戻し保証料・未経過保証料とは?借り換えで保証料は戻る?計算と条件

目次
戻し保証料・未経過保証料・返戻保証料とは?
ネット銀行の住宅ローンなど、最近は保証料がかからない住宅ローンが増えていますが、メガバンク・地方銀行・信用金庫・JAなどの住宅ローンでは、保証料を支払う必要があります。保証料がかからない(または銀行が負担する)住宅ローンのシェアは年々高まっていますが、いまも保証料が必要な住宅ローンを利用している人は少なくありません。
この保証料は、一部繰上返済や住宅ローンの借り換え(全額繰上返済)を行うと返金してもらえることがあります(保証料を一括前払いで支払い済みの場合)。この返金される保証料が「戻し保証料」「未経過保証料」「返戻保証料」などと呼ばれるものです。この記事では、保証料の仕組みに触れながら、戻し保証料が発生する条件・仕組み・金額の目安を解説します。とくに借り換えの損得(損益分岐)を考えるうえで、戻し保証料は見落とせない要素です。
保証料の仕組みを詳しく知りたい人は、住宅ローンの保証料とは?何が保証されるの?、保証料の無い住宅ローンのメリット・デメリット、ネット銀行の住宅ローンには保証料は存在しない?もあわせて参考にしてください。
保証料の2つの支払い方
住宅ローンの保証料は「一括前払い方式」と「分割後払い方式」のいずれかで支払います。
| 比較の観点 | 一括前払い方式 | 分割後払い方式(金利上乗せ) |
|---|---|---|
| 支払い方 | 契約時に保証料を全額まとめて支払う | 金利に0.2%程度上乗せし、毎月の返済の中で支払う |
| 合計負担額 | 分割後払いより少なくなる傾向 | 一括前払いより多くなる傾向 |
| 借り換え・完済時の戻し保証料 | 未経過分が戻る(戻し保証料あり) | 戻らない(前払いしていないため。以後の上乗せ分を払わなくて済むだけ) |
合計負担額では「一括前払い方式」のほうがお得になりやすいため、資金に余裕がある場合は一括前払いを選ぶ人が多くなります。なお、戻し保証料が発生するのは「一括前払い方式」だけである点は、借り換えを考えるうえで重要なポイントです。
保証料は保証期間(借入期間)で決まる
保証料は住宅ローンの金額に応じて決まるため、借入額が多いほど保証料も増えます。さらに「保証してもらう期間(≒完済までの期間)」でも金額は大きく変わり、同じ3,000万円でも借入期間が長いほど保証料は高くなります(一括前払い・分割後払いのどちらでもこの考え方は共通です)。
保証料はなぜ戻ってくる?
「繰上返済(期間短縮型)」や「住宅ローンの借り換え」を行うと、当初想定していた借入期間よりも実際の借入期間が短くなります。一括前払い方式では、借入時に決めた期間ぶんの保証料を前払いしています。実際の借入期間が想定より短くなると、その差額が戻ってくるというわけです。
たとえば、3,000万円・35年返済の保証料を一括前払いで支払うと約60万円程度になりますが、これは「35年間ぶんの保証料」で、35年借り続ける前提で前払いしています。借り換えなどで早く完済すれば、保証期間が短縮されたぶんの差額を返金してもらえる——これが「借り換えると保証料が戻ってくる」と言われる理由です。
多額の戻し保証料が発生しやすいのは借り換えのケースです。借り換えでは、当初の前提より大幅に早く(全額繰上返済で)完済することになるためです。理論上は一部繰上返済でも戻りますが、少額の繰上返済では戻し保証料もわずかで、一部繰上返済手数料と相殺されて意識しないこともあります。それでも「戻し保証料」「未経過保証料」「返戻保証料」は、借り換え時に戻ってきているのです。
借り換え時に戻し保証料を受け取れる条件
- 今の住宅ローンが保証料が必要な住宅ローンであること
- 保証料を借入時に一括前払い方式で支払い済みであること(銀行が負担する場合・分割後払いの場合は除く)
戻し保証料・未経過保証料・返戻保証料の金額・計算
次に、いくら戻ってくるのかを見てみましょう。残念ながら戻し保証料の計算は保証会社によって異なり、独自の「係数」を掛け合わせて計算されます。正確な計算式は外部に公開されていないことが大半なので、正確な金額を知りたい場合は、保証会社に条件を伝えて計算してもらう必要があります。
ただし、目安は把握できます。たとえば30年で借り入れた住宅ローンを10年以内に全額繰上返済(借り換え)した場合、最初に支払った保証料の3分の1程度が戻ってくると考えておくとよいでしょう。単純計算では「30年ぶん払って10年しか借りていないのだから3分の2は戻ってほしい」ところですが、前述の係数の影響で戻る額は少なめになります。戻し保証料の額は、おおむね「元本残高が多いほど・残っている保証期間が長いほど(=早い時期に完済するほど)多くなる」傾向があります。
なお、戻し保証料は完済や一部繰上返済をしてから実際に入金されるまで1か月ほどかかることがあります。タイミング的に、借り換え時の初期費用に直接充てることはできない点に注意しましょう。とはいえお金は戻ってくるので、臨時収入だと思って借り換え後のローンの繰上返済に回すなど、有効に活用しましょう。
借り換えの損益分岐に「戻し保証料」を必ず含める
借り換えをすべきかどうかは、「借り換えで減る利息」と「借り換えにかかる諸費用」を比べて判断(損益分岐)します。このとき、諸費用側だけでなく戻し保証料(プラス要素)も忘れずに計算に入れると、借り換えの実質コストを正しく見積もれます。
- 借り換えにかかる主な費用:新しいローンの事務手数料・保証料、抵当権の設定・抹消費用(登録免許税・司法書士報酬)、旧ローンの繰上返済(全額完済)手数料、印紙税など。
- 戻ってくるお金:一括前払いしていた場合の戻し保証料(未経過分)。
「借り換えで減る利息 + 戻し保証料 > 借り換えの諸費用」であれば、借り換えのメリットが出やすいと判断できます。戻し保証料を見落とすと、借り換えの得を過小評価してしまうことがあるので注意しましょう。
よくある質問(FAQ)
Q. 分割後払い(金利上乗せ)でも戻し保証料はもらえますか?
A. もらえません。分割後払いは保証料を前払いしておらず、金利に上乗せして毎月支払っているためです。ただし借り換え・完済すれば、以後の上乗せ分を支払わなくて済みます。
Q. 一部繰上返済でも戻し保証料は戻りますか?
A. 理論上は戻りますが、少額の繰上返済では戻る額もわずかで、一部繰上返済手数料と相殺されて意識しないことが多いです。まとまった額が戻りやすいのは借り換え(全額完済)のときです。
Q. 戻し保証料はいくらくらいですか?
A. 保証会社の計算式(係数)によるため一概には言えませんが、30年借入を10年以内に完済した場合で、最初に払った保証料の3分の1程度が目安です。正確な額は保証会社に確認しましょう。
Q. 戻し保証料を借り換えの初期費用に使えますか?
A. 入金までに1か月ほどかかることがあるため、初期費用には充てられません。借り換え時の諸費用は別途用意し、戻し保証料は後から入る臨時収入として活用しましょう。
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