住信SBIネット銀行 住宅ローンの落とし穴 メリット・デメリットは?
住信SBIネット銀行は2007年から営業しているネット専業銀行で大手ネット証券であるSBI証券などを傘下に持つSBIホールディングスと三井住友信託銀行が共同で出資して誕生しています。2023年には株式上場を行い、ネット銀行の中では象徴的な銀行です。
住信SBIネット銀行が提供する数多い金融サービスの中でも高い人気を集め続けている商品が住宅ローンです。住信SBIネット銀行によるとすでに大手地方銀行を上回る規模であり、ネット専業銀行最大の住宅ローンとして、約16年で9兆5,000億円の累計融資実績を誇っています。
目次
住信SBIネット銀行の住宅ローン取り扱い実績額の推移
低金利の住宅ローンをちゃんと探している人の選択肢には必ずあがってくる住信SBIネット銀行ですが、住宅ローンは金利以外の商品性を十分に理解して選ぶ必要があります。また、どんな住宅ローンにもメリットやデメリットや落とし穴が存在するものです。この特集ページでは、そんな住信SBIネット銀行の住宅ローンについて、そのメリットだけでなくデメリットや落とし穴についてもしっかりと紹介していきたいと思います。
住信SBIネット銀行 住宅ローンの特徴
住信SBIネット銀行の住宅ローンはネット銀行だからできる低コストな運営体制を住宅ローン金利の引き下げ原資、疾病保障の保険料にあて、一般ユーザーに低金利や充実した付帯サービスを提供・実現している点でしょう。
住信SBIネット銀行自身もこうした特徴を7点、公式サイト上で開示しています。
- 団体信用生命保険の保険料0円
- 全疾病保障の保険料0円
- 団信・全疾病保障はWEBで申込可能!
- ローン契約書の署名・捺印が不要
- 保証料0円
- 一部繰上返済 手数料0円
- 他行口座からの資金移動 手数料0円
では、早速、住信SBIネット銀行の住宅ローンのメリットからを確認していきましょう。
住信SBIネット銀行 住宅ローンのメリット
変動金利は低金利
住信SBIネット銀行の住宅ローンの金利はメガバンクや地銀などはもちろん、他のネット専業銀行と比較してもかなり低い水準に見えます。特に変動金利の低金利は目立っており2023年10月の適用金利で年0.320%(通期引下げプラン)※と国内最低水準の金利を実現しています。審査結果により年0.1%~年0.75%の金利上乗せとなる可能性があり、最終的に変動金利が年1.070%となる可能性がある点に注意が必要です。
また、当初期間固定型の住宅ローンは期間経過後の金利が際立って割高になるため要注意です。当初期間経過後の金利が割高になる点は本ページの落とし穴・デメリットでも紹介をしていますので一読ください。
借入期間を35年超でお借り入れいただく場合は、ご利用いただく住宅ローン金利に年0.15%が上乗せとなります。
全疾病保障が無料
住宅ローンを利用するには、死亡時や高度障害になった時のための生命保険である団信に加入しなければなりません。一方で、団信は死亡や高度障害などに限定された保障なので、病気や怪我で働けなくなった際の保障はありません。住信SBIネット銀行の住宅ローンには費用負担なしですべての病気やケガに対応できる全疾病保障が無料で付帯します。
これは日本人の国民病と言われているがんや脳卒中・心筋梗塞などの8疾病だけでなく、全ての病気や怪我に由来する就業不能状態に備える保険で、所定の条件を満たすことで住宅ローン残高がゼロになる保障です。住信SBIネット銀行は、追加費用なしでこの保障を付帯しています。
ただし、注意が必要なのは、全疾病の保障を受けるためには12ヶ月の就業不能が条件となっている点です。ここまで長期の就業不能が条件となるのは一般団信に付帯している高度障害の保障で十分な可能性があります。こうした長期の就業不能や入院より2人に1人が疾患するといわれる「がん保障」が無料で付帯するauじぶん銀行※やソニー銀行も同時に検討してはいかがでしょうか。
auじぶん銀行が住宅ローンを変動金利で利用している人向けに住宅ローン利息の一部を毎月現金でキャッシュバックするキャンペーン提供しています。
auじぶん銀行の住宅ローンは業界内でも魅力的な水準ですが、2024年に業界全体の流れに沿って住宅ローンの金利は引き上げになっていますが、このキャンペーンを利用することで利息額の一部がキャッシュバックされることになり、負担が軽減されることになります。なお、このキャンペーンはエントリーが必要なので2024年12月末までに必ずエントリーするようにしましょう。
※審査の結果によっては保証付金利プランとなる場合があり、この場合には上記の金利とは異なる金利となります。金利プランが保証付金利プランとなる場合は、固定金利特約が3年、5年、10年に限定されます。
※のキャンペーンに参加するには、エントリー期限日(2024年12月31日)終了時点で、auじぶん銀行の住宅ローンを変動金利でご契約中であり、お借入残高が1円以上あることが条件となっています。また、固定金利または保証付金利プランは対象外で、ミックスローンを利用している場合、変動金利タイプの部分のみが対象になります。
一部繰上返済手数料が何回でも無料
住信SBIネット銀行の住宅ローンは一部繰上返済が1円以上1円単位で何回でも可能で、しかも手数料は無料です。500円玉貯金をする感覚で500円ずつ繰上返済することも可能です。また、一部繰上返済時には「期間短縮型」と「返済額軽減型」のいずれかを毎回選ぶことができます。
契約書を電子化!
