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年収600万円・650万円の住宅ローン借入限度額は?住宅ローン控除も解説

年収から住宅ローンの借入額を考える家族のイメージ

この記事では、年収600万円〜650万円ぐらいの人のための住宅ローンの借入限度額と、無理なく返せる適正額について解説します。

年収600万円は、東京都など都市部で働く正社員のおおよそ平均的な年収水準です。平均的な水準のため、都市部では必ずしも余裕のある生活ができる所得とは言いにくいかもしれません。一方で、地方では年収600万円を超えていればかなり高い収入といえます。

 

ここ十数年は都市部を中心に不動産価格が上昇し、2026年時点でも都心の住宅価格は高止まりが続いています。さらに2024年以降は日銀の利上げで金利が上がる局面に入っており、「いくらまで借りられるか」だけでなく「いくらなら無理なく返せるか」を見極めることが、これまで以上に大切になっています。

 

 

年収600万円の住宅ローン借入限度額はいくら?

金融機関から借りられる限度額を確認

まずは毎月の返済という観点はいったん置いて、純粋に金融機関から「いくら借りられるのか」という借入限度額を確認しておきましょう。

年収 借入限度額 月々の返済額
600万円 5,656万円 147,497円
650万円 6,127万円 159,780円
690万円 6,504万円 169,611円

上記は住宅ローンシミュレーションツールでの試算例です。金融機関の審査金利や前提条件で変わるため、より細かく知りたい人は各金融機関が用意しているシミュレーションで算出してください。

 

この試算では、年収の9倍程度の借入限度額が出てきました。ただし、これはあくまで「借りられる上限」です。金利が上昇すると、同じ返済額でも借りられる額は小さくなる点にも注意してください。

 

「お金を借りられる」と「借りたお金を返せる」はまったく別の話です。次に、これだけの住宅ローンを組んで実際に返済していけるのか、という視点でチェックしていきましょう。

 

年収600万円の手取り年収はどのくらい?

毎月の返済を滞りなく続けられるかを確認するために、まずは手取り収入を把握しておきましょう。ここでは、配偶者+高校生の子ども1人がいる家族構成を前提に算出しました。

 

年収 税金(所得税/住民税) 社会保険料 手取
600万円 37万円 85万円 478万円
650万円 44万円 92万円 514万円
690万円 50万円 98万円 542万円

 

このように、額面の80%程度が手取り年収になります。年収600万円の方の手取りは約478万円、月にすると約40万円というわけです。

 

もし上限いっぱいの5,656万円を借りた場合、35年返済でも月々の返済は約15万円になり、手取りの40%近くが住宅ローンの返済で消えていく計算です。「それぐらいなら何とかなる」と思う人もいるかもしれませんが、マンションなら管理費・修繕積立金、戸建てなら修繕費がかかり、いずれも固定資産税の負担もあります。

 

これらを含めると住宅関連の支出は手取りの40%を軽く超えてしまい、毎月の家計はかなり厳しくなります。金利が上がる局面では将来の返済額が増える可能性もあるため、上限まで借りるのは避けるのが賢明です。

 

平均的な住宅ローン借入額はどのくらい?(返済負担率から考える)

次に、年収600万円〜650万円ぐらいの人の平均的な借入額を、返済負担率の観点から確認していきましょう。

 

フラット35を運営する住宅金融支援機構の「民間住宅ローンの実態に関する調査」では、返済負担率が毎回調査されています。その結果によると、全体の約6割の人が返済負担率を20%以内、約85%の人が25%以内に収めています。

 

返済負担率とは、年収に占める年間ローン返済額の割合です。年収600万円なら年間120万円(返済負担率20%)の返済とするのが平均的、ということになります。

 

返済負担率20%を前提に、年収600万円・650万円・690万円の借入可能額を試算すると、おおむね次のようになります(金利前提によって変わる試算例です)。

年収 変動金利での借入限度額 固定金利での借入限度額
600万円 約3,232万円 約3,444万円
650万円 約3,700万円 約3,550万円
690万円 約4,000万円 約3,800万円

借入額の上限は、選ぶ金利タイプ(変動か固定か)によっても差が出ます。これらは一定の金利前提での試算例で、金利水準が上がれば同じ返済負担率20%でも借入限度額は下がります。最新の数値は各行のシミュレーションで確認してください。なお住宅金融支援機構の調査では、近年は変動金利を選ぶ人が多数派となっていますが、2024年以降は金利上昇局面に入ったため、変動か固定かの選択は「今後の金利上昇にどこまで備えるか」という視点でより慎重に検討する必要があります。

 

借入額の判定/2,000万円・3,000万円・4,500万円・5,000万円、適正はいくら?

