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派遣社員・契約社員の住宅ローン審査|通し方と借り換えのコツ

派遣社員・契約社員が住宅ローンの審査書類を確認するイメージ

このコラムでは、派遣社員・契約社員として働く人たちの住宅ローンの審査について解説しています。新規借入はもちろん、すでに返済中の方が借り換えを検討するときの判断材料としても使える内容です。

派遣社員・契約社員などの非正規雇用者の割合は?

総務省統計局の労働力調査(2026年7月分・基本集計)によると、役員を除く雇用者5,879万人のうち非正規の職員・従業員は2,143万人で、その割合は36.5%。働く人のおよそ3人に1人以上が非正規雇用という状況です。

 

パート・アルバイト・契約社員・派遣社員・嘱託などの非正規雇用の内訳を示す棒グラフ
非正規の職員・従業員2,143万人のうち、契約社員は271万人、派遣社員は160万人です。

 

内訳をみると、労働者派遣事業所の派遣社員は160万人(前年同月比+7万人・+4.6%)、契約社員は271万人です。派遣社員は前年より増えており、住宅ローンの申込者としても決して珍しい存在ではありません。

また同調査(詳細集計)では、非正規の職員・従業員についた主な理由として最も多いのが「自分の都合のよい時間に働きたいから」で、「正規の職員・従業員の仕事がないから」を上回っています。「自らの意思で」非正規雇用を選んでいる人が一定数いることがうかがえます。

出典:総務省統計局「労働力調査(基本集計)2026年(令和8年)7月分」

 

派遣社員・契約社員は住宅ローン審査に落ちやすい?

まず、公務員・会社員(正社員)と比べると、派遣社員・契約社員は住宅ローンの審査に通りにくい傾向がある点は理解しておきましょう。終身雇用が当たり前ではなくなり「正規雇用」でもリストラの可能性はある時代ですが、それでも派遣社員・契約社員は収入が相対的に不安定と判断されやすいためです。メガバンク・地銀・信託銀行・信金などでは、審査に通っても優遇幅が小さく、やや高い金利でしか借りられない可能性もあると言われています。

ただし、派遣社員・契約社員でも住宅ローンを利用することは可能ですし、適切な住宅ローンを選べば、公務員や正社員と変わらない好条件の低金利住宅ローンを利用できるチャンスは十分にあるということは忘れないようにしましょう。

 

なぜ派遣社員・契約社員は審査に通りにくいといわれるのか?

理由はシンプルです。全体の傾向として、派遣社員・契約社員は「職場が変わりやすく収入が安定しにくい」「企業の業績悪化時に雇用調整の対象になりやすい」といった面があるためです。住宅ローンは何十年も返済が続く金融商品で、金融機関は長期にわたって貸したお金を回収する必要があります。

そのため、「安定した仕事」と「安定した収入」が何よりも重視されます。さまざまな雇用形態の人に住宅ローンを貸してきた金融機関は、統計的な傾向として、安定した収入を継続的に得て確実に返済を続けられる可能性を慎重に見る、というわけです。

 

「派遣社員」と「契約社員」は同じ扱いではない

見落とされがちですが、同じ非正規雇用でも「派遣社員」と「契約社員」で申込可否が分かれる商品があります。勤務先と直接の雇用契約があるかどうかが、扱いの違いにつながっているためです。実際の例をみてみましょう。

 

商品(例)派遣社員契約社員
【フラット35】(住宅金融支援機構)ご利用条件に雇用形態の定めはない(判定は総返済負担率が基準)
SBI新生銀行 住宅ローン主債務者として申込不可前年度税込年収300万円以上などの条件を満たせば申込可

※2026年8月に各社公式サイトで確認。申込条件は改定されることがあるため、申込前に必ず公式サイトでご確認ください。

 

つまり「非正規だから借りられない」ではなく、自分の雇用形態で申し込める商品を正しく選び分けることが最初の一歩になります。

 

派遣社員・契約社員の住宅ローン審査対策

頭金・自己資金の準備(できればマイホーム価格の10%以上)

まず、返済不能に陥る可能性が低いと思ってもらうことが大切です。そのためには、お金の管理がしっかりできることを金融機関に示す必要があります。公務員や大手企業の会社員であればフルローンも比較的通りやすいのですが、派遣社員・契約社員の人は「頭金は最低でも10%以上準備しないと審査は厳しめ」と考えておきましょう。できれば20%が望ましいですね(もちろん借入金額にもよります)。それ以上用意できている人は、自信をもって審査に申し込みましょう。

なお【フラット35】では、融資率(借入額÷住宅の建設費・購入価額)が9割を超えると適用金利が高くなり、返済の確実性等をより慎重に審査すると明記されています。頭金を1割用意できるかどうかは、審査面でも金利面でも意味のある分かれ目です。

返済負担率は20%を目途に

次に、年収に対する年間返済額の割合である返済負担率も考慮しておきましょう。年収300万円なら年間返済額60万円以内(毎月5万円程度)、年収400万円なら年間80万円以内(毎月約6万6,000円)が20%の目安です。

