auじぶん銀行 住宅ローンの落とし穴・デメリット|借り換え前に確認

どんなに人気がある住宅ローンでも、優れた住宅ローンでも、必ず注意しておきたい商品性や「落とし穴」になり得るデメリットがあります。
一般的な住宅ローンの比較サイトや情報サイトでは、各社のメリットばかりが紹介され、デメリットまで踏み込んで解説されていることはあまりありません。良いところだけを集めた情報では正しい比較はできませんので、このページでは人気の住宅ローンの落とし穴やデメリットにも踏み込んで解説していきます。
目次
この記事では、ネットで圧倒的な人気を集めているauじぶん銀行の住宅ローンの落とし穴・注意点・デメリットを中心に紹介します。すでに返済中で借り換えを検討している方にとっても、事務手数料や団信の条件は「借り換えで本当に得をするか」を左右する重要なポイントです。まずauじぶん銀行の住宅ローンのメリットをまだ理解していないという人は、こちらを先に確認してメリットを頭に入れてから、この記事を読んでいただくと理解が深まります。
auじぶん銀行とは?
auじぶん銀行が開業したのは2008年です。新しい銀行のイメージがありますが、すでに18年近い歴史があります。
auじぶん銀行は「スマホ銀行」をコンセプトにしたネット銀行で、スマートフォンの普及とともに成長してきました。住宅ローンもスマートフォンがあれば、申込はもちろん、借りた後の一部繰り上げ返済も簡単にできます。もちろん残高確認や返済予定の確認もアプリで完結します。
「じぶん銀行」という名前の由来は「携帯電話の中にある自分の銀行」です。現在はKDDI(au)と三菱UFJ銀行を主要株主とするau経済圏の中心的なネット銀行に成長しています。
国内・国外からの高い評価
auじぶん銀行は開業当初から国内外で高く評価されてきました。日本経済新聞の金融機関ランキング(ネットバンキング部門)やアジアの銀行専門誌「The Asian Banker」の最優秀ネット銀行賞など受賞歴が多く、近年もオリコン顧客満足度調査の住宅ローンで総合1位を獲得するなど、利用者評価の高さが継続しています。
auじぶん銀行の住宅ローンについて
auじぶん銀行は、独自の住宅ローンを開発するまでの数年間、三菱UFJ銀行の住宅ローンの販売代理店として住宅ローンを提供していました。今のauじぶん銀行の住宅ローンの原型ができあがったのは2015年です。
商品性は今でも最先端を走っており、毎年のように商品性やサービス内容の改善を重ねています。(auじぶん銀行の住宅ローンチームに商品開発の経緯などを直接インタビューした記事も紹介していますので合わせて参考にしてください。)
住宅ローンの金利はとにかく低い
auじぶん銀行の住宅ローンの変動金利は、ネット銀行のなかでも屈指の低水準を実現しています。
これはがん・4疾病50%保障団信、精神障害を除くすべての病気やケガに備える全疾病長期入院保障、入院で月々の住宅ローン返済を保障する月次返済保障が無料でセットされての金利なので、金利の数字だけで単純に評価するわけにはいきません。さらに諸費用を住宅ローンに上乗せして借りてもこの金利が適用されます。
※審査の結果によっては保証付金利プランとなる場合があり、この場合には上記の金利とは異なる金利となります。金利プランが保証付金利プランとなる場合は、固定金利特約が3年、5年、10年に限定されます。
変動金利の低さは注目ですが、あわせて注目したいのは10年固定金利です。いずれも充実した疾病保障サービスが付帯しての金利なので、非常に魅力的な住宅ローンと言えます。なお2024年12月からは、「借入時50歳以下で一般団信(特約なし)を選ぶ人」向けにさらに金利を抑えたプランも用意されており、保障よりも金利の低さを最優先したい人にも選択肢が広がっています。
借り換えを検討している方へ:当社編集部が2026年7月に各行公式サイトを確認したところ、auじぶん銀行の借り換え・変動金利は年1.179%でした(2026年7月1日時点・当社調べ)。金利は毎月改定されるため、最新の適用金利は必ずauじぶん銀行の公式サイトでご確認ください。
auじぶん銀行の住宅ローンの落とし穴・デメリット
事務手数料が高い(定率型)
auじぶん銀行の住宅ローンの落とし穴として最初に紹介したいのは、事務手数料が定率型で高めに設定されていることです。
