年収300万円の住宅ローン|借入上限・適正額の目安と審査対策【2026年】

国税庁の「民間給与実態統計調査」(令和6年分・令和7年9月公表)によると、1年を通じて勤務した給与所得者の平均給与は478万円で、過去最高を更新しました。とはいえ住宅ローンを考え始める20代後半〜30代では、年収300万円前後で住宅購入や借り換えを検討する人も少なくありません。
この特集ページでは、年収300万円前後の人が住宅ローンを検討するときの参考情報(上限金額・借入金額の目安・審査対策)を解説しています。新規借入だけでなく、すでに返済中の方の借り換え判断にも役立つ内容です。
年収300万円の人の住宅ローンの上限金額・借入金額の目安は?
最初に、年収300万円の人の住宅ローンの目安について解説します。
詳しくは当サイトのコラム「住宅ローンは年収の何倍まで?無理のない住宅ローン借入額とは?」をご確認いただきたいのですが、有識者の中でも意見が分かれるところです。当サイトでは年収300万円の人が余裕をもって返済できる住宅ローンの適正額は「1,500万円~1,800万円」だと考えています(もう少し多い金額でも対応は可能です)。
その根拠として、いくつかの借入金額で借入期間を調整しながら具体的に計算してみます。下記の例では住宅ローンの金利を年1.000%で計算しています。
※当編集部が2026年8月に主要行の公式金利ページを確認したところ、変動金利(新規借り入れ・引下げ後)は年0.945%〜年1.543%と銀行によって幅がありました(2026年8月4日確認)。以下の試算はその下限に近い水準を前提にしたものです。金利が上がったときにどうなるかは、後述の「金利が上がると返済額はどう変わる?」で確認してください。最新の金利は各金融機関の公式サイトでご確認ください。
年収300万で1000万は借りられる?
まず1,000万円の場合です。金額も少ないので、まずは20年で完済する計画でシミュレーションしてみましょう。
借入金額:1,000万円、借入期間:20年、金利:年1.000%
→ 月収:約25万円(手取り:約22万円)、毎月の返済額:約4.6万円、総返済額:約1,104万円
当サイトの評価:1,000万円は20年で完済可能(返済負担率約18%→◎)
年収300万で2000万は借りられる?
次に2,000万円です。先ほどの1,000万円を20年で完済するのに毎月4.6万円なので、同じ条件で2,000万円を計算すると毎月の返済額は約9.2万円。これでは返済負担率が35%を超えてしまうため、借入期間を35年まで伸ばしてシミュレーションしてみます。
借入金額:2,000万円、借入期間:35年、金利:年1.000%
→ 月収:約25万円(手取り:約22万円)、毎月の返済額:約5.6万円、総返済額:約2,371万円
当サイトの評価:2,000万円は35年返済を続けられるのであれば十分完済可能(返済負担率約23%→〇)
年収300万で2500万は借りられる?
次に2,500万円です。先ほどの2,000万円の35年完済で返済負担率が既に約23%なので少し厳しい結果になりそうですが、同条件でシミュレーションしてみました。
借入金額:2,500万円、借入期間:35年、金利:年1.000%
→ 月収:約25万円(手取り:約22万円)、毎月の返済額:約7.0万円、総返済額:約2,964万円
当サイトの評価:2,500万円は35年返済でかなりギリギリ(返済負担率約28%→▲)。借主以外の家族収入(両親の年金や配偶者のパート・アルバイト収入)や将来的な収入増が見込めるのであれば、なんとか対応可能な範囲。何もなければおすすめできる借入金額ではありません。
年収300万で3000万は借りられる?
続いて3,000万円でシミュレーションしてみます。2,500万円で既に厳しい結果なので、3,000万円はかなり厳しい結果になるのはわかっていますが、確認しておきましょう。
借入金額:3,000万円、借入期間:35年、金利:年1.000%
→ 月収:約25万円(手取り:約22万円)、毎月の返済額:約8.5万円、総返済額:約3,557万円
当サイトの評価:3,000万円は35年返済にしてもかなり厳しい金額(返済負担率約34%→×)。
年収300万で4000万は無謀?
