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地方銀行にメガバンクが住宅ローンを販売?銀行を取り巻く住宅ローンの実態は?

マイナス金利政策が定着し、銀行の利ざや収益が減少したまま安定してしまっていた2017年の住宅ローンに関連する話題の1つにメガバンクの住宅ローンビジネスの縮小と地方銀行に住宅ローンを販売していくという話題がありました。

 

当時、新聞各紙を賑やかにしたメガバンクの住宅ローンですが、思惑は外れたのか2018年・2019年には続報を目にすることもなく過ぎ去った印象がありますが・・・。もっとも、銀行と銀行が裏で個別に取引をする提携なので、私たち一般消費者の知らないところでメガバンクの住宅ローンを実質的に購入している地銀は増えていると予想されます。

 

 

メガバンクが地銀に住宅ローンを販売?

メガバンクが地銀向けに住宅ローンの貸出債権を販売を検討しているとの報道がありました。住宅ローンを貸出債権という形にしてそれぞれの役割を明確化している住宅ローンの代表例として住宅金融支援機構の「フラット35」がありますので、最初はそのような商品をメガバンクが提供するのかと思いましたが、報道の内容では少し違っているようです。

 

「住宅ローン債権」の権利義務関係はメガバンクが保有したままでリスクとリターンを切り離して販売する手法を採用することを想定しています。例えば、①地銀が得意としていない分野のリスク分析をメガバンクに担いそれを債券化したものを地銀が購入するであったり、②メガバンクがプロジェクト融資(海外向けの高収益案件など)した案件を証券化して地銀に販売する地銀などに販売すると言った事例では昔から存在する手法なので、考え方はめずらしいものではありません。

 

マイナス金利政策が銀行に与えている影響

今の日本は、マーケット金利が低下したことでそれに合わせて住宅ローンはこの数年低金利下が進んでいます。また、それに比例する形で銀行の収益性も低下していました。さらに拍車をかける形で日銀によるマイナス金利政策が導入され銀行の収益性はさらに厳しいものになりました。

 

マイナス金利導入時点で、このような状況になることは簡単に想像できていましたし、マイナス金利導入時に、日銀に対して三菱UFJ銀行も強く反発していました。銀行は許認可制の事業ですので、金融庁や日銀への強い反発のコメントは異例なことで、銀行を代表して三菱UFJ銀行がしっかりと政府・日銀に意見を示したものでした。

 

マイナス金利で銀行は一般消費者から預かった預金から得られる収益が減少しました。つまり、預かったお金で単純に日本国債を買ったり、日銀当座預金にお金を預け入れているだけでは収益が得られにくい状況に陥ったわけです。つまり、銀行は預かったお金をうまく活用しなければ収益を確保できないという状況にあるわけですね。

 

これは日銀の狙いでもあって、「日銀は銀行が企業や個人に融資することを促して日本経済を活性化させる」方向にもっていきたいわけです。銀行にとって難しいのはお金の貸出先のリスクをしっかりと分析(審査)することと、リスクを最小化(担保)することです。その2つがしっかりできていないと貸し倒れが発生し損失が生じてしまうことになります。

 

銀行の仕事ってそれじゃないの?という声が聞こえてきそうですが、難しいのは事実です。その結果、マイナス金利導入後に最初に発生したのが住宅ローンの金利引き下げ競争ですね。住宅ローンは住宅や土地というわかりやすい担保がありますのでリスク分析とリスク最小化がほぼ整っている融資案件です。

 

そのため、各銀行はこぞって住宅ローンの残高を増やすべく、住宅ローンの金利引き下げ競争を始めました。ちなみに、住宅ローンの貸出額は大幅に増加したと報道されていますが、その多くが住宅ローンの借り換えだったので、銀行業界全体の住宅ローン残高はそれほど増えておらず、銀行業界全体としてはお互いに競争しあって収益性を下げただけというネガティブな見方もできるのですが。

 

そんな低金利に苦しんでいる住宅ローンを証券化して売買することを狙っているという今回の報道は、地方銀行が更に苦しい状況に追い込まれていることを示唆していると言えるでしょう。

 

もちろん、多少のメリットは存在しますが、トータルで見れば証券化にはコストがかかります。低収益商品にコストをかけてさらに低収益になった商品を売買するのは普通に考えれば本末転倒です。実際に販売されるかはまだわかりませんし、低収益な商品を更に低収益にした商品が本当に商品化され、その証券を購入する地銀が登場したとしたらその地銀の経営状態の実態は相当厳しくなっているときかもしれません。

 

本業にぜひ力を

住宅ローンの金利低下が激しいと言われて久しいですが、それでも地方銀行の住宅ローンは「変動金利で0.6%~」・「10年固定金利で1.1%程度~」と当サイトで紹介しているauじぶん銀行住信SBIネット銀行の住宅ローンに比べるとまだまだ金利が高い状況です。

 

つまり、より低い金利で住宅ローンを提供している銀行が実際に存在するわけです。「ネット銀行は店舗を構えるコストが少ない」「人件費の負担が少ない」「企業文化・意思決定に至るまでが低コスト」などと言われますが、地方銀行など苦しい状況にある銀行であればあるほど、そのような改善できるポイントの改善に目を向けて欲しいですね!

 

小手先の収益性やビジネス改善ではなく、私たち消費者にメリットがでる形に答えを導いて欲しいものです。(住宅ローンの採算性を分析して無駄なコストを排除して私たちの利息負担も減してくれたら最高ですね)

 

苦しい状況を打破するのには時間がかかります。また、住宅ローンや保険商品は(企業サイドからみると)長くそのビジネスを続けていれば収益を確保しやすくなります。住信SBIネット銀行auじぶん銀行が住宅ローンの知見と経験を積み上げ、そして住宅ローン残高を増やせば増やすせば、さらに強力な住宅ローンを提供してくるライバルになります。

 

まだ、地方においてはネット銀行の住宅ローンに馴染みがないという理由だけで地方銀行の住宅ローンが選ばれているという事情もあります。これも時を重ね、地方在住の人もネット銀行を使っていて当たり前の時代になってしまったら地方銀行が今以上に苦しくなるのは目に見えています。

 

メガバンクの場合、「三井住友銀行→PayPay銀行(旧ジャパンネット銀行)」、「三井住友信託→住信SBIネット銀行」などネット銀行を開業したり出資しています。

 

地方銀行が地元の人に融資する心を忘れて、リスクも取らずにメガバンクの住宅ローン債権を積極的に購入しはじめたら、その地方銀行の存在意義はどんどん薄れていくことになると思います。

 

そもそも、ネット銀行の親会社の大半はメガバンクなどの大手の銀行です。大手銀行・メガバンクがネット銀行という子会社を使って「地方に住む人に銀行サービスをどんどん提供し、実質的には地方部にメガバンクが進出してきている」という実態を地方銀行が気づいていないわけはないとは思いますが。

 

地方銀行の再編は近い将来必ず起こると思います。その時に、口だけで地場密着を掲げるだけで、その地域に住む法人・個人により良い金融サービスを提供できていない地方銀行は生き残れないのではないと思います。

 

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