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ゆうちょ銀行の住宅ローンとは?借り換えで使える3商品と経緯

銀行窓口で住宅ローンの借り換えを相談する夫婦のイメージ

ゆうちょ銀行には独自ブランドの住宅ローンはありませんが、「ゆうちょフラット35」をゆうちょ銀行自身が取り扱い、ソニー銀行とSBI新生銀行の住宅ローンを代理で媒介しています(2026年9月時点)。

3つとも借り換えに使えますが、申し込めるのは全国の一部の直営店(住宅ローン取扱店)とWebに限られ、近所の郵便局の窓口では申し込めません。

 

ここでは、借り換えでゆうちょ銀行経由の商品を検討するときの費用の見方と、独自商品を持たないまま今の形になった経緯をまとめます。

ゆうちょ銀行の住宅ローンの今(2026年9月時点)

ゆうちょ銀行は2019年からSBI新生銀行とソニー銀行の住宅ローンを銀行代理業として媒介し、2021年5月からは住宅金融支援機構と提携した【フラット35】を直営の取扱店で扱っています。郵便局(日本郵便の窓口)での取り扱いには別途の認可が必要で、現在も対象外です。

 

ゆうちょ銀行で借りられる住宅ローンは3商品

2026年9月時点で、ゆうちょ銀行の窓口・Webから申し込める住宅ローンは次の3つです。ゆうちょ銀行が自ら融資するのはフラット35だけで、残り2つは他行の商品をゆうちょ銀行が取り次ぐ形です。

 

ゆうちょフラット35(全期間固定・ゆうちょ銀行が取り扱い)

住宅金融支援機構と提携した最長35年の全期間固定金利ローンで、既存の住宅ローンの借り換えにも利用できます。融資額は100万円以上1億2,000万円以内、借り換えの場合の返済期間は最長35年以内です。

保証料は不要、繰上返済手数料は無料で、融資手数料として借入金額×2.20%(税込)がかかります。団信は原則として機構の団体信用生命保険制度に加入します。相談・申し込みは住宅ローン取扱店での対面が基本です。

 

ソニー銀行の住宅ローン(媒介)

ネット銀行であるソニー銀行の「変動セレクト住宅ローン」「固定セレクト住宅ローン」を、ゆうちょ銀行の取扱店で対面相談できます。借り換えにも対応し、保証料・繰上返済手数料は0円、取扱手数料は融資金額の2.20%(税込)です。

ネット銀行の商品を、店舗で説明を受けながら選べるのがこのルートの特徴です。Webからの申し込みもできます。

 

SBI新生銀行「パワースマート住宅ローン<プラス>」(媒介)

ゆうちょ銀行を代理業者とする専用商品で、ゆうちょ銀行経由でしか申し込めません。資金使途に「住宅ローン借換資金」と「借換資金+リフォーム資金」があり、借り換え時の返済期間は5年以上35年以内です。

保証料は不要、事務取扱手数料は借入金額の2.20%(税込)です。申し込みにはSBI新生銀行の総合口座パワーフレックスの開設が必要で、年収要件(正社員・契約社員は300万円以上など)もあります。

 

比較の観点ゆうちょフラット35ソニー銀行(媒介)SBI新生銀行(媒介)
貸し手ゆうちょ銀行(機構と提携)ソニー銀行SBI新生銀行
金利タイプ全期間固定変動・固定期間選択変動・固定期間選択
借り換え可可可
手数料借入金額×2.20%(税込)融資金額×2.20%(税込)借入金額×2.20%(税込)
保証料不要0円不要
申し込み窓口住宅ローン取扱店取扱店・Web取扱店・Web

※2026年9月時点。各行・ゆうちょ銀行の商品概要をもとに当サイトで整理。

 

借り換えでゆうちょ銀行経由を選ぶときの損得の目安

3商品とも手数料が借入額の2.20%(税込)の定率型なので、借り換える残高が大きいほど初期費用も大きくなります。たとえば残高2,500万円なら、手数料だけで55万円です。

これに抵当権の抹消・設定の登記費用、司法書士報酬、印紙税などが加わります。諸費用の合計を、金利差で浮く利息が何年で上回るかが判断の軸です。

 

単純計算では、残高2,500万円で金利差が0.3%なら、1年目に浮く利息はおよそ7万5,000円です(返済が進むと差額は小さくなります)。手数料55万円だけでも回収に7年以上かかる計算なので、残りの返済期間が短い人や金利差が小さい人は、窓口で対面相談できる安心感だけで選ばないほうが安全です。

諸費用の内訳は住宅ローンの諸費用の比較(保証料・事務手数料・団信と借り換え費用)で詳しく整理しています。

 

全期間固定へ借り換えるなら、ゆうちょフラット35以外の【フラット35】とも比べておきましょう。フラット35の金利や手数料は取扱金融機関ごとに異なります。SBIアルヒのフラット35の審査基準や、楽天銀行のフラット35との借換比較も参考になります。制度の概要は住宅金融支援機構の【フラット35】公式サイトで確認できます。