4,000万円も参考までに試算してみましょう。結論として、手取り収入の半分近くが住宅ローンの返済に消えてしまいます。マンションであればローン返済以外に修繕積立金や管理費が必要ですし、戸建ての場合は修繕費もすべて自分たちで負担します。それらを考えると、かなり無謀な借り入れと言わざるを得ません。
借入金額:4,000万円、借入期間:35年、金利:年1.000%
→ 月収:約25万円(手取り:約22万円)、毎月の返済額:約11.3万円、総返済額:約4,742万円
当サイトの評価:年収300万円で4,000万円の借り入れは無謀です。

※上記はあくまで目安の試算です。実際の借入可能額・返済額は金利・団信・諸費用・他の借入状況などで変わります。金利が上昇すると返済額も増えるため、変動金利を選ぶ場合は将来の金利上昇も想定しておきましょう。
金利が上がると返済額はどう変わる?(2,000万円・35年で試算)
年収300万円で借りる場合、金利が1%動いただけで家計の余力は大きく変わります。上の試算と同じ「2,000万円・35年・元利均等返済」で、金利だけを変えて比べてみましょう。
| 適用金利 | 毎月の返済額 | 総返済額 | 返済負担率(年収300万円) |
|---|---|---|---|
| 年1.000% | 約56,500円 | 約2,371万円 | 約23% |
| 年1.500% | 約61,200円 | 約2,572万円 | 約25% |
| 年2.000% | 約66,300円 | 約2,783万円 | 約27% |
| 年2.500% | 約71,500円 | 約3,003万円 | 約29% |
※当編集部による試算。元利均等返済・ボーナス返済なし・諸費用は含みません。円未満は四捨五入しているため、金融機関の試算と数円〜数十円の差が出ることがあります。

金利が年1.000%から年2.000%になると、毎月の返済額は約1万円、総返済額は約410万円増えます。年収300万円で2,000万円を借りると、金利2%台では返済負担率が30%に近づき、上の試算で「▲」と評価した2,500万円と同じ水準になります。変動金利を選ぶなら「今の返済額」ではなく「金利が1〜2%上がったときの返済額」で家計が回るかを確認してください。
いまの金利環境をひとことで整理すると
日本銀行は2026年7月30日・31日の金融政策決定会合で政策金利を「1.0%程度」で据え置きました(次回の会合は2026年9月17日・18日)。住宅ローンの変動金利の基準となる短期プライムレートは、これを受けて2026年8月に引き上げられており、すでに借りている人の適用金利も、契約ごとに決められた見直し日を経て順次上がっていきます。
実際、みずほ銀行は公式サイトの金利一覧で「2026年9月30日までに年1.025%〜で借り入れた場合、2027年1月返済分から年1.275%〜が適用される」と明記しています(2026年8月1日現在)。見直しの基準日と、新しい金利が返済額に反映される月は銀行や契約タイプによって違うため、自分の契約については返済予定表や借入先の公式サイトで確認しておきましょう。
なお、変動金利には返済額の急変を抑える「5年ルール」「125%ルール」を設けている銀行がありますが、みずほ銀行の公式サイトには「元金均等返済の場合は対象外」と明記されています。ルールの有無や内容は銀行によって異なり、ルールがあっても金利上昇分の利息が消えるわけではなく、返済の終盤に未返済分としてまわってくる点にも注意が必要です。
年収300万の住宅ローンの審査対策
収入合算できる場合は収入合算で申し込む
配偶者などに収入がある場合は、収入合算することで借入可能額が増えたり、審査上有利になる可能性がありますので、可能であれば活用しましょう。ペアローンという方法もありますが、特に意図的にペアローンにしたい事情がなければ、収入合算で審査を申し込むのがよいでしょう。
収入合算は合算する人にも条件があります。たとえばSBI新生銀行の場合、収入合算者の条件は「申込時の年齢が20歳以上65歳以下」「前年度の税込年収が100万円以上(自営業は2年平均100万円以上の所得)」「申込人の配偶者・父母・義父母・子・子の配偶者のいずれか」で、1名を限度に連帯保証人となります(2026年8月17日時点・公式サイトにて確認)。同性パートナーを収入合算者に指定することも可能とされています。
一方で収入合算では、合算した人は住宅ローン控除を受けられません(ペアローンは2人とも受けられます)。借入可能額だけでなく、控除や団信の扱いまで含めて比べてから決めましょう。
年収条件の比較的低い住宅ローンを選ぶ
住宅ローンには申込時の年収条件を設けているものがあります。代表的な年収条件を整理すると次のとおりです。