auじぶん銀行の住宅ローンは、借り入れ・借り換えする住宅ローン残高の2.20%(税込)の事務手数料がかかります。
ドコモの銀行(旧・住信SBIネット銀行)やソニー銀行の変動セレクト住宅ローン、一般的なフラット35(買取型)も同じく2.20%(税込)の事務手数料がかかるのでauじぶん銀行の手数料だけが特別高いわけではありませんが、3,000万円を借り入れる場合で660,000円(税込)、2,000万円を借り換える場合で440,000円(税込)の事務手数料が必要になります。借り換えでは、この諸費用を金利差でどれだけ取り戻せるか(損益分岐)を必ず試算しましょう(後述のFAQも参照)。
※auじぶん銀行の住宅ローンは事務手数料などの諸費用を住宅ローンの一部として借り入れることができるので、手元資金が不足している場合でも利用できます。
auじぶん銀行の住宅ローンは金利が低く、事務手数料が高くても総合的にはかなり魅力的ですが、この事務手数料の水準は頭に入れておきましょう。
(参考)事務手数料・保証料・団信保険料について
事務手数料は「住宅ローンの諸費用」の1つです。住宅ローンの諸費用には、事務手数料のほかに「保証料」と「団信保険料」があります。
「金利以外の費用」は「事務手数料」「保証料」「団信保険料」が大半を占めるので、諸費用を比較するときはこの3つをセットで比較するのがおすすめです。
借り入れ・借り換え金額が2,000万円と4,000万円のときの3点セットの合計金額を一覧にしていますので参考としてください。
| 事務手数料 (税込) | 保証料 | 団信保険料 | 2,000万円の場合 (税込) | 4,000万円の場合 (税込) |
|
|---|---|---|---|---|---|
![]() | 44,000円 | 不要 | 無料 | 44,000円 | 44,000円 |
![]() | 2.20% (手数料定率型) | 不要 | 無料 | 440,000円 | 880,000円 |
![]() | 2.20%※2 | 不要 | 無料 | 440,000円 | 880,000円 |
![]() | 2.20% | 不要 | 無料 | 440,000円 | 880,000円 |
![]() | 33,000円 | 約2%程度 | 無料 | 約43万円 | 約83万円 |
※2,000万円は借入期間20年、4,000万円は借入期間30年を前提としています。
※SBI新生銀行は安心パック利用時、イオン銀行は手数料定率の場合。
一般的に、メガバンクや地方銀行の住宅ローンは事務手数料が3万円程度で済む代わりに、保証料が借入金額の2%程度(期間・金額により異なる)かかります。auじぶん銀行の場合は事務手数料が2.20%(税込)かかる代わりに保証料が無料※なので、「保証料無料のメリットを事務手数料のデメリットで相殺している」構図です。なお審査の結果、保証会社を利用することになった場合は保証料相当額を上乗せした保証付金利プランになるため、実質的な負担が高くなる点に注意が必要です。
※審査の結果、保証会社を利用いただく場合は保証料相当額を上乗せした金利が設定されますが、別途お支払いいただく保証料はございません。
ソニー銀行のように事務手数料が低く、かつ保証料が無料の住宅ローンもあります。auじぶん銀行に限らずネット銀行の住宅ローンは金利が低い代わりに事務手数料(定率型)が割高です。事務手数料を抑えたい人は、事務手数料が借入金額に関わらず44,000円(税込)~の定額型を選べるソニー銀行なども検討するとよいでしょう。
下表は、借り換え時に諸費用の判断材料となる事務手数料タイプの違いを整理したものです。
| 事務手数料タイプ | 特徴 | 向いている人 |
|---|---|---|
| 定率型(例:2.20%税込) | 金利が低め。借入額が大きいほど手数料の総額は増える。auじぶん銀行・住信SBI・フラット35(買取型)など | 金利差で諸費用を回収できる見込みが立つ人/借入・残債が比較的小さい人 |
| 定額型(例:44,000円~税込) | 手数料は一定で少額。その分、金利はやや高めになりやすい。ソニー銀行など | 借入・残債が大きく、初期費用を抑えたい人 |
※金利・手数料は各行の商品・時期により異なります。最新の条件は各金融機関の公式サイトでご確認ください。
当初期間引下げプランの金利に注意