制度上の上限はもっと高く、【フラット35】の基準は年収400万円未満で30%以下、400万円以上で35%以下ですが、これはあくまで上限。住宅金融支援機構が実際の利用者に行った調査(2026年1月調査)でも、返済負担率は「15%超~20%以内」が26.2%で最も多く、多くの人は上限よりかなり手前で借りています

そのためには自動車ローン・カードローン・分割払いを完済し、住宅ローン以外の返済がない状態にすることが重要です。ご自身の年収に対していくらの借入が妥当かは、「住宅ローンは年収の何倍まで?無理のない住宅ローンとは?」の記事も参考にしてください。

「他の借入れ」はカードのリボ・分割まで数えられる

返済負担率の計算に含まれるのは住宅ローンだけではありません。【フラット35】のご利用条件では、自動車ローン・教育ローン・カードローンに加え、クレジットカードのキャッシング、商品の分割払いやリボ払いによる購入まで「すべての借入れ」に含めると明記されています。

スマートフォンの端末代金の分割払いも該当することがあります。申込前に、使っていないカードのリボ残高や分割残高を整理しておくだけで、借入可能額が変わることは珍しくありません。

派遣社員・契約社員に向いている住宅ローンを選ぶ

冒頭で「契約社員・派遣社員でも住宅ローンは利用可能で、しっかり選べば低金利で借りられるチャンスは十分にある」と説明しました。そのためには、低金利で、かつ利用条件が合致する住宅ローンを選ぶことが必要です。何社かの審査に落ちたとしても、金利の低い住宅ローンを諦めないことが重要です。

また、「審査結果によって適用金利を変える」タイプの住宅ローンは、派遣社員・契約社員の人にはあまりおすすめしません。優遇幅が小さくなり「高い金利」を提示される可能性があるためです(具体的にはメガバンクや一部の地方銀行・信託銀行・信金などの住宅ローン)。

派遣社員・契約社員におすすめの住宅ローン

SBIアルヒ(旧ARUHI)のフラット35・スーパーフラット

楽天銀行などと同様にSBIアルヒ(旧ARUHI)が扱うフラット35。フラット35は、幅広い国民がマイホームを持てるよう国の制度(住宅金融支援機構)として提供されている全期間固定金利の住宅ローンで、派遣社員・契約社員だからと不当に厳しい審査が行われることはありません。ご利用条件に定められているのは申込時の年齢(満70歳未満)・国籍・総返済負担率などで、雇用形態の要件はありません(2026年4月1日現在)。保証人も不要で、保証料・繰上返済手数料もかかりません。

SBIアルヒは【フラット35】の実行件数シェアが16年連続で第1位(2025年度・シェア27.7%)の国内最大手で、全国約90拠点(2026年3月末現在)の店舗で専門スタッフが対面相談に対応しています。
※2010年度-2025年度統計、取り扱い全金融機関のうち借り換えを含む【フラット35】実行件数(2026年3月末現在、SBIアルヒ調べ)
住宅ローン審査に必要な書類のとりまとめも手伝ってもらえるなどのメリットがあります。

なお、SBIアルヒの融資事務手数料は借入金額の2.20%(税込・最低22万円)で、Web申込かつ電子契約を利用する場合に1債権あたり33,000円(税込)の割引が設けられています(2026年3月2日~2027年3月31日の取扱)。かつて案内されていた「ネット申込で事務手数料が半額(1.10%)」という割引はすでに終了しているため、古い情報のまま比較しないよう注意してください。対面相談には、書類の準備や手続きがスムーズに進みやすいというメリットがあります。※最新の手数料・取扱条件は必ず公式サイトでご確認ください。

 

参考までに、2026年8月の【フラット35】の適用金利(新機構団信付き・借入期間21年以上35年以下・最も多い金利)は、融資率9割以下で年3.290%、9割超で年3.400%です。借入期間20年以下の【フラット20】は9割以下で年2.970%。健康上の理由などで団体信用生命保険に加入しない場合は、掲載金利から0.20%引き下げられます。※金利は毎月1日ごろに改定されます(2026年8月時点・住宅金融支援機構の公式金利情報にて確認)。

SBIアルヒのフラット35の詳細はこちら

 

SBI新生銀行の住宅ローン

SBI新生銀行の住宅ローンは、派遣社員の方は主債務者として申し込みできませんが、契約社員であれば前年度の税込年収300万円以上などの条件を満たせば申し込みが可能です(自営業の方は業歴2年以上かつ2年平均所得300万円以上)。また、SBI新生銀行は借入・借り換え時の諸費用が分かりやすく抑えやすいのが特徴で、保証料0円・一部繰上返済手数料0円(1円から・いつでも何度でも)など、その分を頭金・自己資金に回しやすいのは魅力です。事務取扱手数料は借入金額の2.20%(税込)の定率型で、団信は一般団信(上乗せ0円)のほか、ガン団信、全疾病保障付団信(2026年3月開始・上乗せ0円)などから選べます。さらに、SBI新生銀行は原則として事前審査(仮審査)を行わず本審査のみで完結します。SBI新生銀行の住宅ローンの審査の特徴は、契約社員の人にも向いていると考えられます。