| 金融機関 | 年収などの主な条件 | 備考 |
|---|---|---|
| SMBC信託銀行(プレスティア) | 前年の年収500万円以上が目安 | 条件はやや高め(2026年6月時点) |
| 楽天銀行(金利選択型) | 前年の年収が、単独申込なら400万円以上/連帯債務なら2人の合算で400万円以上/ペアローンなら2人ともそれぞれ400万円以上 | 申込形態で条件が変わる(2026年8月17日確認) |
| ソニー銀行 | 年収400万円以上(合算可) | 2026年6月時点 |
| SBI新生銀行 | 前年度税込年収300万円以上の正社員または契約社員/自営業は業歴2年以上かつ2年平均300万円以上の所得(経費控除後) | 収入合算者は年収100万円以上でも可(2026年8月17日確認) |
| メガバンク | 公式サイトに明示の年収基準の記載なし | 審査結果により条件が決まる |
※申込条件は改定されることがあります。最新の条件は必ず各社の公式サイトでご確認ください。
地方部の地銀は年収条件が比較的緩やかなこともありますが、年収300万円だと審査結果で適用金利が高くなってしまう可能性があります。
おすすめは、年収条件が厳しすぎず、審査結果によって適用金利が大きく変わらない住宅ローンです。
具体的には、変動金利が低水準の民間住宅ローンであればauじぶん銀行・PayPay銀行(旧ジャパンネット銀行)・イオン銀行の住宅ローン、固定金利タイプであれば楽天銀行・SBIアルヒなどが取り扱うフラット35があげられます。なおSBI新生銀行は、前年度税込年収300万円以上の正社員または契約社員であれば申し込みでき、保証料0円・一部繰上返済手数料0円と諸費用の内訳が分かりやすい点も、年収300万円台で総コストを抑えたい人には検討しやすい選択肢です(融資事務手数料は借入金額の2.20%(税込)の定率型)。※PayPay銀行は申込条件として就業形態の制限があり、派遣社員・自営業などは利用できない場合があります。各社の最新の条件は公式サイトでご確認ください。
頭金・自己資金はできるだけ多めに
年収300万円は住宅ローンを申し込む人の中で収入が高い方とは言い難いため、審査を有利に進めるには頭金・自己資金をできるだけ準備することが重要です。住宅ローン審査は各金融機関のルールに沿って機械的に行われる部分が多いものの、最終的には人が判断します。仮に借入金額が少し背伸びしていても、自己資金をしっかり準備してきた人と、自己資金が全くない人とでは評価が分かれると考えておきましょう。
自己資金は金利にも効きます。フラット35は融資率が9割以下か9割超かで適用金利が変わり、2026年8月資金受取分(新機構団信付き・返済期間21年以上35年以下)は9割以下が年3.290%、9割超が年3.400%と、頭金1割の有無で年0.110%の差が出ます。
本来は”固定金利”も選択肢、でも・・・
住宅ローンの返済額を最も低く抑えられるのは「金利上昇がなければ変動金利」です。変動金利の住宅ローンは、どちらかというと収入に対して借入額が少ない人に向いています。「金利が低いうちに繰上返済で残高を減らす余裕が生まれやすい」「金利が上昇しても家計に余裕があり破綻しにくい」ためです。
したがって、年収300万円の人が2,000万~3,000万円を借りるのであれば、「固定金利」のほうが安心できるのは間違いありません。日本銀行の政策金利は2026年6月の会合で0.75%程度から1.0%程度へ引き上げられ、7月30日・31日の会合では1.0%程度で据え置かれました。利上げ局面では変動金利も上がる前提で考える必要があるため、変動金利を選ぶなら、金利が上がっても返済を続けられる借入額に抑えておくことが何より大切です。
年収300万円、40歳で住宅ローンを組む際の注意点
30代で住宅ローンを組む方が多いですが、多くの金融機関の審査基準では65歳前後まで申し込みが可能です。
40歳で初めて住宅ローンを利用する際に気をつけたいのが返済期間です。退職後の住宅ローン返済は家計に大きくのしかかるため、月々の返済に問題のない貯蓄がある、相当額の退職金が受け取れるといったケースでない限り、できれば退職のタイミングまでに完済できる計画が望ましいでしょう。
65歳完済を前提にすると、40歳で借りると返済期間は25年になります。近年は定年延長や65歳以降の継続雇用も広がっていますが、収入が下がる時期の返済負担を見越して、無理のない借入額にしておくことが大切です。