住信SBIネット銀行の住宅ローンでは契約書を電子化しており、契約書への捺印や契約書の郵送の手間がありません。また、契約書が電子化(ペーパーレス)であるため、税法的に収入印紙を貼る必要がありません。このため数万円の諸費用を節約することが可能となります。5,000万円を超える住宅ローンを組む場合には6万円もの節約になります。住宅ローン借入額 | 契約書に貼る必要がある印紙代 |
1万円未満 | 非課税 |
1万円以上10万円以下 | 200円 |
10万円超50万円以下 | 400円 |
50万円超100万円以下 | 1,000円 |
100万円超500万円以下 | 2,000円 |
500万円超1,000万円以下 | 10,000円 |
1,000万円超5,000万円以下 | 20,000円 |
5,000万円超1億円以下 | 60,000円 |
リフォーム資金を住宅ローンに含めることが可能
2018年7月より住信SBIネット銀行 住宅ローンの借り換え資金用途にリフォーム資金が追加されました。借り換えのタイミングでバリアフリー対応、ソーラーパネルの設置、バスルーム・キッチンなど各種リフォームを住宅ローン借り換えのタイミングで住宅ローンに合算、同時に借りることが可能です。
リフォームローンは年5%程度の金利が必要となっており、住宅ローンと同じ金利で借り入れできるのは大きなメリットと言えそうです。
ATM引き出し、他行宛振込みが各7回まで無料に
住信SBIネット銀行の住宅ローンを利用していると同行が提供しているスマートプログラムでランク3に判定されます。
ランク3はATM引き出し、他行宛の振込み手数料が各10回無料とかなりお得な特典となります。仮に各110円の手数料だった場合には、年間で約26,000円もこうした手数料が節約できることになります。
ここから住信SBIネット銀行の住宅ローンのデメリットや落とし穴になりそうなポイントを紹介します。
住信SBIネット銀行 住宅ローンの落とし穴・デメリット
審査結果により金利が変わる
冒頭でも触れましたが2023年9月現在、住信SBIネット銀行の住宅ローン金利は審査結果により年0.1%~年0.75%の金利上乗せがされる可能性があります。金利上乗せがあった場合には金利に割安感がなくなるのには注意が必要です。
事務手数料が高い
住信SBIネット銀行の住宅ローンの借入には事務手数料として住宅ローン借り入れ金額の税込2.20%(税込)の手数料が必要となります。
3,000万円の住宅ローンを借りる場合に事務手数料は66万円(税込)になってしまいます。メガバンクや地方銀行は同水準の保証料がかかりますが、ソニー銀行(税込44,000円~)やSBI新生銀行(税込55,000円~)のように保証料も事務手数料も安価な銀行も存在しますので、それらの銀行と金利を比較する時には注意しましょう。
固定金利終了後の金利に注意
住信SBIネット銀行の住宅ローンで注意したいのが当初引下げプランの当初固定期間終了後の金利水準です。結論としてはかなり割高になっているので必ずチェックするようにしてください。
店舗相談しにくい
ネット専業銀行である住信SBIネット銀行から住宅ローンを借りる際には基本的にネットや電話で手続きを進める必要があります。窓口で住宅ローンの相談したり、書類を提出したりできないのは状況によってデメリットになることがあります。
まず、申し込みから契約実行までの時間ですね。店舗で即座に提出できるわけではないので、郵送の時間、とどいた書類が受理されて処理されるまでの時間などがかかります。今日申し込んで来週契約、というわけにはいきません。
なお、店舗での専門スタッフに相談したいと考える人には、住信SBIネット銀行の住宅ローンに店舗で申し込める住宅ローン(対面)(SBIマネープラザ)がおすすめです。
審査にかかる時間が長め
住信SBIネット銀行の住宅ローンは仮審査申し込みから融資実行まで1か月から1ヵ月半程度の時間がかかると思っておくようにしましょう。
人気住宅ローンなので処理が追い付かないこともたくさんあるようなので余裕を持ったスケジュールで申し込むようにしましょう。
つなぎ融資に対応していない
住信SBIネット銀行に限らずネット専業銀行の多くはつなぎ融資に対応していません。つなぎ融資とは住宅の完成前に土地代や住宅建設費の着工金が必要な際に一時的に利用するローンです。住信SBIネット銀行ではつなぎ融資に直接対応していませんが、住信SBIネット銀行のホームページにはアプラスが提供するブリッジローンが紹介されていました。
つなぎ融資の段階ではアプラスのブリッジローンを利用することができるようなので、ご自身の状況を住信SBIネット銀行のコールセンターに確認してみると良いでしょう。
全疾病保障の保険金支払い条件
メリットで全疾病が無料で付帯されるとご紹介しましたが、この全疾病には落とし穴があります。具体的には就業不能な状態が365日継続しないと保障が受けれない点です。全疾病はすべての病気や怪我を幅広く保障する一方、実際に保障を受けようとすると、365日の就業不能が継続しているという高いハードルがある点はわすれないようにしましょう。
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