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住宅ローン借り換えで失敗・後悔しないために|4つのケースと対策

住宅ローンの借り換えを慎重に比較検討するイメージ

マイホーム購入時に借りた住宅ローンを借り換えて月々の返済額を軽くしたり、返済期間を短縮しようと考えるのは多くの方が考えることで、実際、多くの方が住宅ローンの借り換えをしています。

とくに2026年は金利が上昇局面に入っています。日本銀行は2026年6月に政策金利を年1.0%程度へ引き上げ、フラット35(買取型)の最頻金利は3%を超えました。一方で変動金利は依然低水準です。こうした局面では「金利の高い時期に借りた人が低い金利へ乗り換える」「将来の上昇に備えて固定へ乗り換える」といった借り換えの判断がいっそう重要になります。だからこそ、失敗・後悔しないためのポイントを押さえておくことが大切です。

金融機関も積極的に他行からの住宅ローン借り換えを促進しています。これは新規購入に伴う融資より、返済実績のある住宅ローンのほうが貸し倒れのリスクも少なく融資しやすいということも関係しているでしょう。金融機関によっては借り換え専用の住宅ローン金利を提供しているケースもあるほどです。

今回はそんな住宅ローン借り換えで失敗・後悔しないためのポイント・ケースをまとめてみました。

 

住宅ローン借り換えで失敗・後悔 ケース①借り換え効果が無かった

住宅ローンの借り換えには各種の諸費用が必要となります。このため、諸費用を含めた借り換えの効果をシミュレーションする、借り換え先の金融機関を変えるなどの判断が必要となります。

そこで、借り換えに伴う諸費用をしっかりと把握しておく必要があります。住宅ローン残高が2,000万円、3,000万円、4,000万円の際の諸費用の目安を紹介したいと思います。

2,000万円 3,000万円 4,000万円
保証料 なし~400,000円 なし~600,000円 なし~800,000円
事務手数料 数万円~440,000円 数万円~660,000円 数万~880,000円
登記抹消および登記費用および司法書士報酬 200,000円程度 200,000円程度 200,000円程度
印紙代 なし~20,000円 なし~20,000円 なし~20,000円
合計 60万円強 85万円程度 110万円程度

メガバンク、地銀、信用金庫の住宅ローンには保証料が必要となりますが、ネット専業銀行とフラット35では不要となるのが一般的です。その代わり、メガバンク・地銀・信用金庫では数万円のコストですむ事務手数料が、フラット35だと借入額の0.99%(税込)~、ネット専業銀行だと2.20%(税込)必要となるケースが一般的です。

このように金融機関ごとに保証料や事務手数料の体系が異なるため、その比較が極めて重要となります(事務手数料の料率・定額/定率の別は各行公式で確認しましょう)。

住宅ローン借り換え金利や諸費用の基本的な考え方

①住宅ローン残高、返済期間が少ないケース

住宅ローン借り換えで得られるメリットが少なくなりがちなため、保証料や事務手数料など初期費用が安い住宅ローンを選ぶのがポイントです。保証料が原則無料で初期費用を抑えやすいSBI新生銀行の住宅ローンなどが候補になります。ただしSBI新生銀行の事務手数料は、変動金利(半年型)タイプでは借入額×2.2%(税込)の定率型、他の金利タイプでは定額型など選ぶ金利タイプによって手数料体系が異なるため、申込前に必ず最新の手数料を公式サイトで確認しましょう。

②住宅ローン残高、返済期間が多いケース

金利差により住宅ローン借り換えで得られるメリットが大きいため、金利差をより得られる住宅ローンを選びます。変動金利に借り換えたい場合にはPayPay銀行(旧ジャパンネット銀行)、15年以上の返済期間があり固定金利を選びたい場合にはSBIアルヒ(旧ARUHI)のフラット35が狙い目です。

 

住宅ローン借り換えで失敗・後悔 ケース②当初期間経過後の金利が割高になる住宅ローンに借り換えをした

「この住宅ローンの金利、安い!」と飛びついて契約すると失敗・後悔となるケースがあるのが当初期間固定型(当初固定)の住宅ローンです。

「当初引き下げ」「当初固定期間」「当初期間引下げ」など金融機関ごとに呼び名はバラバラですが、あらかじめ定めた期間の金利の割引率を大きくし、期間経過後は割引が小さくなる金利タイプを言います。期間経過後は自動的に変動金利などに移行されますが、基準金利からどの程度割引されるかが金融機関ごとに大きく異なります。

当初期間タイプに借り換えたものの、期間経過後の金利がそもそもの住宅ローン金利より高くなるケースも考えられるため注意が必要です。とくに金利が上昇していく局面では、当初期間が終わった後の金利がどこまで上がり得るかを確認しておくことが、これまで以上に重要になります。

このため、借り換え先に当初期間タイプの住宅ローンを選ぶ場合、期間経過後の金利が何%になるのか(基準金利からの割引幅)を必ず確認しておく必要があります。

具体例として、2009年に三菱UFJ銀行で変動金利1.3%で住宅ローンを組み、2019年8月に住信SBIネット銀行の10年固定金利・年0.660%に借り換えた場合(住宅ローン残債3,000万円)の月々の返済額・総返済額を見てみましょう(※下表は2019年8月時点の金利での試算例です。考え方の参考としてご覧ください)。

借り換えをしない(三菱UFJ銀行のまま) 住信SBIネット銀行の住宅ローン
諸費用(A) なし 約85万円
月々の返済額 117,182円

当初10年;108,504円(年0.66%)

11年目以降;120,027円(年2.075%)

総返済額(B) 35,161,944円 34,579,346円
総額(A+B) 35,161,944円 約35,429,346円
差額 +267,402円

どうでしょう。この例では、当初10年の金利は下がっても、11年目以降の金利上昇と諸費用の影響で借り換えにより総額がかえって増えてしまい、借り換えが失敗となっています。

