地銀の住宅ローンのデメリットとは?
日本の総人口、1億2,500万人に対し、東京、千葉、埼玉、神奈川の首都圏の人口は3,500万人程度であり、日本人の多くは首都圏以外に居住をしています。
メガバンクは首都圏や大都市部にこそ、多くの支店を持っていますが、これら以外に拠点は少なく、地銀が大きな存在を占めています。
このため住宅ローンを借りる際に、親しみなれた地銀で住宅ローンを借りている方も多いと思います。今回はこうした地銀の住宅ローンのデメリットを確認していき、ネット銀行との比較をしてみたいと思います。
地銀の住宅ローンのデメリット
①金利が割高
まず最初に指摘したいのが地銀の住宅ローン水準です。地銀は各地域では独占的なシェアを有していることが多く、競争が少ないことから住宅ローン金利が割高になる傾向にあります。
もちろん、地域地域で地銀や信用金庫間の競争が激しいエリアでは金利が割高といえない水準である場合もあります。
しかし、ネット銀行のように変動金利が年0.3%、0.4%台が主流となっている一方で、地銀では年0.9%前後(別途保証料が必要)が基準となっており、その差は2倍程度まで広がっています。
地銀の住宅ローン金利については 地銀 住宅ローン金利比較ランキング を参考にしてみてください。
②優遇金利の適用条件がある
地銀、各行の公式サイトに掲載されている住宅ローン金利は最優遇金利であり、住宅ローン審査により金利が変動すると同時に、いくつかの条件をクリアする必要があります。一見低そうだなと思えても、低い金利を適用するために色々と条件があるのです。
具体的な条件としては
・給与受け取り口座の指定
・系列クレジットカードの申し込み
・銀行カードローンの申し込み
・投資信託の購入などです。
具体的に東海エリアの大手地銀、十六銀行の優遇金利適用条件を紹介したいと思います。
土地を自身で所有していること、頭金を20%用意することなど、かなり高い条件が設定されていることが分かります。
多くの方はこうした細かい注意文言を見ずに、十六銀行公式サイトに掲載されている住宅ローン金利のみを見て「安い」と感じるかもしれませんが、実際とは乖離した金利が掲載されていると考えてよいでしょう。地銀ではこういった条件と併せて金利を提示しているケースが一般的となっています。
一方、ネット専用住宅ローンには優遇金利適用のための条件というものは原則ありません。
③保証料が有料かつ高い
地銀に限らず、メガバンクなど伝統的な銀行で住宅ローンを組むのには系列の保証会社を利用した住宅ローン債務への保障が必要となります。
この保証を得るのに保証料が必要となります。金利上乗せの場合には年0.2%の保証料が最低でも必要となります。審査結果によっては年0.5%程度となる可能性もあるなど我々ユーザーから見ると極めて不透明であると言ってよいでしょう。
一方で、ネット専用の住宅ローンには保証会社を利用する仕組みがありませんし、年0.5%もの保証料が必要となると、フラット35の方が総返済額で安くなる可能性までありそうです。
具体的に3000万円の借入をした際に保証料が年0.2%から年0.5%の際の完済までの保証料を確認してみましょう。
保証料(年率) | 保証料の総額 |
0.2% | 1,069,639円 |
0.3% | 1,614,022円 |
0.4% | 2,164,711円 |
0.5% | 2,721,739円 |
仮に保証料が0.5%金利上乗せの場合、住宅ローン元本に対し、約10%もの保証料が必要になります。まったく納得できる保証料ではないですね。
ネット銀行の低金利な変動金利は金利自体が、地銀の保証料と大差ない水準となっていますので、地銀の住宅ローンで保証料で年0.3%、年0.4%も取られるくらいなら最初から保証料が無料でネット銀行、低金利な住宅ローンを組みたいですね。
④疾病保障が有料
地銀においても、ネット銀行同様に、ガン保障、全疾病など各種疾病保障を充実させた住宅ローンを拡充する方向にあります。