SBI新生銀行の住宅ローンの詳細はこちら

 

すでに返済中の派遣社員・契約社員が借り換えを考えるときは

返済中の方にとっては、「借り換えで総返済額を減らせるか」が最大の関心事でしょう。借り換えの審査は新規借入と同じように行われるため、雇用形態の条件が合う商品を選ぶ点は新規と変わりません。そのうえで、借り換え特有のポイントを押さえておきましょう。

 

【フラット35】の借換融資には、次のような条件があります(2026年8月時点・公式のご利用条件より)。

  • 住宅取得時に借りた住宅ローンの借入日から1年以上経過し、かつ申込日前日までの1年間、正常に返済していること
  • 総返済負担率の基準は新規と同じ(年収400万円未満30%以下/400万円以上35%以下)
  • 借入額は「借換対象の住宅ローン残高」または「機構による担保評価額の200%」のいずれか低い額まで
  • 借入期間の上限は「80歳-申込時年齢」「40年-経過期間」「35年」のうち最も短い年数
  • 借換融資には融資率9割以下の金利が適用される

 

見落とされがちですが、【フラット35】の借換融資では、借入額に諸費用を含めることができます。対象は融資手数料、抵当権の設定・抹消のための登録免許税と司法書士報酬、印紙代、物件検査手数料、借換前ローンの繰上返済手数料と経過利息、火災保険料・地震保険料など。手元資金が乏しくても借り換えに踏み切りやすい仕組みです(その分は借入額に上乗せされるため、総返済額への影響は必ず試算で確認してください)。

 

損得の判断は、「金利差で減る利息 - 借り換え諸費用」がプラスになるかという損益分岐で考えます。残高が大きく残期間が長いほど効果は出やすく、逆に残高が少なく残期間が短いと諸費用を回収できないことがあります。まずは返済予定表や金融機関のマイページで、いまの適用金利・残高・残期間の3つを確認するところから始めましょう。

 

まとめ

派遣社員・契約社員の方は、銀行から収入が不安定と見られがちです。一方で、終身雇用を前提とした時代は終わり、正社員でも雇用調整の可能性はある時代です。働き方も多様化し、「好きで派遣・契約という雇用形態を選んでいる」人も増えています。

派遣社員・契約社員だと住宅ローンをまったく利用できない時代は終わりました。もちろん審査が厳しい面はありますが、フラット35のように雇用形態による条件が緩やかな住宅ローンをしっかり選ぶことで、優れた住宅ローンを利用してマイホーム生活を送ることができます。すでに返済中の方も、より条件の良い住宅ローンへの借り換えで総返済額を減らせる可能性があります。派遣・契約だからと、借り入れ・借り換えを最初からあきらめないようにしましょう。

 

よくある質問(派遣社員・契約社員の住宅ローン)

Q. 派遣社員でも住宅ローンは借りられますか?
A. 銀行によっては主債務者として申し込めない場合があります(例:SBI新生銀行は正社員・契約社員が条件)。一方、【フラット35】はご利用条件に雇用形態の定めがなく、派遣社員でも利用しやすい住宅ローンです。配偶者などとの収入合算が使える場合もあります。

 

Q. 勤続年数が短いと申し込めませんか?
A. 勤続年数の扱いは金融機関ごとに異なります。【フラット35】のご利用条件には勤続年数の定めがなく(2026年4月1日現在)、年収は原則として申込年の前年の公的な収入証明にもとづいて判断されます。銀行の住宅ローンでは勤続年数を条件や審査項目に置くところもあるため、申込前に各金融機関の公式サイトでご確認ください。

 

Q. 契約社員は住宅ローンの借り換えもできますか?
A. できます。借り換えの審査は新規借入と同様に行われるため、雇用形態の条件が合う商品を選ぶことが前提です。得をするかどうかは、現在の金利との差・ローン残高・残りの返済期間・借り換え諸費用のバランスで決まります。

 

Q. 借り換えの諸費用が用意できないのですが、どうすればよいですか?
A. 【フラット35】の借換融資では、融資手数料・登録免許税・司法書士報酬・印紙代・繰上返済手数料などの諸費用を借入額に含めることができます。ただし借入額が増える分だけ利息も増えるため、諸費用を組み入れた場合と自己資金で払った場合の総返済額を、必ず両方試算して比べてください。

 

Q. 健康上の理由で団体信用生命保険に加入できません。それでも借りられますか?
A. 【フラット35】は、健康上の理由その他の事情で団体信用生命保険に加入しない場合でも利用できます(新規・借換融資とも)。その場合の借入金利は、団信ありの掲載金利から0.20%引き下げられます。保障がなくなる点をふまえ、民間の生命保険などで代替できるかもあわせて検討しましょう。

 

※本記事の金利・条件は2026年8月時点で各金融機関・住宅金融支援機構の公式サイトを確認した内容です。最新の取り扱い状況は必ず各金融機関の公式サイトをご確認ください。

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