10年固定金利など固定期間選択型(当初固定)の「当初期間引下げプラン」を考えている人に注意してほしいのは、当初期間終了後の金利です。
当初期間引下げプランはその名のとおり、当初固定期間の金利を低くする代わりに、その期間が終了したあとの金利が高くなる金利プランです。
借り換えなどで返済期間を短めにしている場合は問題になりにくいのですが、借入期間が30年・35年のように長い場合は、当初期間終了後に適用される金利に注意が必要です。
当初期間終了後の金利が適用された場合の返済額は、公式サイトのシミュレーションツールから簡単に確認できます。ご自身の条件を入力して必ず確認しておきましょう。
がん50%保障団信の注意点
auじぶん銀行の住宅ローンは、無料で「がん・4疾病50%保障団信」を付けられる人気の住宅ローンです(がんと診断された時点で住宅ローン残高が半分になる保障に加え、急性心筋梗塞・脳卒中・肝疾患・腎疾患の4疾病も50%保障、さらに全疾病の長期入院保障が付帯します)。
これは無料で利用できるものなので、本来デメリットは何もありません。メガバンクや地銀などの一般的な住宅ローンには無料で付いていない、非常に優れたサービスです。
以下は“落とし穴”というよりも、このサービスの理解を深めるつもりで読んでいただければと思います。
1つ目は住宅ローンの繰上返済に関する落とし穴です。
通常、住宅ローンの総返済額を減らすために繰上返済は積極的に行うべきと言われています。繰上返済は総返済額を減らす効果が大きく、完済を早めたり毎月の返済額をおさえたりできます。
しかもauじぶん銀行の住宅ローンは一部繰上返済手数料が無料で、スマホからいつでも簡単に返済できる、繰上返済に使い勝手のよい住宅ローンです。
ただし、このがん50%保障団信がセットされていることを考慮すると注意が必要です。少しわかりにくいので具体的な例で解説します。
<繰上返済を行わず10年後の住宅ローンの残高が3,500万円だった場合>
がんと診断されたタイミングで、がん50%保障団信が適用されて住宅ローンの残高が1,750万円まで減った。
<繰上返済を行っていて10年後の住宅ローン残高が2,500万円だった場合>
がんと診断されたので、がん50%保障団信が適用されて1,250万円まで住宅ローン残高が減った。
一般的には、ケース②のように繰上返済を進めておくことが総返済額を減らすうえで効果的で、がん50%保障団信が適用されたあとの住宅ローン残高も当然少なくなります。
ところが、もしケース①の人が繰上返済をしていないだけで1,000万円を貯蓄していたとしましょう。ケース①のがん50%保障団信適用後の住宅ローン残高は1,750万円ですが、貯蓄していた1,000万円をこのタイミングで繰上返済に使うと、住宅ローンの残高は750万円になります。
こまめに繰上返済を行っていたケース②よりも、ケース①のほうが結果的に500万円も住宅ローンの残高を少なくできることがわかります。
もちろん、将来がんになるかはわかりませんし、もしがんにならなければケース②のように繰上返済を続けているほうが総返済額を少なくできます。
auじぶん銀行の住宅ローンには他にはないがん50%保障がセットされているので、今回のケースのように、繰上返済せずに貯蓄へ回して「いつでも繰上返済できる状態」にしておいたほうが有利になることがある、と頭に入れておくとよいでしょう。
そのうえで、貯蓄と繰上返済のバランスを取るのが理想的です。
今の日本は医療技術の発展により、がんと診断されても早期発見であれば回復も職場復帰も可能なケースが増えています。ただし療養前の収入を維持できるかというと難しく、やはり住宅ローンの返済が負担になる可能性は否定できません。
なお、がん50%保障団信(がん100%保障団信プレミアムも)は、お借り入れ時の年齢が50歳以下(51歳の誕生日の前日まで)の人が対象です。年齢が上限を超えると一般団信での借り入れになるため、団信を重視する人は申込タイミングにも注意しましょう。
つなぎ融資は提携ローンを紹介してくれる
