【ダブルフラット】フラット20・フラット35併用で計画的な返済を

この特集ページでは、1つの家を買うときに2つのフラット35を組み合わせることで計画的な返済を行う「ダブルフラット」について解説します。
1つの家を買うとき、一般的に住宅ローンは1つ契約することになります。
これを将来の支出増加や収入減少に備えて2つの契約にわける方法がミックスローンという方法で、フラット35どうしを組み合わせる方法がダブルフラットです。
例えば、「定年前までにできるだけ住宅ローンの返済を進めておきたい」「子どもの教育費が増える前に住宅ローンの返済を進めておきたい」と考える人におすすめの方法です。
それでは、2つの契約にわけることで返済を計画的に前倒しする方法と効果について具体的に考えてみましょう。
ダブルフラットの効果とは?
例えば、住宅ローン契約時の年齢が45歳だったとします。
このとき、20年の住宅ローンと35年の住宅ローンの2つに契約を分けると、20年の住宅ローンは65歳で完済し、35年の住宅ローンは80歳で完済することになります。
つまり、65歳で1つの返済(20年の住宅ローンの返済)が終わります。もう半分の返済は残りますが、1つの返済が終わることで毎月の返済がぐっと楽になります。
定年や再就職によって収入が大きく減る可能性がありますので、そうなっても生活に苦しむことのないように、住宅ローンの返済を前倒ししていくイメージです。住宅ローンの返済を早める方法は「繰上返済」が王道ですが、このように最初から計画を立ててしまうことで、確実に返済を続けていけるようになります。
もちろん、もっとお金に余裕があれば、全額を20年返済の住宅ローンにしてしまえば良いでしょう。
資金的に余裕がなければ、35年返済1本の契約にして、余力に応じて繰上返済していく方法もあります。必ずしも2本の住宅ローンでなければならないわけではありませんが、1つの計画的な方法として選択されることがあります。
ダブルフラットとは?

期間の違う住宅ローンを組み合わせることで返済に強弱をつける方法は、一般的にミックスローンと呼ばれています。ダブルフラットとは、借入期間の異なるフラット35を2つ組み合わせて借り入れる方法のことです。住宅金融支援機構の公式サイトでは、「フラット20+フラット35」「フラット35+フラット35」「フラット20+フラット20」の3つの組み合わせが案内されています(フラット20とは、フラット35のうち借入期間15年以上20年以下を選択した場合の呼び名です)。
フラット20の金利(取扱金融機関が提供する最も多い最頻金利)は、借入期間21年以上35年以下のフラット35より低く設定されています。この金利差を活かすのが、フラット20+フラット35の組み合わせです。
ダブルフラットのメリットとデメリットは以下の通りです。
ダブルフラットのメリット
● 支出が増える・収入が減るタイミングに備えて毎月の住宅ローン返済額を調整しておける
● 住宅ローンの一部を借入期間の短い(≒金利の低い)契約にできるので総返済額を減らせる
ダブルフラットのデメリット
● 2つの契約の返済が続いている間は毎月の返済負担が比較的大きい
● 2つの住宅ローン契約になるので、印紙税や抵当権設定などの諸費用が1本の場合より多くかかる
● 取り扱っていない金融機関もあるため、事前に取扱の有無を確認する必要がある
● 20年以下の借入期間を選択した場合、原則として返済の途中で借入期間を21年以上に変更できない
ダブルフラットシミュレーション例(2026年7月金利で試算)
<前提>
住宅ローン契約額(合計):3,000万円
うち、フラット20(15年返済):1,000万円
うち、フラット35(35年返済):2,000万円
※2026年7月のフラット20の金利2.820%、フラット35の金利3.140%(いずれも融資率9割以下・新機構団信付き・最頻金利)で試算。元利均等返済・ボーナス払いなし。金利は毎月見直されるため、最新の金利は住宅金融支援機構の公式サイトでご確認ください。
<毎月の返済額>
フラット20:68,195円
フラット35:78,541円
⇒ 借り入れから15年間は146,736円
⇒ 16年目~35年目は78,541円
<総返済額>
約4,526万円(概算)
借り入れから15年間は毎月約14.7万円を返済していくことになりますが、その後は約7.9万円の返済で済むことになります。毎月の返済が約6.8万円も減れば、収入が減ったり支出が増えたりしてもかなり耐えやすくなるでしょう。
ちなみに、同じ3,000万円を全額フラット35(35年返済・金利3.140%)で借りた場合の総返済額は約4,948万円(毎月117,811円)です。上記のダブルフラット例との差は約420万円ですが、これは「1,000万円分の返済期間を15年に短縮する効果」と「フラット20の低い金利の効果」の合算です。当初15年の返済負担は大きくなるため、単純にどちらが得というものではなく、家計の余力と将来のライフイベントに合わせて選ぶことが大切です。
ダブルフラットのポイントは、ある時点を境に毎月の返済額を大きく減らせることですが、もう1つのメリットが、フラット35よりもフラット20のほうが金利が低いという点です。金利が低ければ利息の額も減るので、全額を35年返済のフラット35にするよりも総返済額を抑える効果が得られます。
ダブルフラットのよくある質問
Q. ダブルフラットはどの金融機関でも申し込めますか?
A. いいえ。フラット35を扱っていてもダブルフラットは扱っていない金融機関があります。2つの借り入れは同じ金融機関への申し込みになるため、検討先がダブルフラットに対応しているかを事前に確認しましょう(取扱金融機関は住宅金融支援機構のフラット35サイトで確認できます)。
Q. すでにフラット35を返済中ですが、借り換えでもダブルフラットのような工夫はできますか?
A. フラット35からフラット35への借り換え自体は可能で、その際に残債や残期間に応じて返済期間を短くすれば、フラット20の低い金利が適用される場合があります。借り換え時は金利差だけでなく、事務手数料・登記費用などの諸費用込みで損益分岐を確認するのが鉄則です。詳細な条件は取扱金融機関・住宅金融支援機構の公式サイトでご確認ください。
Q. 2本に分けると団信や諸費用はどうなりますか?
A. 契約が2本になるため、金銭消費貸借契約の印紙税や抵当権設定費用などの諸費用は1本の場合より多くかかります。団信も借り入れごとの取り扱いとなるため、加入内容・保険料の扱いは申込先の金融機関で確認してください。
フラット35を上手に活用して計画的な返済計画を立てられるダブルフラット。将来の収入減や支出増に備えて、前倒しで住宅ローンを返済しておきたい場合の方法として検討してみてはいかがでしょうか。
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