全宅住宅ローンのフラット35|金利・手数料・評判と申込窓口の差

全宅住宅ローンのフラット35は、金利は取扱金融機関のなかで最も低い水準(最頻金利)と同じ、事務手数料は借入額の2.20%(税込)が基本という、良くも悪くも標準的な商品です。2026年9月の実行金利はAタイプが20年以下 年3.140%・21年以上35年以下 年3.460%で、住宅金融支援機構が公表する最頻金利と同水準です。ただし公式サイトのWeb事前審査から申し込むと事務手数料が1.65%(税込)に下がり、4万円のキャッシュバックも受けられます(2026年9月12日に全宅住宅ローン 公式サイトで確認)。かつて他社にあった事務手数料の半額割引が終了した現在、この差は無視できません。不動産会社に紹介されるまま申し込む前に、手数料がどの窓口でいくらになるのかを確認してください。
全宅住宅ローン株式会社とは?
全宅住宅ローン株式会社は2004年に「全国宅地建物取引業協会連合会(全宅連)」が主体となって立ち上げたフラット35を取り扱う住宅ローン専門の金融機関です。
全宅住宅ローンの母体である全宅連は、北海道から九州の主要な都市に店舗があります。実は全宅連は、日本に10万社以上あると言われている不動産事業者の約8割が加入する大規模な業界団体です。
その為、住宅の売買に全宅連が関与することも多く、全宅連に加入している不動産会社から全宅住宅ローンを紹介されることもよくあります。マイホームの購入を検討している人や、不動産会社に相談したことがある人であれば、全宅住宅ローンという名前を聞いたことがあるかもしれません。
特に工務店やハウスメーカーに発注して、マイホームを新築(注文住宅)しようとするときに紹介されることが多いでしょう。今回は、そんな全宅住宅ローン株式会社が提供するフラット35の評判・審査基準・団信などについて特集したいと思います。
全宅住宅ローンのフラット35は、一言で言えば普通のフラット35です。金利や手数料が平均的な金融機関より抜けてオトクなわけでもなければ、逆に特別条件が悪いわけでもありません。
なお、2026年9月時点では公式サイトの「フラット35Web事前審査」から申し込むと、融資手数料が通常の2.20%(税込)から1.65%(税込)に下がり、あわせて40,000円のキャッシュバックを受けられます(Aタイプの場合。最低融資実行金額750万円以上)。条件や期限は変わることがあるので、申し込む前に窓口ごとの手数料を確認してください。一方で、スーパーフラットのような独自性のある低金利のフラット35を提供しているわけではありません。
これだけ規模が大きい業界団体を母体とする全宅住宅ローンですが、全宅住宅ローンの何倍もフラット35を貸し出している実績があるフラット35取り扱い最大手の金融機関がSBIアルヒ(旧アルヒ)です。SBIアルヒでは独自のスーパーフラットを取り扱いしていて、高い人気を集めています。
スーパーフラット(保証型)は、手持金を建設費・購入価額の1割〜5割用意できる人ほど金利が下がる独自商品です。ただし2026年9月実行金利(引き下げ期間終了後・団体信用生命保険C付き)は自己資金1割以上の「スーパーフラット9」で年3.450%、5割以上の「スーパーフラット5」でも年3.410%と、買取型フラット35の年3.460%との差は0.010%〜0.050%にとどまります(2026年9月12日にSBIアルヒ 公式で確認)。金利差だけでなく、団信の選択肢や手数料も含めて比べてください。
全宅住宅ローンではこうした独自のフラットの取り扱いがありません。自己資金を用意できる人はスーパーフラットを選んだ方が金利が低くなる可能性があるので、一度ホームページを確認してみてください。
このように全宅住宅ローンは、フラット35の手数料や金利のような商品性で勝負しているというより、母体の全宅連から紹介してもらえるという強い営業力で勝負している側面が強いと言えるでしょう。全宅住宅ローンのフラット35のメリットは不動産会社経由で比較的スムーズに手続きが進んでいくことです。
住宅ローンの手続きがとにかく面倒と思う人であれば、不動産会社から紹介された全宅住宅ローンのフラット35をそのまま利用するのも良いかもしれません。
ただ、「手数料を少しでも安くしたい」とか「金利を少しでも安くしたい」という人は、全宅住宅ローンのフラット35を不動産会社から紹介されたからといってそのままフラット35を申し込んでしまわないように注意する必要があります。(不動産会社からの紹介を断るのが気まずくてそのまま借りてしまう人が多いと思いますが、気まずさは一瞬です。数十万円単位のお金を捨てるだけの価値はありませんので、しっかりと自分で探すことをおすすめします)