auじぶん銀行の住宅ローンは建物完成時の一括融資のため、auじぶん銀行自身はつなぎ融資を取り扱っていません。ただし、土地代金や着工金・中間金などを用立てられるように、提携先の「アプラスブリッジローン」(株式会社アプラス/2023年2月紹介開始)と「とうこうブリッジローン」(東光商事株式会社/2024年8月紹介開始・WEB手続きで完結)を紹介してくれます。これらのつなぎ融資分は、auじぶん銀行の住宅ローンの借入金額に含めて申し込めるため、土地から購入する注文住宅を考えている人も安心してauじぶん銀行の住宅ローンに申し込めます。
auじぶん銀行に限らず、ネット銀行の住宅ローンは自社ではつなぎ融資に対応していないことがほとんどです。そのため注文住宅の人はネット銀行の住宅ローンを利用しにくいのですが、auじぶん銀行のように提携のつなぎ融資を用意しているのは大きな強みと言えます。

また、つなぎ融資に対応している地銀やメガバンクなどでつなぎ融資つきの住宅ローンを申し込んで建築を進め、住宅完成・返済実績を積んだあとにauじぶん銀行の住宅ローンへ借り換えるという方法もあります(auじぶん銀行の借り換えでは他行で6か月分の返済実績が条件のため)。
この場合、最初に借り入れる住宅ローンの金利はそれほど気にする必要はありません。すぐに借り換える前提になるので、「事務手数料」「保証料」などの諸費用を抑えることにこだわって最初の住宅ローンを選ぶようにしましょう。
保証付き住宅ローンになった場合は注意
auじぶん銀行では、2021年に「保証会社の保証」がついている住宅ローンの取り扱いを開始しています。これは通常の住宅ローンの審査に通らなかった人へ再提案することを目的にした商品で、通常の住宅ローンとは金利などの条件が異なります。
単純に審査に落とされるよりはよいですが、保証付きの住宅ローンを提案された場合は、改めて他の金融機関の住宅ローンと借り入れ条件を比較するようにしましょう。
借り換えでauじぶん銀行を検討する人のFAQ
Q. 借り換えの損益分岐(諸費用を金利差で取り戻せる目安)はどう考えればよいですか?
A. まず「借り換えでかかる諸費用(事務手数料2.20%+登記費用・印紙など)」と「借り換え後に減る利息の総額」を比べます。事務手数料が定率型のauじぶん銀行では、残債が大きいほど手数料も増えるため、金利差が大きい・残債が多い・残期間が長いほど得をしやすくなります。おおまかには「金利差1.0%以上・残債1,000万円以上・残期間10年以上」が損得の分かれ目の目安とされますが、実際の金額は必ず公式のシミュレーションで試算してください。
Q. 借り換えでも団信(がん50%保障など)は付けられますか?
A. 借り換えでも新規と同様に付帯できますが、お借り入れ時の年齢が50歳以下(51歳の誕生日の前日まで)が条件です。健康状態の告知も必要なので、団信を重視するなら早めの検討が有利です。
Q. 事務手数料が高いのに借り換える価値はありますか?
A. 事務手数料(定率型)は確かに高めですが、その分だけ金利が低く、無料の疾病保障も手厚いため、金利差と残債しだいでは十分に元が取れます。手数料を抑えたい場合は定額型を選べる銀行も比較し、「金利+諸費用の総額」で判断するのがコツです。
auじぶん銀行の住宅ローンのまとめ
auじぶん銀行の住宅ローンは、変動金利・10年固定・20年固定・35年固定のいずれの金利タイプでもおすすめできる住宅ローンの1つです。
低金利で人気を集めていますが、それだけでなく、商品性・借り入れ後の利便性・企業背景など優れた面が多い住宅ローンです。低金利・審査基準(利用条件)・利用後の利便性など、すぐれた点が非常に多くあります。
スマホ銀行を企業コンセプトにしているので、スマートフォンがあればすべての機能・サービスを利用でき、残高確認や一部繰上返済もかんたんに行えるのも魅力です。
この特集記事では、auじぶん銀行の住宅ローンでも注意しておきたい点やわかりにくい落とし穴を中心に紹介しました。商品性をしっかり理解することは、その良さを最大化することにも、落とし穴やデメリットに備えることにもつながります。
借り換えでauじぶん銀行を検討している人は、メリットだけでなく、事務手数料・団信の年齢条件・当初期間終了後の金利といった注意点もしっかり押さえたうえで、「金利+諸費用の総額」と借り換えの損益分岐で判断するようにしましょう。なお、金利や手数料は改定されることがあるため、最新の取り扱い状況は必ずauじぶん銀行の公式サイトでご確認ください。
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