つなぎ融資とは?注文住宅で使える住宅ローンと費用の目安

つなぎ融資とは、注文住宅で建物が完成して住宅ローンが実行されるまでの間、土地代や着工金・中間金を立て替えるための短期のローンです。建築中は利息だけを払い、完成時に実行される住宅ローンで元金を一括返済します。住宅ローンは原則として建物の完成後に一括で実行されるため、完成前の支払いを自己資金でまかなえない場合に必要になります。
借り換えを中心に扱う当サイトでも、注文住宅の資金繰りは「最初のローン選び」と「完成後の借り換え」に直結するテーマです。対応している金融機関と、使うときの費用・注意点を整理します。
注文住宅は完成前に支払いが来るため、住宅ローンの選択肢が狭くなる
建売住宅やマンションの購入と比べて、住宅ローンの選択肢が狭いと言われるのが注文住宅です。
注文住宅は建物が完成していない(土地しかない)状態で土地を購入(または手持ちの土地を活用)し、工務店やハウスメーカーに建築を発注します。家が完成してから住宅ローンで建築費を払えばよい、というわけにはいかず、着工前から建築費の一部(着手金)を支払う必要があります。
手元資金が十分あれば現金で払えますが、足りなければ金融機関から借りて用意しなければなりません。ところが、完成前の資金(つなぎ融資)に対応していない住宅ローンが少なくないため、注文住宅では選べる住宅ローンが狭くなりがちです。

(つなぎ融資に対応していない住宅ローンを使うための完成直後の借り換えを活用する方法も紹介していますので、あわせて参考にしてください。)
注文住宅で必要になる「つなぎ融資」の仕組み
マイホームの取得方法は「新築マンションの購入」「中古マンションの購入」「建売戸建ての購入」「中古戸建ての購入」「住宅の新築」の5つに分けられます。このうち「住宅の新築」だけは、契約の時点でまだ物件が存在しません。
そのため、工務店などの施工業者に個人として建築を発注することになり、数百万〜数千万円単位の資金が、住宅の完成前・着工前から必要になります。