ガン保障や全疾病保障は万が一の際に、住宅ローン残高が半分になったり、ゼロになったりするものであり、生命保険、がん保険と比較しても極めて優れた保険商品と言えます。
このためこれらの保障を住宅ローンに付帯させるのは自然な流れと言えます。
ただし、地銀ではこうした疾病保障を付帯させるのは有料となっており、ガン50%保障が無料で付帯するauじぶん銀行の住宅ローン※や全疾病保障を無料付帯させる楽天銀行(金利選択型)とは商品性の面で大きな違いがあります。
auじぶん銀行が住宅ローンを変動金利で利用している人向けに住宅ローン利息の一部を毎月現金でキャッシュバックするキャンペーン提供しています。
auじぶん銀行の住宅ローンは業界内でも魅力的な水準ですが、2024年に業界全体の流れに沿って住宅ローンの金利は引き上げになっていますが、このキャンペーンを利用することで利息額の一部がキャッシュバックされることになり、負担が軽減されることになります。なお、このキャンペーンはエントリーが必要なので2024年12月末までに必ずエントリーするようにしましょう。
※審査の結果によっては保証付金利プランとなる場合があり、この場合には上記の金利とは異なる金利となります。金利プランが保証付金利プランとなる場合は、固定金利特約が3年、5年、10年に限定されます。
※のキャンペーンに参加するには、エントリー期限日(2024年12月31日)終了時点で、auじぶん銀行の住宅ローンを変動金利でご契約中であり、お借入残高が1円以上あることが条件となっています。また、固定金利または保証付金利プランは対象外で、ミックスローンを利用している場合、変動金利タイプの部分のみが対象になります。
⑤来店が必要
最後に触れたいのが地銀の住宅ローンを組むには来店が必須となる点です。お仕事で忙しい中で銀行の支店を訪問するのはなかなか時間調整が大変ですが、ネット銀行の住宅ローンであれば来店不要としたり来店回数を最小限にとどめることができます。たとえば、auじぶん銀行の住宅ローンは必要書類の提出をネット経由で行い、金銭貸借契約書の締結も電子的に行うという流れになっています。
⑥営業範囲が限られる
地銀は名前のとおり、地方に根ざしているため営業範囲も限られます。そのため、利用できる銀行が極めて限られてしまうというデメリットがあります。御自身がお住まいの地域で地銀間の競争が成り立っており、住宅ローンの金利や付帯サービスの面で切磋琢磨をしていればよいですが、そうではない地域のお住まいの場合には選択肢が限定されるというデメリットがありますね。
【まとめ】地銀の住宅ローンのデメリット対策は?
これから住宅ローンを新規で組む、住宅ローン借り換えを検討している方はぜひ金利の比較を行ってみましょう。
下記は地銀とネット銀行の住宅ローン金利について変動金利に絞り比較したものです。
まずは比較を行い、優れた住宅ローンを提供するネット銀行の住宅ローンも地銀と同時に審査申し込みをしてはいかがでしょうか?
銀行名 | 変動金利 |
---|---|
住信SBIネット銀行(WEB申込コース) | 年0.448%~(通期引下げプラン・借り換え時) |
足利銀行 | 年0.775%~ |
常陽銀行 | 年0.700%~ |
横浜銀行 | 年0.300%~ |
群馬銀行 | 年0.775%~ |
池田泉州銀行 | 年0.470%~ |
十六銀行 | 年0.725%~ |
千葉銀行 | 年0.750%~ |
南都銀行 | 年0.625%~ |
京都銀行 | 年0.925%~ |
七十七銀行 | 年0.875%~ |
八十二銀行 | 年1.075%~ |
山口銀行 | 年0.675%~ |
東邦銀行 | 年1.100%~ |
西日本シティ銀行 | 年0.775%~ |
福岡銀行 | 年0.925%~ |
北陸銀行 | 年1.125%~ |
静岡銀行 | 年0.650%~ |
中国銀行 | 年0.450%~ |
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