ゆうちょ銀行の住宅ローン審査は甘い?スルガ終了後の選択肢と借り換え

ゆうちょ銀行でのスルガ銀行の住宅ローンの取り扱いは2019年6月28日をもって終了しています。
2026年8月時点で、ゆうちょ銀行ではソニー銀行・SBI新生銀行の住宅ローンの媒介と、「ゆうちょフラット35」の取り扱いを行っています。
「ゆうちょ銀行(スルガ銀行)の住宅ローン審査は甘い?」という検索でこのページにたどり着いた方も多いと思います。結論から言うと、かつてゆうちょ銀行が媒介していたスルガ銀行の住宅ローンは2019年6月に取り扱いが終了しており、現在は申し込めません。ゆうちょ銀行の公式サイトにも「スルガ銀行株式会社の個人ローン契約の媒介手続きは終了しました」と明記されています。
この記事では、当時の審査の特徴を参考情報として整理したうえで、いまゆうちょ銀行の窓口で申し込める3つの住宅ローンと、そこへ借り換えるときの損得の見方を、2026年8月の適用金利と手数料をもとに具体的に解説します。すでに高めの金利で返済中の方にとっては、「審査が甘いローン」を探すよりも借り換えで利息を減らせるかどうかのほうが実利は大きくなります。
そもそもゆうちょ銀行は自社で住宅ローン審査をしていない
大前提として、ゆうちょ銀行は自社で住宅ローンを貸し出しているわけではありません。ゆうちょ銀行は銀行法にもとづく銀行代理業者として、提携先の住宅ローンの申し込みを媒介する立場です(公式サイトにも「ゆうちょ銀行は銀行法第52条の60の2第1項に基づく代理業者です」と記載されています)。
そのためゆうちょ銀行独自の住宅ローン審査基準というものは存在せず、審査を行うのは提供元です。現在はソニー銀行・SBI新生銀行が審査を行い、ゆうちょフラット35は住宅金融支援機構の基準にもとづきます。かつて媒介していたスルガ銀行の住宅ローンも、審査していたのはスルガ銀行でした。「ゆうちょ銀行の審査は甘い/厳しい」という問いは、正確には「どの提供元の商品を選ぶか」の問いだと考えてください。
【参考】当時のスルガ銀行の住宅ローン審査は甘かったのか?
以下は、2019年6月に取り扱いが終了した当時のスルガ銀行の住宅ローンに関する参考情報です(現在は申し込めません)。当時のスルガ銀行の住宅ローンは、一般的な住宅ローンより審査基準が緩い代わりに金利が高いという特徴がありました。「フラット35の審査に落ちた」「他行の住宅ローンに落ちたがスルガ銀行だけは通った」といった声があり、そのぶん適用金利も大幅に高く設定されていたのです。
【参考・2018年3月時点】当時の商品タイプと金利水準
当時は職業・属性ごとに細かく商品が分かれており、変動金利型でも年2%台からと高く、諸費用向けの商品では年9%を超えるものもありました(下記は2018年3月時点・取扱終了済みの参考値です)。
| 商品タイプ(当時) | 金利タイプ | 金利(2018年3月時点・参考) |
|---|---|---|
| 基本プラン | 変動金利型 | 2.475%~2.775% |
| 基本プラン | 固定金利選択型5年 | 3.000%~3.300% |
| 個人事業主応援型/キャリアアップ応援型 | 変動金利型 | 3.575%~5.175% |
| 派遣・契約社員応援型 | 変動金利型 | 3.575%~4.975% |
| アクティブシニア応援型 | 変動金利型 | 2.475%~4.375% |
| 諸費用応援型 | 変動金利型 | 5.100%~9.100% |
※上記は2018年3月時点・取扱終了済みの参考値で、現在は申し込めません。ほかに「働く女性応援型」「ビジネスマン応援型」「資産活用応援型」「親孝行応援型」「特別団信応援型」などのタイプがありました。
ここで押さえておきたいのは、「審査に通りやすい住宅ローンは、その分だけ金利が高い」という関係です。当時のスルガ銀行の商品で借りた方が今も返済を続けている場合、金利差が大きいぶん借り換えの効果も大きくなりやすいため、まずは返済予定表で現在の適用金利を確認してみてください。
いまゆうちょ銀行で申し込める住宅ローン3つ(2026年8月時点)