 

ゆうちょ銀行が独自の住宅ローンを持たない経緯

ゆうちょ銀行は民営化後も、融資業務の拡大には金融庁長官と総務大臣の認可が必要です。住宅ローンをめぐっては、申請と見送りを繰り返してきました。

 

2012年に自社住宅ローンを申請し、2017年に事実上断念

ゆうちょ銀行は2012年に住宅ローンや企業向け融資などの新規業務を申請しましたが、融資業務の体制が不十分として認可されない状態が続きました。

2017年3月31日、ゆうちょ銀行は住宅ローンなどの申請を取り下げ、事実上断念すると発表しています(日本経済新聞の報道)。理由は低金利と競争激化で十分な収益が見込めないためとされ、競合する地方銀行の反発への配慮もあったと報じられました。

 

スルガ銀行の媒介から、ソニー銀行・SBI新生銀行へ

自社商品を持たない間も、ゆうちょ銀行は「銀行代理業」としてスルガ銀行の住宅ローンを販売していました。店舗やホームページで紹介されていたのは、静岡県を地盤とするスルガ銀行の商品です。

 

ゆうちょ銀行の対応
2018年10月にスルガ銀行が金融庁から行政処分を受けたことを理由にゆうちょ銀行ではスルガ銀行の住宅ローンを積極的に販売しないことを明らかにしています。この方針で2019年4月までゆうちょ銀行では住宅ローンの申し込みを受け付けていないことになります。ゆうちょ銀行

 

その後、スルガ銀行のローン商品の媒介は2019年8月末で終了し、2019年からはSBI新生銀行(当時は新生銀行)とソニー銀行の住宅ローンの媒介に切り替わりました。

 

2021年にフラット35の直接取扱いが認可

ゆうちょ銀行は2020年12月に、フラット35などの直接取扱いを含む個人向け貸付業務を申請し、2021年4月に総務省・金融庁の認可を得て、同年5月から直営店で取り扱いを始めました。

開始当初の取扱店は直営店41店舗で、郵便局で取り扱う場合は改めて認可申請が必要という条件が付いています(郵政民営化委員会の資料)。

 

スルガ銀行を媒介していた時代の利用実績

スルガ銀行の住宅ローンを取り扱っていた時代、ゆうちょ銀行のディスクロージャー誌によると、平成28年度(2016年4月~2017年3月末)の1年間で約400億円の住宅ローンを媒介していました。

同じころネット銀行のドコモSMTBネット銀行(旧・住信SBIネット銀行)は1年間で約7000億円ぐらいの融資を実行しており、店舗網の規模に比べると利用は多くありませんでした。

 

平均借入額を2,500万円と仮定すると、全国で1か月あたり約130人、1日6人ほどの計算です。なお、2018年10月の行政処分で業務停止命令の対象になったのはスルガ銀行の一部の住宅ローンで、媒介していた商品のすべてが対象ではありません。

 

 

ゆうちょ銀行の住宅ローンでよくある質問

Q. 近くの郵便局で住宅ローンの借り換えを申し込めますか?

A. 日本郵便の郵便局窓口では扱っていません。相談・申し込みの窓口は、ゆうちょ銀行の住宅ローン取扱店(一部の直営店)です。ソニー銀行とSBI新生銀行の商品は、ゆうちょ銀行のWebサイトからも手続きできます。

Q. ゆうちょフラット35と他行のフラット35は何が違いますか?

A. 制度の仕組みは同じ【フラット35】ですが、適用金利や融資手数料は取扱金融機関ごとに決まります。ゆうちょフラット35の融資手数料は借入金額×2.20%(税込)です。

Q. ゆうちょフラット35に保証料や繰上返済手数料はかかりますか?

A. どちらもかかりません。保証料は不要で、繰上返済手数料も無料です。借り換え時の初期費用で大きいのは、融資手数料(借入金額×2.20%・税込)と登記などの諸費用です。

Q. ゆうちょ銀行が独自の住宅ローンを始める予定はありますか?

A. 2026年9月時点で、ゆうちょ銀行の住宅ローンのページで案内されているのは、ゆうちょフラット35とソニー銀行・SBI新生銀行の媒介の3商品です。独自ブランドの住宅ローンは取り扱っていません。

 

まとめ:借り換えなら「窓口の安心感」と「諸費用」を分けて考える

ゆうちょ銀行経由の住宅ローンは、全期間固定のゆうちょフラット35と、変動も選べるソニー銀行・SBI新生銀行の3択です。どれも借り換えに使え、手数料は借入額の2.20%(税込)の定率型です。

対面で相談できる点は心強い一方、借り換えの損得は諸費用と金利差で決まります。他の金融機関の同タイプの商品とも見積もりを並べてから決めましょう。適用金利は毎月見直されるため、最新の金利と取扱店はゆうちょ銀行の公式サイトでご確認ください。

 

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