年収600万円台の方が借りる場合の、おおよその目安です(家族構成や他の支出により変わります)。

借り入れ額 判定 判定コメント
2,000万円 問題なく返済していけると思われます
2,500万円 問題なく返済していけると思われます
3,000万円 問題なく返済していけると思われます
3,500万円 養育費など住宅以外の支出を管理していけば問題ないと思われます
4,000万円 年収600万円台後半であれば可能
4,500万円 × 住宅ローン破綻予備軍の恐れアリ
5,000万円 × 住宅ローン破綻予備軍の恐れアリ

 

年収600万円の住宅ローン控除・減税(2025年以降の現行ルール)

最後に、年収600万円の方が住宅ローンを組んだ場合の住宅ローン控除(住宅ローン減税)について確認します。2022年の税制改正で制度が大きく変わっているので、最新のルールで見ていきましょう。

 

住宅ローン控除は、納めた所得税(控除しきれない分は翌年の住民税)から税額が差し引かれる「税額控除」です。所得税は累進課税で年収が上がるほど税率が上がるため、年収600万円あれば一定の還付が期待できます。現行制度のポイントは次のとおりです。

  • 控除率は年末ローン残高の0.7%(改正前の1.0%から引き下げ)
  • 控除期間は新築・買取再販で最長13年(中古は原則10年)
  • 借入限度額は住宅の省エネ性能と世帯で変わる(2025年入居の新築:認定長期優良・低炭素住宅4,500万円/ZEH水準省エネ住宅3,500万円/省エネ基準適合住宅3,000万円。19歳未満の子がいる子育て世帯や、夫婦どちらかが40歳未満の若者夫婦世帯はそれぞれ上乗せ(順に5,000万円/4,500万円/4,000万円)
  • 省エネ基準を満たさない新築は、原則として控除の対象外(2024年以降)
  • 所得税から引ききれない分は翌年の住民税から控除(住民税からの控除上限は課税所得の5%・年9万7,500円。改正前の7%・13万6,500円から縮小)

 

なお、住宅ローン減税は令和8年度税制改正で適用期限が令和12年(2030年)末まで延長され、中古住宅や子育て世帯への支援が拡充される方向です。最新の適用要件は国税庁・国土交通省の公式情報でご確認ください。

 

年収600万円・子育て世帯の控除例

記事の前提(配偶者+高校生の子ども1人)であれば、高校生は19歳未満なので「子育て世帯」に該当し、借入限度額が上乗せされます。たとえば省エネ基準適合住宅(子育て世帯の限度額4,000万円)を取得し、3,500万円を借り入れた場合、年間の控除枠は「3,500万円×0.7%=24万5,000円」です。

 

ただし住宅ローン控除は、実際に納めた税金を超えて戻ってくることはありません。年収600万円・扶養ありのケースでは、所得税(おおむね十数万円)+住民税からの控除上限(年9万7,500円)が実質的な上限となるため、控除枠の24万5,000円をすべて使い切れないこともあります。とはいえ、毎年20万円前後が戻ってくるのであれば、家計への効果は大きいといえるでしょう。

 

借り換えを検討している年収600万円台の方へ(FAQ)

Q. 借り換えでも住宅ローン控除は使えますか?
A. 一定の要件を満たせば、借り換え後の残高に対して住宅ローン控除を引き続き受けられます(控除期間は当初の入居年から通算)。借り換えで返済額が下がっても控除が即座に減るとは限らないため、損得は「金利差による削減額」と「諸費用」で判断するのが基本です。

Q. 年収600万円台で借り換えると、どれくらい得になりますか?
A. 残債が多く・残り返済期間が長く・金利差が大きいほどメリットが出ます。金利が上がる局面では、変動から固定への借り換えで「将来の返済額を確定させる」という考え方もあります。残債・残期間・金利差を入れて必ず試算してから判断しましょう。

Q. 借入限度額いっぱいまで借りても大丈夫ですか?
A. おすすめしません。借入限度額は「借りられる上限」であって「無理なく返せる額」ではありません。返済負担率は手取りベースで20〜25%以内を目安に、固定資産税や修繕費まで含めて家計を組み立てましょう。

 

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