公式サイトをご確認ください。

 

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