全宅住宅ローンのフラット35は標準的な水準の金利でフラット35を提供していますが、そもそもフラット35は大半の金融機関が最低水準で横並びです。
今、フラット35の申込先を選ぶときに重要なのは手数料とオプションサービスです。まず、全宅住宅ローンのフラット35(Aタイプ)の手数料は通常2.20%(税込)。4,000万円のフラット35なら88万円です。
もっとも、2026年9月時点で効くのは金利差より窓口による手数料差です。同じ全宅住宅ローンでも、Web事前審査経由なら1.65%(税込)=4,000万円で66万円となり、通常の2.20%(88万円)より22万円安く、さらに40,000円のキャッシュバックも受けられます。自己資金を多く用意できる人は保証型のスーパーフラットも候補になりますが、買取型フラット35(年3.460%)との金利差は0.010%〜0.050%にとどまります(いずれも2026年9月実行金利)。少し手続きを工夫するだけで十数万円〜数十万円が変わるのですから、紹介された窓口のまま申し込まず、手数料の条件を必ず比べてください。
なお、住宅建築・住宅購入の都合で不動産会社が紹介する住宅ローンを申し込む人が大半ですが、その住宅ローンを最終的に選ばなければならないわけではありません。また、その住宅ローンを選ばないからといって不動産会社の対応が悪くなることはありません。(そんなことで対応が悪くなる不動産会社とは付き合うべきではありませんし)

全宅住宅ローンと各社のフラット35を比較
早速ですが、全宅住宅ローンのフラット35の金利と手数料を主なフラット35取り扱い金融機関と比較してみましょう。(2026年9月12日時点・当サイト調べ。金利はいずれも融資率9割以下・新機構団信付きで、住宅金融支援機構が公表する2026年9月の最頻金利は20年以下が年3.140%、21年以上35年以下が年3.460%です=住宅金融支援機構 公式)
| 窓口 | 事務手数料(税込) | フラット20 (借入期間20年以下) | フラット35 (借入期間21〜35年) |
|---|---|---|---|
| 全宅住宅ローン(Aタイプ・Web事前審査) | 融資額×1.65% +キャッシュバック40,000円 (最低融資実行金額750万円以上) | 3.140% | 3.460% |
| 全宅住宅ローン(Aタイプ・通常) | 融資額×2.20% | 3.140% | 3.460% |
| 全宅住宅ローン(Bタイプ) | 165,000円(一律) | 3.340% | 3.660% |
| SBIアルヒ(フラット35・買取型) | 融資額×2.20% (最低220,000円) | 3.140% | 3.460% |
※2026年9月実行金利。全宅住宅ローン公式サイト・SBIアルヒ公式サイト・住宅金融支援機構の公表値を2026年9月12日に確認。金利はどの窓口でも同じ最頻金利の水準で、差がつくのは事務手数料です。なお、SBIアルヒでかつて案内されていた「WEB割引で事務手数料1.10%」は現在は実施されておらず、公式に掲載されている事務手数料は借入額の2.20%(税込・最低220,000円)です。
Aタイプの金利は最頻金利と同じ水準で、フラット35最大手のSBIアルヒとも並びます。Bタイプは事務手数料を一律165,000円(税込)に抑える代わりに、金利がAタイプより年0.200%高くなります(2026年9月=20年以下 3.340%/21〜35年 3.660%)。
たとえば借入3,000万円・35年なら、Aタイプの手数料は66万円(通常2.20%)に対しBタイプは16.5万円で約50万円安く済みますが、金利が0.200%高い分の利息はそれを上回ります。融資事務手数料は住宅ローンに含めて借りられるので、初期の現金をどうしても抑えたい事情がなければAタイプが基本です。
なお、以前の当ページでは「SBIアルヒのWEB割引(1.100%)と比べると手数料が2倍かかる」と説明していましたが、この割引は現在は実施されていません(SBIアルヒ公式の事務手数料は借入額の2.20%〈税込〉・最低220,000円)。2026年9月時点で手数料を比べると、全宅住宅ローンのWeb事前審査(1.65%)のほうが安く、4,000万円の借り入れなら22万円の差になります。一方で、スーパーフラットのような自己資金を積んで金利を下げる独自商品は全宅住宅ローンにはありません。手数料で選ぶなら全宅住宅ローンのWeb申込、自己資金を厚く用意できて金利で選ぶならスーパーフラット、という住み分けになります。
フラット35は住宅ローンの商品性や基本的な審査基準は変わりませんので、全宅住宅ローンのフラット35にこだわる必要はありません。不動産会社の本業は住宅の販売なので、遠慮する必要は全くありません。しっかりと自分で探して、手数料や金利が低いお得な金融機関に申し込むことをおすすめします。
