住信SBIネット銀行の住宅ローンは危険?
住信SBIネット銀行の住宅ローンは、2022年2月14日に住宅ローン融資実行高が7兆5,000億円を突破するなど順調に住宅ローン残高を積み上げています。
ネット銀行が提供する住宅ローンの中ではもっとも利用者が多いと言っても言い過ぎではないと思えるのが住信SBIネット銀行の住宅ローン。一方で、インターネット上では「住信SBIネット銀行の住宅ローンは危険?」というクチコミ・評判も散見されます。
今回は住信SBIネット銀行の住宅ローンが本当に危険なのか、”危険”という評判の信憑性についてそれぞれ確認していきたいと思います。
ざまざまな角度から確認しましたが、結論としては危険と言うほどではないかもしれませんが注意しなければならない点をいくつか発見することができています。
本ページの下部でシミュレーションをしていますが、4,000万円の借り入れで住信SBIネット銀行を利用した場合にauじぶん銀行との比較で数百万円も総返済額が割高になる試算になるので注意してください。
ネット銀行が危険と言う評価を検証
住信SBIネット銀行に限らず、ネット銀行の住宅ローンそのものに危険と言うクチコミ・評判を見かけます。このような評判は「インターネットは世界中からアクセスできるので口座が常に危険にさらされている」というものと「偽名口座などの不法口座の温床になりやすいことから、突然疑わしいと判断されて口座が凍結される」と言ったケースに分かれるようです。
まず、ネット銀行の世界中の悪意のある第三者から口座が狙われやすいのは事実なので、ネット銀行では様々な切り口で不正な口座理由を常に監視しています。例えば、突然振込回数が増えたとか、利用しないような海外からのアクセスなどです。
振り込み回数が多いなど不正利用が疑われた場合、口座を守るという理由で口座が凍結されてしまうことは実際に起こりえます。凍結されるとコールセンターなどに問い合わせして本人確認してようやく解除されたりしますので、使いたいときに使えないという問題が注目されたことが何度かあります。
原因の大半は、振り込め詐欺の疑いをかけられたものです。普通に利用しているだけでは口座凍結されることはありませんが、運悪く何かの条件にヒットして正常な取引にも関わらず口座凍結されてしまうことがあるのでどうしようもないですが、不正利用でなければすぐに解除はしてもらえますので問題ないでしょう。
急激に口座数を拡大し、犯罪に利用される機会が増えたのがネット銀行だったということと、ネット銀行を利用する人はネットに口コミを投稿したりSNSを頻繁に利用しているので、炎上騒ぎが拡大しやすいという事情がありました。
このような騒動も最近は落ち着いてきた感じがします。
ネット銀行のセキュリティ性を検証
ネット銀行を利用しない人の多くが「セキュリティに不安があるので利用していない」と回答しています。これだけインターネットが利用されるようになった時代でも、”お金を預ける銀行”という意味で不安に感じている人が多いようです。
ただし、ネット銀行はセキュリティ対策にも多額のリソースを投下して強化していて、年々高度化しています。犯罪の手口も高度化しているので、最終的にはいたちごっこと言われている業界ですが、スピーディな対策を行える技術のあるネット銀行の方が技術面でベンダー頼みの地方銀行などよりは安心感が高いと思います。
メガバンクは多額のお金を投じてセキュリティ対策をとっているので、ネット銀行よりも安心感があり高度な技術を採用していることもあります。メガバンクの場合、狙われた時の被害額も大きいので当然と言えば当然かもしれませんね。
ただし、被害に遭う大半のケースでは、銀行を装う詐欺メールに記載されているURLをクリックして、詐欺サイトでログインIDやパスワード、乱数表のすべての数字を入力してしまう、とか、広告や正体不明のサイトから銀行を装うサイトに誘導されてログインIDやパスワードを盗まれてしまったという利用者側のアクションが原因なので、皆さんも利用する時には十分注意しましょう。
いくら銀行がセキュリティに力を入れていても犯罪者に全ての認証情報を教えてしまっては意味がありません。
以下は、一時期の三菱UFJ銀行のトップページです。踏切がありますね・・・。この画面を見るだけでも深刻な被害があったことが想像できます。
住信SBIネット銀行の経営が危険?
住信SBIネット銀行は、親会社に三井住友信託銀行とSBIホールディングスを持つ、国内有数の企業背景を持つネット銀行です。国内の格付け機関「JCR」からも「A 安定的」の評価を得ています。2019年3月末時点の自己資本比率は8.19%と健全な状況です。
こうした具体的な数字を見ると住信SBIネット銀行の経営状況は極めて健全であると言えるのでしょう。
経営状態が健全であるということは、セキュリティ対策にも費用を投じることができますし、住宅ローンの金利などを引き下げる余力が多いと読み取ることもできます。
住信SBIネット銀行の住宅ローンの危険性・デメリット
住信SBIネット銀行だけではなく、メガバンクやauじぶん銀行などのネット専業銀行、地銀などでも取り扱っているのが、当初引き下げ型の住宅ローンです。これはあらかじめ決められた期間の金利割引幅を大きくし、期間経過後は割引幅が小さくなり金利が上昇します。
例えば、住信SBIネット銀行の住宅ローンの2019年12月の10年固定金利(当初引き下げプラン)は年0.760%ですが、11年目以降の金利は年2.075%(変動金利の基準金利2.775%-0.7%の計算式)の変動金利が適用されます。3倍近くにも金利が跳ね上がることになります。
住信SBIネット銀行の固定金利選択型・当初引下げプランを選ぶ時に、この金利の仕組みを理解せずにを契約してしまうのは大きなリスクです。
住信SBIネット銀行の住宅ローンを危険と言っている人はこの金利設定を指していることが大半です。
具体的に他のネット銀行とどの程度の金利引き下げ幅に違いがあるか確認してみましょう。比較対象は三井住友銀行・ヤフーが出資するPayPay銀行(旧ジャパンネット銀行)です。
2022年5月に4,000万円を10年固定金利で借り、10年1ヵ月後から変動金利に切り替わるケースでシミュレーションしています。
住信SBIネット銀行の住宅ローン | |
金利 |
当初10年:1.65% 11年目以降:2.075%(基準金利-0.700%) |
毎月の返済額 |
当初10年: 約12万円 11年目以降:約14万円 |
総返済額 | 約5,300万円 |
差額 |
住信SBIネット銀行で住宅ローンを組んだとすると10年経過後には他行に住宅ローンを借り換える事が必須となるといってよいほどの差額が出ています。
住信SBIネット銀行で当初固定期間タイプを利用する場合にはその時点で完済とならない場合以外、かなり割高となることが上記のシミュレーションで分かりますね。
住信SBIネット銀行の全疾病保障が危険?
住信SBIネット銀行の住宅ローンの一番のメリットは無料で利用できる全疾病保障です。全疾病保障とは全ての病気やケガに備えることができる特約付きの団信のことで、住信SBIネット銀行の住宅ローンではこの保障が無料と言うのが大きなメリットです。
ただし、この保障、そんなに簡単に利用できるものではないという点は注意が必要です。住宅ローンの残高が0円になるのは「12か月以上の就業不能状態」になった場合に限られます。12か月以上も働けない状態になっている現役世代の人を見かけることはほとんどないと思います。
それだけ重い症状が続くケースにのみ対応している保障ということをしっかり理解しておきましょう。「万能な保障」というような勘違いをしないようにしておきた、という意味である意味危険な商品と言えます。

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