なお、返済期間を長くして毎月の負担を下げる方法もあります。SBI新生銀行では、変動金利(半年型)で新規に住宅購入・建設資金を借りる場合に限り、借入期間を最長50年まで選べます(借入期間が35年を超える場合は当初借入金利に年0.100%の上乗せ。借り換えなどそれ以外の資金使途は5年以上35年以内)。ただし期間を延ばせば毎月の返済額は下がっても、利息の総額は確実に増えます。完済時年齢が満80歳未満という条件もあるため、返済期間の延長は「今の家計を回すための最後の手段」と考えておきましょう。
すでに返済中の人へ|年収300万円で借り換えを判断する手順
年収300万円台で返済中の人にとって、借り換えは収入を増やさずに毎月の負担を減らせる数少ない手段です。ただし諸費用が先に出ていくため、順番を間違えると逆効果になります。次の手順で判断してください。
- いまの契約を確認する……返済予定表で「適用金利」「残債」「残りの返済期間」「金利タイプと次の見直し日」を書き出します。変動金利なら、見直し後の金利がすでに決まっていないかも確認しましょう。
- 借り換え後の返済額を試算する……残債・残期間・借り換え先の金利で毎月の返済額と総返済額を計算します。期間を元に戻して(=伸ばして)比較すると、毎月の返済額は下がっても総返済額が増えていることがあるので、必ず総額でも見比べてください。
- 諸費用を足し込む……融資事務手数料(借入額の2.20%前後、または定額)、登記費用、印紙代、現在の借入先の繰上返済手数料などがかかります。「総返済額の削減額 − 諸費用」がプラスになって初めて借り換える意味があります。
- 回収にかかる年数を出す……諸費用を毎月の削減額で割ると、何か月で元が取れるかが分かります。残りの返済期間がその年数より十分に長いことを確認しましょう。
- 審査条件を満たしているか確認する……借り換えでは「現在の住宅ローンの返済実績が1年以上あること」「直近1年間に延滞がないこと」を条件にしている銀行があります。年収条件や完済時年齢の条件も、新規借入と同じように審査されます。
「金利差1%以上・残高1,000万円以上・残期間10年以上」という有名な目安がありますが、これは諸費用を回収しやすい条件を経験則でまとめたものです。金利差が1%未満でも残債と残期間が大きければ得になることはありますし、逆に残期間が短ければ金利差が大きくても回収できません。目安を鵜呑みにせず、必ず自分の数字で計算してください。
年収300万円の住宅ローンに関するよくある質問
Q. 年収300万円でも住宅ローンは借りられますか?
A. 借りられます。借入可能額の目安は1,500万~1,800万円程度で、収入合算や頭金の準備で選択肢は広がります。返済負担率(年収に占める年間返済額)を20~25%以内に抑えるのが安心です。
Q. すでに借りていますが、借り換えで得をしますか?
A. 現在の金利と借り換え先の金利の差、ローン残高、残りの返済期間、借り換えにかかる諸費用(事務手数料・登記費用など)のバランスで決まります。一般に「金利差1%以上・残高1,000万円以上・残期間10年以上」が目安とされますが、まずは上の手順で試算して確認しましょう。
Q. 派遣社員やパートでも申し込めますか?
A. 銀行によって扱いが異なります。たとえばSBI新生銀行は主債務者の条件を「前年度税込年収300万円以上の正社員または契約社員」としていますが、収入合算者であれば前年度の税込年収100万円以上で申し込めます(2026年8月17日時点・公式サイトにて確認)。一方でフラット35は雇用形態の条件を設けていないため、収入が安定しにくい働き方の人が主債務者になる場合の有力な選択肢になります。取り扱いの可否は必ず各金融機関の公式サイトでご確認ください。
Q. 変動金利と固定金利、年収300万円ならどちらを選ぶべきですか?
A. どちらが正解と言い切れるものではありませんが、返済負担率が25%を超えるような借入額なら、金利が動かない固定金利のほうが家計は安定します。変動金利を選ぶ場合は、上の試算のように金利が1〜2%上がったときの返済額でも家計が回るかを先に確認してください。2026年は日本銀行が政策金利を引き上げる局面にあり、変動金利も上昇方向にあります。
Q. 借入期間を長くすれば、もっと借りられますか?
A. 毎月の返済額が下がるため返済負担率は下がり、借入可能額は増えやすくなります。ただし利息の総額は確実に増え、完済時年齢が満80歳未満といった条件にも上限があります。上の試算のとおり、2,000万円を35年で借りても年収300万円なら返済負担率は約23%です。期間を伸ばして借入額を増やすのではなく、期間に余裕を持たせて借入額を抑えるのが、収入に対して無理のない組み方です。
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