全宅住宅ローンのフラット35の申し込み方法
全宅住宅ローンのフラット35は宅建協会所属の不動産会社などを経由して本人居住用住宅(購入・建築)・親族居住用住宅・セカンドハウスで利用する住宅ローンとして利用・申込みできます。左のマークが目印で店頭に貼ってあります。なお、現在は公式サイトからフラット35の事前審査を24時間365日申し込むことができ、住宅ローンの借り換え(Web借換受付)や、最長50年のフラット50、60歳からのリ・バース60も取り扱っています(2026年9月12日確認)。
全宅住宅ローンのフラット35の評判
基本的に全国にある宅地建物取引業協会に加入している不動産会社を経由して申し込むことになりますので、住宅購入と住宅ローンの窓口が一本化されてやり取りがカンタンと言うメリットがあります。
逆に不動産会社が住宅ローンの窓口も兼ねるので、全宅住宅ローンの担当者と直接やり取りすることは少なく、全宅住宅ローンの住宅ローンであることを意識せずに利用するケースが多いでしょう。
なお、不動産会社も住宅ローンを紹介することで収益があがるということもあり、提携している不動産会社であれば、積極的におすすめしてくるケースが多くあります。また、住宅購入の手続きを進める場合はどこかの住宅ローンの仮審査に通過しておかなければならないことが多いので、そういった時に「とりあえず審査だけは必要なので」と審査手続きを進めていくケースも多くあります。
そのためか、全宅住宅ローンのフラット35は、「住宅ローンの審査がスムーズだった」「窓口が1つだけだったので楽だった」といった手続きに関する良い評判を目にします。一方で「手数料が安い」とか「金利が低い」という評判はほとんど目にしません。これは、全宅住宅ローンを利用した人は、住宅購入の一連の流れの中で住宅ローンを契約した人が多く、住宅ローンの金利や手数料を比較して選んだ人が少ないからかもしれません。
また、便利な付帯サービスやオプションサービスがほとんどないという点もデメリットの1つです。
全宅住宅ローンのホームページを見るとわかりますが「借りた後のサービス」に関する情報が多くありません。アフターフォローや借り入れ後の相談のしやすさを重視する人は、契約前にサポート体制についても確認しておくと良いでしょう。なお、同じく業界団体が母体のフラット35取扱機関については協同住宅ローンのフラット35(手数料と借換先の比較)もあわせて参考にしてください。
全宅住宅ローンのフラット35の審査基準
全宅住宅ローンで取り扱うフラット35は「最終的な住宅ローン審査」は住宅金融支援機構により実施されます。
一方で、事前審査は全宅住宅ローンが行いますが、基本的には本審査に通過できるかがポイントです。フラット35自体は民間の住宅ローンよりも審査が通りやすいと言われています。それは全宅住宅ローンを経由しても他の300を超える金融機関を経由しても変わりません。
全宅住宅ローンのフラット35の事前審査と本審査
全宅住宅ローンで取り扱うフラット35は2段階で審査が行われます。まず、事前審査です。これは簡易的な審査でしかないのですぐに回答がありますが、事前審査に通っても本審査に落ちる可能性は十分にあります。
フラット35であればどの金融機関を経由しても審査結果は変わらないと考えておく必要があります。できればフラット35以外の住宅ローンにも同時に申し込んでおくと良いでしょう。
全宅住宅ローンのフラット35の団信
独自の団信を提供しているわけではありませんので、住宅金融支援機構が提供する「機構団信」に加入することになります。フラット35は団信加入が任意ではありますが、将来への備えを考えて団信に加入できる人であれば基本的に加入するようにしましょう。
機構団信は2017年10月にリニューアルして、「保険料を金利に含んで支払う」という民間住宅ローンに近い形になりました。このリニューアルにより団信の保険料を別途支払う必要がなくなり利用しやすくなった一方で、団信の保険料負担分だけ金利が高くなっています。
加入する団信の種類によって金利は上下します。2026年9月時点では、ペア連生団信(デュエット)で+0.18%、3大疾病付団信で+0.24%、健康上の事情などで団信に加入しない場合は▲0.20%です(住宅金融支援機構 公式Q&Aほか)。団信に入らない選択は金利が下がる一方で万一のときにローンが残るため、フラット35と民間住宅ローンの違い(保証料・団信・借り換えの損得)もあわせて確認してください。
全宅住宅ローンのフラット35のつなぎ融資
