住宅ローン借り換えシミュレーションのやり方|損益分岐の見方も解説

住宅ローンは「マイホーム購入」という一大イベントとともにやってきます。最初に借りる住宅ローンは、購入手続きをサポートしてくれる不動産会社が提案してくれるため、黙っていても手続きが進んでいきます。
ところが、住宅ローンの借り換えには背中を押してくれるイベントがありません。借り換え先も借り換えのタイミングも、自分で選ぶ必要があります。
正直なところ、借り換えの手続き自体は面倒な作業です。それでも、購入時より低い金利へ借り換えて総返済額(負担)を減らせるからこそ、借り換える意味があります。「借り換えかぁ……」と頭をよぎったとき、まず行ってほしいのが住宅ローンの借り換えシミュレーションです。
シミュレーションをすれば、「総返済額をどのくらい減らせるのか」「毎月の返済額がいくらになるのか」を具体的に把握できます。借り換え効果があるかどうかも分からないまま申し込む人はいないはずです。最初にシミュレーションを行い、借り換えがその後の家計にどう影響するのかをしっかり把握しましょう。
住宅ローンの借り換えシミュレーションはかんたん
「借り換えシミュレーション」を自分で手計算しようとするととても複雑ですが、住宅ローンを提供する金融機関のホームページには、借り換えシミュレーションツールが用意されています。
ツールを使えば、いまの借入残高・残りの返済期間・借入金利を入力し、あとは借り換え候補の金利タイプを入れるだけで結果が出ます。
残高・残期間・金利は、細かい単位まで正確でなくても構いません。もちろんでたらめでは意味がありませんが、「残り〇〇万円くらい」「〇〇年くらい」「金利はだいたい〇.〇%くらい」まで入力できれば、おおよその借り換え効果は確認できます。
借り換え効果は「金利差 × 残高 × 残期間」で決まる
借り換えでどれだけ得をするかは、大きく「金利差」「借入残高」「残りの返済期間」の3つで決まります。金利差が大きく、残高が多く、残期間が長いほど削減効果は大きくなります。
下のグラフは、借入残高2,000万円・残り20年(元利均等)のケースで、金利差ごとに総返済額をどのくらい減らせるかの目安です(諸費用を差し引く前の概算)。
たとえば金利を0.5%下げられれば約107万円、1.0%下げられれば約214万円の削減が見込めます。ただし借り換えには事務手数料・登記費用・印紙税などの諸費用がかかります。
| 比較の観点 | 見るポイント | 目安 |
|---|---|---|
| 金利差で減る利息 | 大きいほど有利 | 上グラフ(例:0.5%差で約107万円) |
| 事務手数料 | 定額型か定率型か | 定率型は借入額×2.20%(税込)=2,000万円で約44万円 |
| 登記費用(抵当権抹消・設定) | 司法書士報酬+登録免許税 | おおむね数万円〜十数万円 |
| 印紙税 | 電子契約なら不要な銀行も | 1契約あたり約2万円(借入額による) |
| 戻ってくる保証料 | 一括前払いなら残期間分が返金 | 借り換えの実質負担を軽くする |
借り換えの損益分岐は「金利差で減る利息 > 借り換えの諸費用」で判断します。減る利息が諸費用を上回るなら、借り換えメリットがあると考えられます。まずはシミュレーションで削減額を確かめ、そこから諸費用を差し引いて最終判断しましょう。
実際に借り換えシミュレーションを使ってみよう
ここでは、ネットで人気のauじぶん銀行の借り換えシミュレーションツールを使って、借り換えメリットを試算してみます。auじぶん銀行のツールはスマートフォンでも使いやすく、スマホからでもタブレットからでも簡単に操作できます(申し込みももちろん可能です)。
auじぶん銀行の良いところは、金利設定がシンプルな点です。メガバンクや地方銀行では住宅ローンの金利を「年0.700%〜年1.100%」のように幅を持たせているところが大半です。審査結果に応じて金利を決めるための仕組みですが、借り換えを検討する立場からすると試算しづらいのが難点です。
年0.700%なら借り換え効果が大きいので借り換えたいものの、年1.100%では効果が小さくて踏み切れない、ということがよくあるためです。その点、審査結果や頭金の有無で表示金利が変わらないツールは、借り換え効果を試算するうえで分かりやすいというメリットがあります。
①まずは現在の住宅ローンの情報を入力
モデルケースとして、現在の借入残高2,000万円、残りの返済期間20年、借入金利は変動金利で年1.500%だったとして試算してみます。この3つの数値を画面の「借入残高」「借入期間」「金利」の欄に入力するだけです。
②借り換えしてみたい住宅ローンの金利タイプを選択
続いて、借り換え後の条件を入力します。画面を下に進むと「借り換え条件」の入力欄が表示されるので、同じように「借入金額」「借入期間」を入力し、「借り換え後の金利タイプ」を選びます。ここでは変動金利を選びます。
なお、「ボーナス返済」「返済方法(元利均等返済・元金均等返済)」は状況に応じて入力してください。よく分からない場合は、そのままの設定で問題ありません。
③シミュレーションの準備は完了!その結果は?
入力が終わったら「計算ボタン」を押すだけです。内容に問題がなければ、以下のような結果画面が表示されます。

表示はとても分かりやすく、この例では毎月の返済額が約9,000円減り、総返済額でも大きな削減効果が得られることが読み取れます(※金利や条件は試算時点の一例です。実際の効果は入力条件によって変わります)。
また、借り換え後の金利入力欄で「金利を自由入力」にすれば、auじぶん銀行以外の住宅ローンの金利を入れて試算することもできます。複数の住宅ローンを比べたいときにこの機能を使えば、借り換えシミュレーション結果を横並びで比較でき便利です。
auじぶん銀行 住宅ローン借り換えシミュレーターはこちらから
借り換えシミュレーションの前に用意しておくもの・流れ
精度の高いシミュレーションのために、手元に次の情報をそろえておくとスムーズです。
- 現在の借入残高(返済予定表・金融機関アプリ・ローン残高証明書などで確認)
- 残りの返済期間(あと何年か)
- 現在の借入金利(変動か固定か、当初固定期間の残り)
- 毎月の返済額・ボーナス返済の有無
シミュレーションで借り換え効果を確認できたら、借り換え先の事前審査 → 本審査 → 契約 → 現在の借入先の完済(一括返済)という流れで手続きを進めます。審査には収入や物件の書類が必要になるため、勤続年数や健康状態など、審査に影響する条件が整っているうちに検討しておくと安心です。
よくある質問(借り換えシミュレーション)
Q. シミュレーションの数値は正確でないとダメですか?
A. おおよその値で大丈夫です。残高・残期間・金利をだいたいの数値で入力すれば、借り換え効果の目安はつかめます。本格的に検討する段階になったら、返済予定表などで正確な数値を確認しましょう。
Q. 削減額が出れば必ず借り換えるべきですか?
A. シミュレーションの削減額は多くの場合「諸費用を差し引く前」です。事務手数料・登記費用・印紙税などを差し引き、それでも得になるか(損益分岐)を確認してから判断しましょう。戻ってくる保証料がある場合は、それも実質負担の軽減として加味します。
Q. いくつかの銀行を比べたいときは?
A. 「金利を自由入力」できるツールを使えば、複数の銀行の金利を入れて結果を比較できます。金利だけでなく、事務手数料のタイプ(定額・定率)や団信の内容も含め、総返済額ベースで比べるのがおすすめです。最新の金利・手数料は各金融機関の公式サイトでご確認ください。
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