現在、ゆうちょ銀行の住宅ローン取扱店(ローンサービス部)で相談・申し込みができるのは次の3つです。いずれも当時のスルガ銀行の商品とは異なり、一般的な水準の金利で利用できる主流の住宅ローンです。
| 取り扱い商品 | 2026年8月の適用金利 | 事務手数料・特徴 |
|---|---|---|
| ソニー銀行の住宅ローン(媒介) | 変動セレクト住宅ローン 変動 年1.347% | 変動セレクト・固定セレクトは融資金額の2.20%(税込)、住宅ローンは44,000円(税込)。がん団信50%保障・一般団信は上乗せ0%。返済期間は最長50年 |
| SBI新生銀行の住宅ローン(媒介) | パワースマート住宅ローン<プラス> 変動(半年型)通常 年1.050% (新規借入で融資率90%以内なら優遇 年1.030%) | 事務取扱手数料は融資金額の2.20%(税込)。一般団信・全疾病保障付団信はいずれも上乗せ0%(保険料はSBI新生銀行負担)。ガン団信は+0.100% |
| ゆうちょフラット35 | 返済期間21年以上35年以下 引き下げ期間中 年2.290%/期間終了後 年3.290% (20年以下は年1.970%/年2.970%) | 融資手数料は借入金額×2.20%(税込)。保証料・保証人・繰上返済手数料は不要。全期間固定で借り換えにも利用可能 |
※金利はいずれも2026年8月の適用金利(ゆうちょ銀行公式サイトにて確認)。ゆうちょフラット35は融資率9割以下・新機構団信(一般)付き・金利引き下げ制度の最大引き下げ幅を適用した場合の金利です。実際に適用されるのは申込日ではなく借入日(資金を受け取る日)の金利で、最新の金利は各社公式サイトでご確認ください。
かつてのスルガ銀行の住宅ローンは「審査は通りやすいが金利が高い」商品でしたが、現在の3商品はいずれも一般的な金利水準です。なかでもSBI新生銀行のパワースマート住宅ローン<プラス>は、一般団信に加えて全疾病保障付団信も金利上乗せ0%で付けられる点が分かりやすく、店舗での相談とオンライン手続きの両方に対応しているSBIグループの安心感もあります。諸費用の内訳がシンプルなので、借り換えの損得を計算しやすいのも実務上のメリットです。
借り換えで使うときに先に知っておきたい3つの条件
ここからが本題です。ゆうちょ銀行経由の3商品は借り換えにも使えますが、新規借り入れと借り換えでは条件が変わる部分があります。見落とすと試算が狂うポイントを整理します。
①「優遇金利」は新規借り入れ向けで、借り換えには適用されない
SBI新生銀行のパワースマート住宅ローン<プラス>では、新規のお借り入れで変動金利を選び、借入金額が物件購入価格・建築請負価格の合計額の90%以内である場合に、基準金利から年0.020%が優遇されます。つまり借り換えで使う場合は優遇の対象外で、2026年8月時点では通常金利の年1.050%が基準となります。ネットの記事で見かける低いほうの数字をそのまま自分の試算に使わないよう注意してください。
②借り換えでは返済期間の上限が短くなることがある
同じくSBI新生銀行の商品では、変動金利(半年型)を選んで新規に住宅を購入・建設する場合は5年以上50年以内まで組めますが(借入期間が35年を超える場合は当初借入金利に年0.100%の上乗せ)、それ以外の借り入れ、つまり借り換えなどの場合は5年以上35年以内となります。
ゆうちょフラット35はさらに独特で、借り換えの場合の返済期間は次の3つのうちもっとも短い年数が上限です。
- 1年以上35年以内
- 80歳 - 申込時の年齢(1年未満切り上げ)
- 40年 - 当初住宅ローンの経過年数(1年未満切り上げ)
3つ目が借り換え特有の条件です。たとえば最初の住宅ローンを組んでから12年が経過している場合、借り換え後に組める期間は最長28年という計算になります。「借り換えて期間を延ばし、毎月の返済額を下げる」という発想が使えないケースがあるということです。
③諸費用は「事務手数料2.20%」だけではない
3商品とも事務手数料・融資手数料は借入金額の2.20%(税込)が基本です(ソニー銀行の「住宅ローン」タイプのみ44,000円(税込)の定額型)。借り換えではこれに加えて、抵当権の抹消・設定登記の費用(登録免許税と司法書士報酬)、印紙税、物件検査手数料(フラット35の場合)、火災保険料などがかかります。借入金額2,000万円なら事務手数料だけで44万円(税込)ですから、金利差だけを見て「得になる」と判断しないことが鉄則です。
