転職直後の住宅ローン審査と借り換え|勤続年数と職歴書の注意点

転職直後でも、住宅ローンの新規借入や借り換えの審査は受けられます。会社員の勤続年数を申込条件に書いていない銀行もあり、転職から1年未満なら職歴書などの追加書類で判断する銀行が多くなっています。
ただし、転職前後の年収と勤務先の安定性は細かく見られます。返済中の人が借り換えを考えているなら、転職の前に申し込むほうが手続きは少なく済みます。金利差が年0.5%なら、1年待つだけで手元に残る差が約14万円減る例もあります(下の試算)。
転職直後の審査で見られるのは勤続年数よりも収入が続くかどうか
金融機関が確かめたいのは、25年や35年といった長い期間、返済に必要な収入が続くかどうかです。同じ勤務先に長く勤める人は収入が途切れにくいと見られるため、勤続年数は今も審査項目の1つです。
とはいえ、勤続年数だけで結果が決まるわけではありません。年収、勤務先の規模、職種、転職前の仕事とのつながりを合わせて判断されます。同業で年収が上がった転職と、未経験の業界へ移って年収が下がった転職では、同じ勤続1年未満でも評価は変わります。
転職から1年たっていないと、新しい勤務先の源泉徴収票がまだありません。この場合、直近の給与明細や採用通知書などから見込み年収を出して審査する金融機関が多く、見込み額が前年より低ければ借りられる上限も下がります。
雇用形態が変わる転職は申込条件から外れることがある
正社員から契約社員へ、会社員から自営業へ移ると、申込条件そのものに当てはまらなくなることがあります。反対に、契約社員から正社員になる転職なら、審査で不利になることはあまりありません。
自営業になった場合は、2年分以上の確定申告で所得を示すよう求める金融機関が多くあります。独立して1年目の借入や借り換えは、条件を満たすまで待つことになります。契約社員の審査については派遣社員・契約社員の住宅ローン審査の記事で紹介しています。
住宅金融支援機構のフラット35は、申込条件に勤続年数や雇用形態の定めがありません。収入の基準は総返済負担率で、年収400万円未満なら30%以下、400万円以上なら35%以下です(フラット35の申込条件)。
働き方が変わって民間の銀行で通りにくいときは、フラット35が候補になります。店舗で相談しながら進めたい場合はSBIアルヒのフラット35も選べます。
主な金融機関の勤続年数と年収の条件
主要な金融機関が公表している勤続年数と年収の条件は、次の表のとおりです。
| 金融機関 | 年収 | 勤続年数 | 職業 | 借り換え可能額(担保評価額) | 詳細・申込み |
|---|---|---|---|---|---|
| 三菱UFJ銀行 | 基準なし | 規定なし(会社経営者・自営業は3年以上) | 自営業や契約社員・会社経営者でも可 | - | 詳細を見る |
| みずほ銀行 | 基準なし | 規定なし(会社経営者・自営業は2年以上) | 自営業や契約社員・会社経営者でも可 | - | 詳細を見る |
![]() (フラット35) | 100万円程度でも可 | 規定なし(転職直後でも可) | 自営業・個人事業主・契約社員・派遣社員・会社経営者・会社役員・パート・アルバイトも可 | 200% | 詳細を見る |
![]() (フラット35) | 詳細を見る |
||||
![]() (金利選択型) | 400万円以上 | 規定なし(転職直後でも可) | 自営業や契約社員・会社経営者でも可 | - | 詳細を見る |
![]() | 100万円以上 | 半年(会社経営者・自営業は3年以上) | 自営業や契約社員・派遣社員・会社経営者でも可 | - | 詳細を見る |
![]() | 200万円以上 | 1年 | 正社員・契約社員のみ | - | 詳細を見る |
![]() | 基準なし | 規定なし(会社経営者・自営業は3年以上) | 自営業や契約社員・派遣社員・会社経営者でも可 | 200% | 詳細を見る |
![]() | 300万円以上 | 転職していても連続して2年以上働いていればOK | 自営業や契約社員・会社経営者でも可 | 100% | 詳細を見る |
![]() | 400万円以上 | 規定なし(会社経営者・自営業は3年以上) | 正社員(自営業も可) | - | 詳細を見る |
会社員への転職であれば、勤続年数で一律に申込を断る金融機関は多くありません。大手銀行の多くは、勤続年数が短い人に職歴書や給与明細などの追加書類を求めます。
