広島銀行のフラット35(保証型)とアルヒスーパーフラットとの違いを徹底比較!
広島銀行が2018年5月からフラット35(保証型)の取扱い
広島銀行では、2018年5月から広島銀行独自のフラット35であるフラット35(保証型)の取扱いを行っています。フラット35というとどこでも申し込める住宅ローンという印象があると思いますが、この保証型のフラット35は取り扱いの金融機関が限られているものです。
フラット35には”保障型”、”買取型”という2つの種類があって、広島銀行では取り扱いが珍しい「保障型」のフラット35を提供しています。フラット35の”保証型”と”買取型”は専門的な言葉なので深く考える必要はありませんが、詳しく知りたい人は保証型と買取型のフラット35の違いについてはこちらの記事で紹介していますので確認しておいてください。
簡単に言うと、保証型のフラット35は、大多数の買取型のフラット35よりも商品性や金利設定の自由度が高いという特徴があります。広島銀行のフラット35(保証型)の場合、自己資金をしっかり用意できる人向けに低金利のフラット35を提供することが目的になっていて、マイホーム購入に向けて計画的にお金を貯めていた人におすすめの住宅ローンとなっています。
なお、保証型のフラット35を取り扱っている金融機関は非常に少なく、これまでは「日本住宅ローン」「アルヒ」「財形住宅金融」だけでした。しかも「日本住宅ローン」と「財形住宅金融」は特定の申込ルート(提携企業)に限定しているので誰でも利用できるわけではありません。
つまり、これまで保証型のフラット35(スーパーフラット)を幅広く受け付けているのは「アルヒ」だけでしたので、広島銀行のフラット35(保証型)は幅広く利用者を受け付ける2つ目のフラット35(保証型)となります。(広島銀行の場合、広島銀行の営業エリア限定になってしまいますが)
今回のこの記事では、新たに登場した広島銀行のフラット35(保証型)と、長年取扱いを続けているアルヒのスーパーフラットとの違いを細かく比較しながら商品性の違いを解説したいと思います。
広島銀行とアルヒスーパーフラットの金利比較(2024年7月)
アルヒ | 広島銀行 | |
新規借り入れ(自己資金10%以上) | 年1.83% |
年1.95% |
新規借り入れ(自己資金20%以上) | 年1.71% | 年1.84% |
借り換え | 年1.83% | ホームページ上で明示せず |
※団信に加入した場合の金利。2024年7月。
広島銀行とアルヒのスーパーフラットの比較
アルヒ | 広島銀行 | |
年齢 | 申込時の年齢が満70歳未満 | 申込時の年齢が満70歳未満 |
資金使途 | 新築または中古住宅の建設・購入資金、住宅ローンの借り換え、セカンドハウスの建設・購入資金、中古住宅購入時のリフォーム工事資金 | 新築または中古住宅の建設・購入資金、住宅ローンの借り換え |
借り入れ上限金額 |
100万円以上8000万円以下 返済負担率は年収の20%~35%以内(年収・商品により異なる) |
100万円以上8000万円以下 返済負担率は年収の30%~35%(年収により異なる) |
借り入れ期間 |
15年以上35年以下(60歳以上の場合10年以上) ※完済時年齢80歳未満 |
15年以上35年以下(60歳以上の場合10年以上) ※完済時年齢80歳未満 |
返済方法 | 元利均等返済または元金均等返済(選択可) | 元利均等返済 |
団体信用生命保険 | 任意加入 | 原則加入 |
ワイド団信 | 取り扱い | 取り扱いなし |
諸費用の融資 | 印紙税、手数料、登録免許税、司法☆報酬・火災保険料・地震保険料などを借入金額に含めることができる | 諸費用を借り入れ金額に含むことはできない |
保証人・保証料 | 不要 | 不要 |
繰上返済方法 | インターネット・窓口・郵送 | 窓口に7営業日前までに提出(約定返済日しか繰上返済できない) |
一部繰上返済手数料 |
インターネットからの手続きで無料(電話・郵送の場合、税別で1万円~3万円) |
1万円(税別) |
事務手数料 |
借入金額の2%(税別)、最低事務手数料20万円(税別) |
借入金額の2%(税別) |
その他 |
親子リレー返済・収入合算に対応 |
収入合算に対応 |
商品性・サービス性には想像以上に違いがあり、結論としては、総合的にアルヒのスーパーフラットの方が使いやすく、利用者の立場にたった優れた商品になっています。
アルヒが長年に渡って商品性を改善してきた成果が明確に表れていると言え、後発の広島銀行はアルヒのスーパーフラットを十分に意識・研究していたはずですが、アルヒのスーパーフラットに肩を並べるにはまだまだ時間がかかりそうですね。
上記の表内で赤字にしている箇所が大きな違いですが、まず致命的なのは繰上返済です。