損益分岐はこう考える|残高2,000万円・残り20年での試算
借り換えの損得は、「金利差で減る利息」と「借り換えにかかる諸費用」を比べるだけです。当編集部で、ゆうちょ銀行経由の実際の金利を使って試算してみます。
前提は、残高2,000万円・残り返済期間20年・元利均等返済・ボーナス返済なし。現在の金利は年1.550%とします(これは住宅ローン比較サービスのモゲチェックが2026年7月時点で公表した、借り換えを検討している人の返済中金利の平均です。7か月連続で上昇し、同社の集計開始以来の最高水準とされています)。借換後は、ゆうちょ銀行経由のSBI新生銀行 変動(半年型)通常金利年1.050%を当てはめます。
| 項目 | 現在(年1.550%) | 借換後(年1.050%) |
|---|---|---|
| 毎月の返済額 | 96,969円 | 92,425円 |
| 残り20年の総返済額 | 23,272,560円 | 22,182,000円 |
| うち利息 | 3,272,560円 | 2,182,000円 |
※当編集部試算(元利均等返済・ボーナス返済なし・毎月返済額は円未満切り捨て・諸費用は含まず)。金利が全期間変わらないと仮定した概算で、実際の金融機関の試算とは数円〜数十円の差が出ることがあります。変動金利は返済途中で金利が変わるため、この総返済額はあくまで前提を置いた目安です。
利息の軽減額は約109万円、毎月の返済額は4,544円下がります。ここから諸費用を差し引きます。事務手数料が44万円(税込)、抵当権の抹消・設定登記や印紙税などをおおよそ25万円と見ると、諸費用は合計で約69万円。差引のメリットはおよそ40万円という計算になります。

この試算から読み取ってほしいのは、金額そのものより「損益分岐の感覚」です。残高2,000万円・残り20年という条件では、諸費用約69万円を回収するのに必要な金利差はおおむね年0.3ポイント台。逆に言えば、残高が少ない・残り期間が短いほど、必要な金利差は大きくなります。「金利差1%以上・残高1,000万円以上・残り期間10年以上」が 借り換えを検討する目安としてよく挙げられるのは、この構造があるからです。
なお借り換え検討者のあいだでは金利タイプの見直しも進んでおり、前述のモゲチェックの調査では変動金利で返済中の人の47.3%が固定金利への切り替えを検討していると報告されています(2026年7月時点・同社利用者を対象とした民間調査)。ただしこれは「検討している」という段階の数字で、固定に移すべきという結論ではありません。全期間固定のゆうちょフラット35(2026年8月・21年以上で引き下げ期間中 年2.290%)に移せば返済額は確定しますが、上の試算のとおり金利水準は変動金利より高く、総返済額は増えます。「返済額を確定させる安心」にいくら払えるかという判断だと考えてください。
ゆうちょ銀行の窓口で借り換えを相談する流れ
ゆうちょ銀行の住宅ローンは、すべての店舗で扱っているわけではありません。相談・申し込みは「住宅ローン取扱店」のローンサービス部が窓口で、公式サイトの取扱店一覧から確認できます。来店予約はインターネットからも可能で、締切はご来店日の2営業日前までです。
相談に行く前に、次の3点を手元にそろえておくと話が早く進みます。
- 返済予定表(現在の適用金利・残高・残りの返済回数がわかる)
- 当初の住宅ローンを組んだ年月(フラット35の「40年-経過年数」の判定に必要)
- 源泉徴収票など収入がわかる書類(返済負担率の目安を確認するため)
なお、SBI新生銀行の住宅ローンをすでに利用している方は、SBI新生銀行への借り換えはできません(商品説明書に明記されています)。また、ゆうちょ銀行が媒介するパワースマート住宅ローン<プラス>はゆうちょ銀行経由での申し込みが必要な専用商品で、SBI新生銀行に直接申し込む商品とは金利や条件が異なります。どちらの経路が有利かは、金利・手数料・団信をそろえて比べてください。
よくある質問(FAQ)