着工から完成までの費用を施工業者が立て替えてくれることはまれで、「着工金」「中間金(上棟金)」「竣工金」といった形で段階的に支払っていく必要があります。支払いが滞ると工事を進めてもらえません。
着工金だけでも数百万円になることが多く、現金で払える人ばかりではありません。そこで、着工から完成までの間を「つなぐ」ために使われるのが「つなぎ融資」です。
つなぎ融資は「つなぐ」ことが目的なので、建築中は元金を返済せず、利息だけを支払うのが一般的です。住宅が完成して住宅ローンが実行されると、そのお金でつなぎ融資を一括で返済します。
つなぎ融資と「分割融資」の違い
完成前の資金を手当てする方法は、つなぎ融資だけではありません。金融機関によっては、住宅ローンそのものを着工時・中間時・完成時などに分けて実行する「分割融資」に対応しているところもあります。
分割融資は住宅ローン本体を分けて借りるので、別のローン契約が増えないのが利点です。一方、つなぎ融資は住宅ローンとは別の短期ローンなので、事務手数料や利息が別にかかります。どちらを使えるかは金融機関と商品ごとに異なるため、建築会社との支払いスケジュールを先に確認し、それに合う金融機関を選ぶのが順番です。
つなぎ融資にかかる費用の目安
つなぎ融資の主な費用は、事務手数料・利息・契約書の印紙代です。利息は借りている日数に応じて日割りで計算されるのが一般的で、借入額が大きく期間が長いほど増えます。
たとえば、着工金1,000万円を仮に年3.0%で180日間借りると、利息は約14.8万円(1,000万円×3.0%×180日÷365日)です。同じ金額でも120日で完済すれば約9.9万円に収まります。工期が延びると利息も増えるため、建築スケジュールに余裕を持たせた資金計画が大切です(金利は計算用の仮の値です)。
ネット銀行はつなぎ融資に対応していない?
「ネット銀行はつなぎ融資に対応していない」と言われることがありますが、半分は本当で半分は誤解です。自社でつなぎ融資を扱わなくても、提携先のつなぎ融資を紹介している銀行があります。
ネット銀行なので、全国どこからでも申し込めるのが利点です。紹介先のつなぎ融資の金利・手数料は、申込前に必ず確認しましょう。
つなぎ融資に対応している住宅ローン
つなぎ融資の手当てがしやすい代表例はフラット35です。フラット35は住宅金融支援機構と民間金融機関が提携する全期間固定金利の住宅ローンで、融資は原則として建物の完成後に実行されます(住宅金融支援機構 フラット35)。そのため、窓口の金融機関の多くが完成までのつなぎ融資を用意していますが、回数や手数料は金融機関ごとに異なります。
主な金融機関の対応は次のとおりです(2026年9月時点・各社公式サイトで確認)。
| 金融機関・商品 | 完成前の資金の手当て | 使える資金・回数 | 事務手数料(税込) |
|---|---|---|---|
| SBIアルヒ「フラットつなぎ」 | 自社のつなぎ融資(フラット35等の利用者向け) | 土地購入時・着工時・上棟時・竣工時など | Aタイプ110,000円/Bタイプ55,000円+融資金額×1.43% |
| 楽天銀行「つなぎローン」 | 自社のつなぎ融資(金利選択型・フラット35の利用者向け) | 土地取得資金・着工金・中間金の最大3回 | 商品説明書で確認 |
| SBI新生銀行「元金一括返済型住宅ローン」 | 土地購入資金のみ自社で融資(着工金・中間金はグループ会社のアプラスで取扱い) | 戸建て建築用の土地購入代金と購入時の諸費用 | 無料(電子契約は5,500円) |
| ソニー銀行 | 自社では取扱いなし(日本モーゲージサービスのつなぎ融資を紹介) | 紹介先の条件による | 紹介先の条件による |
※2010年度-2025年度統計、取り扱い全金融機関のうち借り換えを含む【フラット35】実行件数(2026年3月末現在、SBIアルヒ調べ)
SBI新生銀行の元金一括返済型住宅ローンは、融資期間1年以内・500万円以上3億円以下で、団信への加入が必要(保険料は銀行負担)です。利息は毎月支払い、元金は融資実行から11か月後に一括で返済します。
低金利で人気のネット銀行でも、自社でつなぎ融資を扱わないところは少なくありません。住宅ローンを決める前に、つなぎ融資(または分割融資)に対応しているか、提携先を紹介してもらえるかを確認しておきましょう。メガバンクや地方銀行でも、分割融資や提携先のつなぎローンで対応しているケースがあるので、建築会社の支払い条件とあわせて相談するのが確実です。
つなぎ融資を使うなら、完成後の「借り換え」も視野に
つなぎ融資に対応している住宅ローンは限られるため、「つなぎ融資が使えること」を優先して、金利や諸費用で見劣りするローンを選ばざるを得ないこともあります。その場合でも、完成・入居後に条件の良いローンへ借り換える道は残っています。
ただし、借り換えには事務手数料や抵当権の登記費用など、まとまった諸費用が再びかかります。借り換えで得をするには、金利差で減らせる利息が諸費用を上回る必要があります。借り換えで失敗・後悔しないためのポイントで、諸費用込みの試算の考え方を確認しておきましょう。
フラット35でつなぎ融資を使う場合の審査の考え方は、SBIアルヒの住宅ローン審査とフラット35の基準で解説しています。
つなぎ融資のよくある質問
Q. つなぎ融資だけを先に申し込めますか?
A. 一般的には、完成後に実行される住宅ローンの審査(承認)が前提です。住宅ローンの返済でつなぎ融資を完済する仕組みのため、住宅ローンとセットで申し込むのが基本です。
Q. つなぎ融資の利息はいつ払いますか?
A. 商品によって異なります。建築中に毎月利息を払う商品もあれば、住宅ローン実行時にまとめて精算する商品もあります。SBI新生銀行の元金一括返済型住宅ローンは毎月の利息払いです。
Q. 土地代だけ先に借りることはできますか?
A. 建物の建築計画が決まっていれば、土地購入資金に対応するつなぎ融資や分割融資を使える場合があります。SBI新生銀行のように、土地購入資金だけを自社で融資し、着工金・中間金は別会社で扱う例もあります。
※つなぎ融資の金利・手数料・取扱条件は変更されることがあります。最新の内容は各金融機関の公式サイトでご確認ください。
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