全宅住宅ローンはつなぎ融資にも対応しており、土地取得時・着工金・中間金などフラット35/フラット50の借入内定金額の範囲内で複数回に分けて利用できるのが特徴です(原則として担保設定不要・保証人不要)。ただし、公式サイトのつなぎ融資ページには金利・手数料が掲載されておらず、条件は問い合わせでの確認になります。
比較の目安として、SBIアルヒの「フラットつなぎ」は2026年9月実行金利がAタイプ 年4.200%、Bタイプ 年3.290%です(SBIアルヒ 公式・住宅ローン金利一覧/2026年9月12日確認)。つなぎ融資の金利は市場金利の上昇を受けて数年前より大きく上がっていますので、古い記事や資料の数値をそのまま前提にしないでください。つなぎ融資について解説したコラムもあわせて参考になります。
また、ドコモSMTBネット銀行(旧・住信SBIネット銀行)やSBI新生銀行のように、住宅ローンの申し込み後にブリッジローン(アプラスブリッジローンなどのつなぎ資金)を案内する形の金融機関もあります。「ネット銀行の住宅ローンは注文住宅に使えない」と一人歩きしがちですが、こうした商品を使えば注文住宅でもネット銀行の住宅ローンを選べる場合があります(取扱の有無や条件は金融機関ごとに異なります)。
全宅住宅ローンのフラット35の借り換え
フラット35からフラット35への借り換えは問題なく行えますので、全宅住宅ローンのフラット35を利用している人も他のフラット35へ借り換えることができます。他社のフラット35から全宅住宅ローンのフラット35への借り換えももちろん可能です。全宅住宅ローンは公式サイトで「住宅ローンWeb借換受付」を24時間365日行っており、子育てプラスの金利引き下げにも対応しています(2026年9月12日確認)。借り換えの場合の事務手数料の優遇を実施していることもあるため、フラット35の借り換え先としては候補になり得ます。
全宅住宅ローンのフラット35に関するよくある質問
Q. 全宅住宅ローンのフラット35は他社より金利が高いのですか?
A. 高くありません。2026年9月のAタイプは20年以下 年3.140%、21年以上35年以下 年3.460%で、住宅金融支援機構が公表する最頻金利と同じ水準です。フラット35は金利で大きな差がつきにくいため、比べるべきは事務手数料とキャッシュバック、そして手続きの進めやすさです。
Q. 事務手数料を安くする方法はありますか?
A. 公式サイトの「フラット35Web事前審査」から申し込むと、Aタイプの融資手数料が2.20%(税込)から1.65%(税込)になり、40,000円のキャッシュバックも受けられます(最低融資実行金額750万円以上)。不動産会社経由でそのまま申し込むとこの優遇を取りこぼすことがあるので、申込前に窓口を確認してください。
Q. 不動産会社に紹介された住宅ローンを断っても大丈夫ですか?
A. 問題ありません。住宅の売買契約と住宅ローンの契約は別で、どの金融機関から借りるかは本人が決められます。仮審査だけ紹介先で通しておき、実際の借入先は手数料や団信を比べてから決める、という進め方も一般的です。
Q. 全宅住宅ローンのフラット35から他社へ借り換えられますか?
A. できます。フラット35からフラット35への借り換えも、民間の住宅ローンへの借り換えも可能です。ただし借り換えでは事務手数料や登記費用が再びかかるため、金利差だけでなく諸費用を含めた損益分岐で判断してください。
まとめ
全宅住宅ローン株式会社は「全国宅地建物取引業協会連合会(全宅連)」が母体となっているという特徴がありますが、フラット35に関しては、標準的な条件で提供していると考えておきましょう。
決して悪い条件を提示しているわけではありませんが、特筆すべきメリットも残念ながら多くありません。住宅ローンを利用している最中の付帯サービスなどもほとんどありません。
ただし2026年9月時点では、公式サイトのWeb事前審査から申し込めば事務手数料1.65%(税込)+キャッシュバック40,000円となり、手数料の面ではむしろ有利な部類に入ります。手続きの楽さを取って不動産会社経由で進めるのも一つですが、同じ全宅住宅ローンでも申込窓口によって手数料が変わる点は必ず確認してください。自己資金を厚く用意できる人は、スーパーフラットのような保証型の商品と金利・団信を比べてから決めると良いでしょう。(同じフラット35なのでどこを経由しても審査基準はほとんど変わりません)
※本記事の金利・手数料は2026年9月12日に各社公式サイトと住宅金融支援機構のサイトで確認した内容です。条件は改定されることがあるため、申し込み前に各社公式サイトで最新の内容をご確認ください。
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