勤続年数を条件にしない銀行と職歴書を求める銀行
SBI新生銀行は会社員の条件を年収と雇用形態で定めている
SBI新生銀行の住宅ローンの商品説明書(2026年3月2日現在)は、会社員の条件を前年度税込年収300万円以上の正社員または契約社員としています。勤続年数の条件は書かれておらず、年齢は申込時20歳以上65歳以下・完済時80歳未満です。
SBI新生銀行は原則として事前審査(仮審査)がなく、本審査で必要書類を一式出します。事務手数料は借入額の2.20%(税込)で、3,000万円なら66万円です。
相談の窓口にも違いがあります。SBI新生銀行は銀行の店頭では住宅ローンの相談会を行っておらず、相談は電話か銀行代理業者の店舗・オンラインになります(2026年10月時点)。
auじぶん銀行は転職後1年未満なら職歴書を出す
auじぶん銀行は、転職したばかりの人からの申込も受け付けています。転職(転籍を含む)や会社役員の就任から1年未満の人は、本審査で職歴書を提出します(公式FAQ・2026年10月時点)。
職歴書には、学校卒業後のすべての職歴と転職理由を書きます。同業でのキャリアアップや資格を生かした転職なら、その経緯と今後の見通しを短く書けるよう、本審査の前に準備しておいてください。
返済中なら借り換えは転職前に申し込む
借り換えも新規借入と同じ審査を受けます。転職直後は見込み年収での審査や職歴書の提出が加わり、選べる借り換え先も減ります。借り換えで得をする条件が整っているなら、収入の実績がそろっている転職前に申し込むほうが、審査を進めやすくなります。
借り換えを1年先送りした場合の試算
仮に、残高3,000万円・残り25年の住宅ローンを年1.5%から年1.0%へ借り換えるとします。毎月の返済額は119,981円から113,062円になり、月6,919円、年で約8.3万円軽くなります。
同じ借り換えを転職後に落ち着いてから、1年遅れで行った場合と比べたのが下の表です。どちらも金利は変わらない前提で、事務手数料は借入額の2.20%(税込)としています。
| 項目 | 今すぐ借り換え | 1年後に借り換え |
|---|---|---|
| 借り換える残高 | 3,000万円(残り25年) | 約2,900万円(残り24年) |
| 借り換え後の毎月の返済額 | 113,062円 | 113,316円 |
| 毎月の返済額の差 | 6,919円 | 6,665円 |
| 総返済額の差 | 約208万円 | 約192万円 |
| 事務手数料 | 66万円 | 約64万円 |
| 差し引きの効果 | 約142万円 | 約128万円 |
※元利均等返済・ボーナス返済なしで試算。金利は仮の値で、登記費用・印紙税・保証料などは含めていません。
先送りした1年で、差し引きの効果は約14万円小さくなります。金利差が年0.3%しかないなら効果全体が小さくなるため、転職の予定と合わせて、損益分岐を先に計算しておいてください。
転職した後に借り換える場合
すでに転職した後なら、勤続年数を申込条件にしていない銀行や、職歴書で経歴を確認する銀行を借り換え先の候補にします。勤続1年を過ぎて転職先の源泉徴収票が出てから申し込めば、見込みではなく実績の年収で審査されます。
転職先や年収の条件が決まっていない段階で借り換えの審査を受けるのは避けてください。審査の途中で勤務先が変わると申込内容と事実が合わなくなり、結果に影響することがあります。借り換えの融資が実行されるまでは、転職を待つほうが安全です。
転職が40代以降なら、完済時の年齢と残りの返済期間も、借り換えで考えておく必要があります。年齢と返済期間の関係は40代の住宅ローンと借り換えの記事で解説しています。
返済中に転職しても返済の条件は変わらない
返済中に転職しても、それを理由に一括返済を求められたり、借入金利が変わったりすることは通常ありません。今の住宅ローンは、転職後もそれまでどおり返済を続けられます。
多くの住宅ローン契約は、勤務先などの届出事項が変わったときに届け出るよう定めています。転職したら、借入先の会員ページや窓口で勤務先の変更手続きを済ませてください。この届出で審査がやり直されることはありません。
審査の条件と金利は、申し込む時期によって変わります。借り換えの試算は、各金融機関の最新の条件で行ってください。
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