マイホーム購入・注文住宅の完成直後に住宅ローンを借り換える裏技と注意点

住宅ローンは、マイホームを購入するために利用します。
マイホーム購入時は、住宅そのものの価格だけでなく、不動産会社への仲介手数料・引っ越し費用・家具の購入・これまで住んでいた住宅のクリーニング費用・外構工事など周辺環境の整備まで、さまざまなお金がかかります。何年も前から計画的に貯蓄できていればよいですが、それでもマイホーム購入時は資金的な余裕がないのが普通です。
また、マイホーム購入直後は、不動産会社が大手銀行や取引のある金融機関の住宅ローンを紹介してきますし、契約を進めるにはどこかの住宅ローンの仮審査に通過しておく必要があります。「ほかの人からもこの物件に問い合わせが入っている」などと急かされるケースも珍しくありません。
住宅ローンは「マイホーム購入という大きなイベントの中の一つの手続き」に過ぎません。新しい家が手に入るドキドキ感に心を奪われ、住宅ローンをじっくり考える時間が取れないまま、”一番手続きが楽な”不動産会社の紹介ローンをそのまま契約する人が大半を占めています。
また、注文住宅の場合は、工務店に対して着工時や中間時点などで建築費用を支払う必要があるため、手続きはさらに煩雑です。着手金などを賄うつなぎ融資は金融機関にとっても手間がかかるため、対応していない金融機関も多いのが実情です。工務店選びだけでも一大事なのに、つなぎ融資対応の住宅ローンを探し出す時間はなく、制度がしっかりしていて工務店から紹介されることも多いフラット35を利用する人が多い、と言われています。
注文住宅にしても、建売住宅やマンション購入にしても、”冷静に考えるとベストな住宅ローンを選べていなかった”とあとで気づくことは非常に多いものです。多くの人は、住み始めて1〜2年が経ち、新しい生活に慣れてきた頃に「そろそろ住宅ローンの借り換えを考えなきゃ…」と感じ始めます。これが借り換えの最初の一歩になりがちです。
住宅ローン契約直後に全額返済(借り換え)する裏技も
ところが、注文住宅で家を建てる人の中には、マイホーム購入時に利用する住宅ローンの契約が終わっていないうちに、借り換え先の金融機関へ申し込みを進めている人がいます。
例えば、次のようなケースで、そうした”裏技”の手続きが進められています。
つなぎ融資に対応した住宅ローンをまず契約
注文住宅でつなぎ融資が必要だった人の事例です。長く利用したい本命の住宅ローンがつなぎ融資に対応していなかったため、住宅の完成直後にできるだけ早く借り換えられるよう、あらかじめ準備しておいたというものです(住宅建築中はつなぎ融資対応のローンで乗り切り、完成と同時に借り換えを実行)。
工務店やつなぎ融資をしてくれている金融機関には内密にして、借り換え候補の金融機関の担当者やコールセンターに具体的な手続きを相談しながら準備を進めたとのことです。
※「最初に借りる住宅ローン」の初期費用や金利タイプの詳細は不明ですが、すぐ借り換える前提なら、初期費用を抑えることを最優先にし、金利は多少高くても影響は小さいという選び方をしていたなら、かなり用意周到です。
転職・勤続年数のタイミングが悪かったので…
購入したい住宅が突然出てきたものの、転職直後で本命の住宅ローンの審査が厳しくなると予想されたため、比較的審査に通りやすいフラット35(初期費用を抑え、金利は高めのタイプ)でまず購入。長く使うつもりはないので団信にも加入せず、マイホーム購入だけを最優先にした、というケースです。その後、勤続期間の条件を満たしたタイミングで本命の住宅ローンの審査に通過し、すぐに借り換えました。
これもかなり機転の利く対応です。ただし、本命の審査がすんなり通ればよいですが、万が一落ちると高い金利のまま返済を続けることになるので注意が必要です。このケースでは転職先が大手企業だったため、自信をもって手続きを進めていました。
マイホームの契約日に間に合わなかった…
最初から自分で住宅ローンを選ぶ気満々で申し込んでいたものの、審査と手続きに思ったより時間がかかり、契約日に間に合わないことが判明。とりあえずメガバンクの住宅ローンで契約を進め、本命の住宅ローンへすぐに申し込み直して、マイホーム購入の1か月後に借り換えた、というケースです。
これは用意周到というより、臨機応変に対応した例です。普通は間に合わないことにがっかりして本命の金融機関にクレームするところですが、すぐに借り換えへ軌道修正できるのは冷静な人です。
住宅ローンの借り換えは早いほど効果が大きい
確かに、より金利の低い住宅ローンに借り換えるなら、タイミングは早いほど効果が大きくなります。とはいえ、購入時・注文住宅発注時に契約した住宅ローンの返済をほとんど行わないうちに借り換えてしまう人がいるのには驚きます。
特に注文住宅では、最初に契約できる住宅ローンに制限があることが多いため、住宅建築中に借り換え手続きを裏で進めておくのは一つの裏技といえます。
ただし、住宅ローンを2つ契約すると、多少なりとも手数料などの費用が余分にかかります。次の注意点を必ず確認してください。
契約直後に借り換えるときの注意点
諸費用が短期間に二重にかかるのが最大の注意点です。抵当権の抹消・設定にかかる登記費用(司法書士報酬・登録免許税)、融資事務手数料、印紙税などが、短い期間に二度発生します。金利差で取り戻せるか(諸費用 vs 金利差の損益分岐)を必ず試算してから動きましょう。また、団信の切り替えの際に保障の空白ができないよう、実行日をそろえることも大切です。住宅ローン控除は、借り換え後のローンが控除の要件(返済期間10年以上など)を満たしていれば、残りの期間について引き続き受けられます(制度は改正されるため、最新の要件は国税庁の公式でご確認ください)。
よくある質問(FAQ)
Q. 契約直後に借り換えると諸費用が二重にかかりませんか?
はい。登記費用(抵当権の抹消・設定)・融資事務手数料・印紙税などが短期間に二重にかかります。それでも金利差が大きく、残債・残期間が長ければ十分に元が取れるケースもあります。必ず損益分岐をシミュレーションで確認しましょう。
Q. つなぎ融資に対応した住宅ローンが少ないのはなぜですか?
着工金・中間金を賄うつなぎ融資は金融機関の手間が大きく、対応行が限られます。本命がつなぎ融資に非対応なら、つなぎ対応の金融機関で建築期間を乗り切り、完成後に本命へ借り換える方法があります。
Q. 転職直後で審査が不安です。完成後の借り換えは可能ですか?
まず審査に通りやすいローン(フラット35など)で購入し、勤続年数の条件を満たしてから本命へ借り換える方法はあります。ただし本命の審査に落ちると高い金利のまま残るリスクがあるため、無理のない計画で進めてください。
Q. 借り換えても住宅ローン控除は続けられますか?
借り換え後のローンが控除の要件を満たしていれば、残りの控除期間について引き続き適用できます。制度改正があるため、最新の要件は国税庁の公式サイトで確認しましょう。
マイホーム購入時にしっかり住宅ローンを選ばず、後悔しながら返済を続けるよりは、こうした思い切った裏技も参考にしながら、早めに借り換えを検討してみるのも一つの方法です。
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