このようなケースでは、当初期間経過タイプを選ばない、もしくは当初期間経過後の金利も比較的安いPayPay銀行(旧ジャパンネット銀行)楽天銀行(金利選択型)などに借り換えることを検討したほうがよいでしょう。いずれにせよ、当初期間後の金利まで含めた「総額」で損得を判断するのが鉄則です。

 

当初固定期間タイプの住宅ローンの金利イメージ

 

住宅ローン借り換えで失敗・後悔 ケース③疾病保障が無くなった

次に考えられる失敗・後悔のケースとしては、住宅ローンに付帯していた疾病保障がなくなってしまうケースです。想定される理由を見ていきましょう。

疾病保障がない住宅ローンに借り換えた

今までの住宅ローンに疾病保障が付帯していることを意識せずに借り換えた結果、疾病保障がなくなってしまい、万が一の際に保障を受けられなかった、という後悔につながらないように、現在どういう住宅ローンを借りているかをしっかり把握しましょう。

健康上の理由で疾病保障を付帯できなかった

現在、多くのネット専業銀行や一部の地銀では、疾病保障を無料で付帯させる住宅ローンを取り扱っています。しかし、疾病保障を付帯させるには健康状態の告知で審査をクリアする必要があります。病歴・通院歴などで疾病保障に加入できなかった、とならないように、借り換えには健康状態の面でもタイミングが重要となります。

疾病保障を加味すると金利が割高

疾病保障が付帯していない住宅ローンの場合、別途保険料を上乗せして疾病保障を付帯させる必要があるため、無料で保障を付帯させる住宅ローンか、上乗せ保険料の水準をしっかり見極めましょう。

 

住宅ローン借り換えで失敗・後悔 ケース④借り換えができなかった

最後に、そもそも住宅ローンの借り換えができなかったという失敗・後悔のケースです。想定される理由を見ていきましょう。

健康上の理由で団信の審査に落ちた

現在の住宅ローンを借りた後に健康状態が悪化した際に注意したいのが団信の審査落ちです。団信の加入時には、過去3年以内の通院・治療・投薬などの有無について告知する義務があります。この告知により団信に加入できないケースが想定されます。この場合にはPayPay銀行(旧ジャパンネット銀行)auじぶん銀行ソニー銀行などで取り扱いのある、加入条件を緩和したワイド団信の利用を検討してみてください。ただし、年0.2%~0.3%の金利上乗せが必要となるため、借り換えのメリットが減ってしまう点には注意しましょう。

起業・独立で住宅ローン借り換え審査に落ちた

現在利用している住宅ローンを借りた後に、独立して個人事業主・自営業になった、会社を起業して代表取締役になった、という場合には、3年程度の業歴(実績)がないと住宅ローン審査をしてくれない金融機関が大半です。また、個人事業主・自営業・会社経営者などはそもそも住宅ローン審査に通りにくい立場なので、独立・起業前に住宅ローンの借り換えを完了しておくことは極めて重要な対策となります。

年収が落ちて住宅ローン借り換え審査に落ちた

年収がダウンすると住宅ローンの借入限度額に影響するため、住宅ローンの借り換えに必要な金額のローンが下りない可能性があります。借り換えを考えるなら、収入が安定しているうちに動くのが安全です。

各種ローンの支払い遅延で事故情報が登録されて住宅ローン借り換え審査に落ちた

各種ローンの支払いが遅延し信用情報に事故情報(いわゆるブラック)が登録されると、その記録が一定期間(おおむね5年間)、信用情報機関に残ります。このため、その間は新たなローンの契約が難しくなります。住宅ローンの借り換え審査にも落ちる可能性が高くなってしまうでしょう。

 

住宅ローン借り換えのよくある質問(FAQ)

Q. 借り換えで「失敗」とは具体的にどういう状態ですか?
A. 一番多いのは、金利は下がったのに諸費用(事務手数料・登記費用など)を差し引くと総額がほとんど減らない、あるいは増えてしまうケースです。とくに残高が少ない・残期間が短い場合や、当初固定型で期間経過後の金利が高くなる場合に起こりがちです。必ず「諸費用込みの総額」で比較しましょう。

Q. 金利が上がってきた今、借り換えは損ですか?
A. 一概には言えません。金利の高い時期に借りた人は、今でも金利差で得をできる可能性があります。また、変動金利のままで将来の上昇が不安な人が、固定金利へ借り換えて返済額を確定させる、という守りの借り換えもあります。いずれも諸費用と削減効果を試算して判断してください。

Q. 借り換えを成功させるコツはありますか?
A. ①諸費用込みの総額で比較する、②当初固定型は期間経過後の金利まで確認する、③疾病保障の有無を引き継げるか確認する、④健康・収入・勤続が安定しているうちに動く、の4点が基本です。書類を一度そろえれば複数行に申し込めるので、複数の住宅ローンを比較して、より有利な条件を選ぶのがおすすめです。

 

最後に

住宅ローン借り換えで失敗・後悔しないためのポイントを確認してきましたが、住宅ローンの借り換えは決して難しいものではありません。借り換えのために揃える書類を有効活用する意味でも、複数の住宅ローンに借り換えの申し込みをしましょう。特にメガバンクや地銀の住宅ローンでは、審査が終わらないと金利や保証料が確定しません。より有利な借り換えを実現するためにも、複数の住宅ローンへ借り換えを申し込み、後悔しないようにしたいですね。

 

※本文の金利・各社のサービス内容・手数料は2026年6月時点の情報・試算です。最新の適用金利・手数料・団信の取り扱いは各金融機関の公式サイトで必ずご確認ください。

 

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