【アンケート結果】2016年のマイナス金利直後に選ばれていた金利タイプは?
フラット35を提供している独立行政法人の住宅金融支援機構が行った「2016年度民間住宅ローン借換の実態調査」の中に、住宅ローンの借り換えを行った人が選んでいる金利タイプに関する調査結果が含まれています。2016年のマイナス金利政策直後に実際に住宅ローンの借り換えを行った人の生の声が確認できる調査結果となっていますので、さっそくその内容を確認してみましょう。
2024年に入ってマイナス金利政策がようやく解除されましたが、当時の住宅ローン利用者の動きを確認できる貴重な情報です。
民間住宅ローン借換の実態調査概要
調査対象者:2016年4月~2017年3月までに借り換えを行った人
調査対象者人数:1,360人
調査方法:インターネットでのアンケート方式
住宅ローンの借り換えを行った人の約60%が固定期間選択型を選択
住宅ローンの借り換えはすでに返済実績があるため「住宅ローンの残高」と「住宅ローンの残りの返済期間」がそれぞれ借入時より少なく(短く)なっています。住宅ローン残高と返済期間が多い(長い)住宅ローンの新規借入時の人と比べると「多少の金利差」の影響が少ないということもあり、新たに住宅ローンを借り入れる人が「金利」を最重視している一方、借り換えを行った人は「金利」と「リスク」をバランスして住宅ローンの金利タイプを選ぶ傾向があります。
今回の調査結果でもその傾向に変わりがなく、「固定期間選択型」を選んだ人が6割にせまり、58.9%%を占める結果になっています。次いで、「変動型の28%」と「全期間固定型の13.1%」が続いています。固定期間選択型とはいわゆる「10年固定金利」などと呼ばれている金利タイプで当初固定金利と言われることもあります。その中でも圧倒的なシェアを誇るのが「10年固定金利」ですので、住宅ローンの借り換えを行った人の約半分が10年固定金利を選んでいるという結果です。
借り換え前の返済期間は5年以内。住宅ローンの借り換えを行った人の6割しか毎月の返済額が減少していない!?
はじめて住宅ローンを借り入れてから借り換えを行うまでの時間は5年以下が最も多い結果になっており、借り換えを決断した人の判断・意思決定の早さが伺えます。また、借り換えを行った年齢は40代が最も多く、借り換えた住宅ローンの金額は「2,000万円超3,000万円以下」のシェアが最も高い結果になっています。面白いのは、借換による毎月返済額が減少したのは全体の63.3%に留まっている点です。
これらの調査結果から以下のように予想できます。
35歳~40歳の間に(おそらく家族ができて・増えて)、マイホーム購入するために住宅ローンを利用。借り入れ金額は、だいたい3000万円~程度。その後、返済を続けていたが、その間に住宅ローンの金利がどんどん低下したので住宅ローンを早めに借り換えなければ損だと思うようになった。住宅ローンの借り換えは早く行った方が良いので、借り入れから5年以内という短い期間で住宅ローンの借り換えを実行に移した。住宅ローンの金利は低下していたので借り換え時に2つの選択肢があった。1つは、毎月の住宅ローンの返済金額を今まで通りにして住宅ローンの返済期間を短くする選択。もう1つは住宅ローンの返済期間はそのままにして毎月の返済額を減らす選択。約6割の人は後者(毎月の返済額を減らして生活資金や子供の教育資金に回す)を選択したが、残りの4割の人は(はやく完済してしまいたいので)毎月の返済額は変えずに返済期間を短くすることを選んだ。
2016年にすぐに住宅ローンの借り換えに動いた人の実行力
今回の調査結果を確認して、改めて住宅ローンの借り換えを実際に行った人の金融知識レベルの高さと適切な判断力に驚きます。
判断の早さもそうですが、当初固定金利を選択しながら残りの返済期間を短くする選択ができている人がこんなにも多いとは予想していませんでした。さすが住宅ローンの経験者ですね。もちろん、家庭・家計の状況により選択肢は変わってくるものですが、非常に冷静で適切な判断をされている人が多いことがわかります。
2024年は当時とは状況が異なりますが、住宅ローン選びに必要な意識に共通点は多くあります。これから住宅ローンの借り換えを検討している人はぜひ今回のこの調査結果をぜひ参考にしていただければと思います。
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