Q. 今もゆうちょ銀行でスルガ銀行の住宅ローンは申し込めますか?
A. いいえ。ゆうちょ銀行でのスルガ銀行の住宅ローンの取り扱いは2019年6月28日に終了しています。現在はソニー銀行・SBI新生銀行の住宅ローンの媒介と、ゆうちょフラット35を取り扱っています。なお、すでにスルガ銀行で契約している住宅ローンについての問い合わせ先は、スルガ銀行 個人専用支店(0120-745-600/平日9:00〜17:00)とゆうちょ銀行公式サイトに案内されています。
Q. ゆうちょ銀行の窓口で、ネット銀行の住宅ローンを対面で相談できますか?
A. はい。ゆうちょ銀行はソニー銀行・SBI新生銀行を所属銀行とする銀行代理業者として、対面での相談・申し込みの媒介を行っています。ネットでの手続きに不安がある方が、対面で説明を受けながらネット銀行系の商品を選べるのがこの仕組みの利点です。取扱店・適用金利はゆうちょ銀行および各提供元の公式サイトでご確認ください。
Q. 借り換えでも、ゆうちょ銀行で紹介されている低いほうの金利が使えますか?
A. 商品によって異なります。SBI新生銀行のパワースマート住宅ローン<プラス>で案内されている優遇金利(2026年8月時点で年1.030%)は新規のお借り入れで融資率90%以内の場合が対象のため、借り換えでは通常金利(同時点で年1.050%)が基準です。試算するときは、必ず自分に適用される側の金利を使ってください。
Q. 審査に不安がある場合、金利の高いローンを選ぶしかないのでしょうか?
A. まずは返済負担率(年収に占める年間返済額の割合)を確認してみてください。ゆうちょフラット35では、年収400万円未満なら30%以下、400万円以上なら35%以下という基準が公表されています。ここが超えている場合は、借入額を下げる・他の借り入れを整理する・返済期間を見直すといった調整のほうが効果的です。金利の高い商品を選ぶのは総返済額の負担が大きいため、条件を整えてから主流の商品に申し込むほうが結果的に有利になることが多くあります。
Q. ゆうちょフラット35は借り換えにも使えますか?
A. 使えます。資金使途に「既存住宅ローンの借換資金」が含まれており、公式サイトでも借り換えに利用可能と案内されています。借入限度額は100万円以上1億2,000万円以内、保証料・保証人・繰上返済手数料は不要です。ただし前述のとおり、返済期間は「40年-当初住宅ローンの経過年数」などの上限に縛られます。また団信に加入しない場合の金利は新機構団信付きの借入金利から0.200%引き、ペア連生なら+0.180%、新3大疾病付なら+0.240%となります。
まとめ
「ゆうちょ銀行(スルガ銀行)の審査は甘い」という情報は、2019年6月に取り扱いが終わった商品についての、すでに過去の話です。現在ゆうちょ銀行の窓口で選べるのは、ソニー銀行・SBI新生銀行の住宅ローンとゆうちょフラット35という主流の3商品で、いずれも一般的な金利水準です。
すでに高い金利で返済中の方は、審査の緩さを探すのではなく、「金利差で減る利息」と「諸費用」を並べて損益分岐を確かめるところから始めてください。上の試算のように、残高と残り期間が十分にあれば数十万円単位の差が出ます。対面で相談しながら進めたい場合、諸費用の内訳が分かりやすく、一般団信・全疾病保障付団信をいずれも金利上乗せ0%で付けられるSBI新生銀行は、借り換え先の候補として検討する価値があります。まずは返済予定表を手元に、現在の適用金利を確認するところからどうぞ。
あわせて「ゆうちょ銀行(スルガ銀行)の住宅ローン・フラット35とは?金利や手数料水準は?」も参考にしてください。
ゆうちょ銀行でのスルガ銀行の住宅ローンの取り扱いは2019年6月28日をもって終了しています。
2026年8月時点で、ゆうちょ銀行ではソニー銀行・SBI新生銀行の住宅ローンの媒介と、ゆうちょフラット35の取り扱いを行っています。
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