アルヒはネットから手数料無料で繰上返済できますが、広島銀行の場合、店頭窓口に7営業日前まで提出しなければならず、約定返済日しか繰上返済できません。繰上返済のしやすさと手数料のかなり重要な要素なので、この違いは致命的です。
更に、団体信用生命保険への加入についても考え方に違いがあることがわかります。アルヒでは団信への加入が任意であると明記していて、加入しないときの金利も明示しているほどですが、広島銀行では原則加入としています。団信に加入せずにフラット35を利用することを検討するのであればアルヒが選択肢と言えます。
更に見逃せないのが諸費用の取り扱いです。
アルヒでは、「金銭消費貸借契約書に貼付する印紙代(印紙税)」「スーパーフラットを利用する際の融資手数料」「抵当権の設定及び抹消費用(登録免許税)・司法書士報酬」「適合証明検査費用(物件検査費用)」「借換に伴う経過利息・一部繰上返済手数料」「火災保険料・地震保険料」を借り入れ金額に含むことができます。これらの費用は例えば4000万円の住宅ローンを借り入れる場合100万円以上になってしまいます。
そもそも、アルヒ・広島銀行のスーパーフラットは「自己資金(手持ち金)」を20%以上用意することで通常のフラット35よりも低い金利で借り入れることができるという商品ですが、この諸費用の取扱いの違いは、スーパーフラットを利用するために用意しなければならないお金に大きく影響してくるのです。
アルヒ・広島銀行共に最も低い金利を適用してもらうには「自己資金(手持ち金)」を20%以上用意することを条件にしているので、条件が同じように見えますが、実は違いがあるということがわかります。
簡単に言えば広島銀行の方が用意しなければならないお金が多くなる、ということですね。
広島県内にもアルヒの店舗はある?
アルヒは全国に店舗網を有しています。広島県内では広島市と福山市に店舗があります。繰上返済などはネットで気軽にできますし不便に感じることはほとんどないでしょう。アルヒのフラット35に興味がある人は以下から来店予約して相談してみると良いでしょう。もちろん相談は無料です。
アルヒが広島銀行を商標権侵害で訴訟へ(2018年6月4日追記分)
広島銀行ではサービス開始当初「スーパーフラット」という名称を使っていましたが、アルヒが広島銀行を相手に商標権侵害で訴えを起こしました。金融機関同士で商標権侵害で争われるのは非常に珍しい事例でした。広島銀行が5月に取扱いを開始した保証型のフラット35の商品名は「スーパーフラット35」。保証型のフラット35で先行していたアルヒは「ARUHIスーパーフラット」と言う商品名を利用しており広島銀行の商品名が商標権の侵害にあたるとして訴えを起こした、という流れです。
この訴訟を受けてか、すでに広島銀行では「スーパーフラット」という名前を一切利用しなくなっています。
なお、特許庁の商標検索で確認すると、スーパーフラットを含む商標は13件登録されています。そのうち、金融、保険及び不動産の取引分野を管理する商標区分の第36類に登録しているのはARUHIです。
ただし、登録している商標名は「ARUHIスーパーフラット」であり「スーパーフラット」ではありません。広島銀行の商品は「スーパーフラット35」でARUHIという言葉は使っていませんでした。
広島銀行も当然弁理士に商標侵害にあたるかを事前にチェックして商品名を決めているはずで、「スーパーフラット35」としても商標侵害には当たらないと判断していたはずです。素人考え的には、これであれば商標侵害にはあたらないという判断に着地しそうな気がしていましたが、結果としては広島銀行が引き下がったようです。
珍しい話題でしたので追記して紹介させていただきました。
まとめ
アルヒに続く2つ目の幅広く(実質的には広島県およびその金利に限定)利用可能な広島銀行のフラット35(保証型)。現時点ではアルヒのスーパーフラットの方が有利な点が多く、アルヒのスーパーフラットの牙城を崩すにはまだまだ時間がかかりそうです。
アルヒは14年連続でフラット35の実行件数1位を獲得する程の人気と支持を集めている金融機関です。現時点ではアルヒのスーパーフラットの方が有利な条件になっていると言わざるをえませんが、日本を代表する地方銀行である広島銀行がフラット35の保証型の取扱いを開始したことは他の地銀の動きにも影響を与えることも考えられますので大きな意義があると言えるでしょう。
なお、アルヒのフラット35はネットから簡単に審査申込することもできます。店舗が近くにないと店舗での相談は難しくなってしまいますが、ネットで手続きするのであれば広島県の遠方はもちろん、全国に対応しています。詳しくはアルヒの公式サイトで確認してみてください。
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