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糖尿病で住宅ローン審査落ち?住宅ローン審査対策とは?

糖尿病・予備軍は日本に1,700万人もいる!?

厚生労働省が2017年9月に発表した平成28年「国民健康・栄養調査」に糖尿病患者・糖尿病予備軍に関する調査結果が記載されていました。

 

糖尿病に疾患していると住宅ローンの審査(正確には団信の審査)に落ちる可能性が高まりますし、住宅ローンを検討している糖尿病患者の方は数多く存在します。また、5年前や10年前に住宅ローンを借り入れた人の中には、借り入れ時は何の問題もなくても、この間に糖尿病に疾患したことで住宅ローンの借り換えをあきらめている人もいることでしょう。また、健康診断や人間ドックで血糖値が高くなっていることが判明して、「境界型糖尿病」や「糖尿病予備軍」に該当すると言われてしまった人は、住宅ローン(団信)の審査や告知をどうしたらよいのか不安に感じていることと思います。

 

このコラムでは住宅ローンの借り入れ・借り換えを行いたいと考えている「糖尿病」や「糖尿病予備軍」の方々の参考情報として、糖尿病だと住宅ローンの審査に必ず落ちるのか、またどのような対策が考えられるのかを取り上げてみたいと思います。

 

平成28年「国民健康・栄養調査」に糖尿病患者・糖尿病予備軍に関する調査結果

今回の調査では、日本全体で「糖尿病が強く疑われる者」(糖尿病の予備軍)は1,000万人存在するという結果になっています。このうち、現在、治療を受けている人の割合は76.6%となっていますので、日本全体で760万人もの糖尿病患者が存在していることになります。さらに、糖尿病の可能性を否定できない者(糖尿病予備群)も上記とは別に1,000万人存在しているとしています。なんと、糖尿病(予備軍を含む)と1700万人以上も日本にいることになります。

(参考)厚生労働省の調査結果の概要(クリックして拡大表示)

 

これだけ多くの人が抱えている病気である以上、住宅ローンを検討している人は少なからず存在します。それらの人たちの悩みの種が住宅ローンの審査、つまり、団信の加入審査です。次に団信の加入審査基準について説明します

 

団体信用生命保険(団信)の加入審査と告知

団体信用生命保険(団信)に加入する為には、治療中の病気や過去に疾病した病歴に関する告知を行ったうえで、加入審査をしなければなりません。一般的に、過去の病歴については過去3年間の病歴について告知が必要となっています。

糖尿病に疾患し治療を受けている場合、血圧、合併症の有無、インスリン治療有無、投与薬剤名、空腹時血糖値など詳細な告知が必要になります。以下に、フラット35で利用される機構団信(住宅金融支援機構の団信告知書)を参考情報として掲載していますので参考にしてください。(糖尿病に関連する告知は、右下あたりに<糖尿病の場合、必ずご記入ください。>と記載されている箇所です。)

糖尿病に疾患していると審査に落ちる?

結論は「症状による」です。逆に言えば、糖尿病に疾患しているからといって必ずしも審査に落ちるわけではない、ということです。(何百万人も患者がいる病気を「疾病していたら100%審査落ち」にしていたら、金融機関側も住宅ローンビジネスが成り立ちません。)

ただし、どの程度の症状だと審査落ちになるか審査に通るかには明確な基準は存在しません。中には投薬治療」をしていても通常の団信に通ったという人もいます。「インスリン治療」や「合併症」があると、さすがに通常の団信に加入できる可能性はかなり低いと覚悟しておいた方が良いでしょう。

糖尿病で通常の団信に加入できたという人の多くは、かかりつけの医師に相談するケースが多いようです。例えば、「投薬治療で症状が落ち着いている」などの診断書を出してもらい、加入審査の際に添付して提出する、などの対策をとっているようです。金融機関も100%機械的に処理しているわけではありません。正確な告知と真摯な対応で団信に加入できる可能性を高めることができるという点は念頭に入れておきましょう。

 

<参考:告知義務違反について>

安易に考えるべきでないのは、糖尿病の「告知を偽ること」です。告知を偽った場合、確かに団信の加入審査に通って住宅ローンを契約できるかもしれませんが、万が一の時に保険金がおりず残された家族が路頭に迷うことになりかねません。

保険金を請求する時は保険金請求書を記入して提出することになりますが、同時に保険会社が病院に保険金請求書の内容の事実関係を確認しても良い、という「同意書」を提出しなければなりません。保険会社は病院に病気や治療の詳細を確認しますので、告知書に記入した内容と異なっていれば告知義務違反は簡単に判明してしまいます。

「ちゃんと告知したつもりなのに、重箱の隅をつついて保険会社が保険金を払わないと言い張る」というような「保険金の不払い問題」を抑制するために、「告知義務違反は2年間で時効になる」「死亡要因と告知義務違反の関連性が認められなかったら告知義務違反があっても保険金は支払わなければならない」というルールがありますが、それが一人歩きして「告知義務違反は2年間で時効になるから2年間バレなければ良い」と言うようなことを言う人がいます。

それは大きな間違いです。2年間経過した後の保険事故であっても保険会社による調査で告知の内容が悪質と判断されれば、そもそもの契約がなかったことにされる可能性もあります。そして、その対応に追われるのは残された家族です。

 

境界型糖尿病・糖尿病予備軍は告知が必要?

正常知の範囲よりも血糖値が高くなってきた状態を「境界型糖尿病」や「糖尿病予備群」と言われます。健康診断や人間ドックを行っていると気付くことができますが、これは「糖尿病」ではなく、予備軍です。正式に糖尿病と診断されたわけではありませんので告知は不要となります。

 

引用; 糖尿病情報センター

 

糖尿病の種類は団信加入審査へ影響する?

糖尿病には1型糖尿病、2型糖尿病、その他糖尿病、妊娠糖尿病と4つの種類があります。最も患者集が多いのが2型糖尿病です。これらの糖尿病の種類は、団信加入の審査の結果とは基本的には関係性が無く、あくまでも症状の重さや治療状態・合併症の有無などにより審査されると考えて良いでしょう。

 

引用;糖尿病サポートネット

 

糖尿病患者の方のための住宅ローン審査対策

糖尿病に疾患している人が住宅ローンを利用するためには、

①何とか通常の団信に加入できるように努力する

②引き受け条件緩和型団信(ワイド団信)を利用する

③団信に加入しなくてもよい住宅ローンを検討する

④告知せずに(告知義務違反を覚悟して審査に申し込む

⑤住宅ローン(団信)の申込をしばらく待つ

の5つの選択肢があります。王道は「②のワイド団信を利用する」になるでしょう。それぞれの対策について確認していきましょう。

 

①通常の団信に加入できるように努力する

かかりつけの医師に事情を説明して、診断書を書いてもらって保険会社に提出することで団信加入審査の参考資料として扱ってもらうことができます。もちろん、症状や治療状態が良好であることが記載されている診断書が望ましいので、その旨を医師に伝えるようにしましょう。医師の方は嘘はつけませんので、強引にお願いすることは禁物です。軽度の糖尿病で治療が順調・安定していれば、きちんとした診断書を添えることで通常の団信に加入できる可能性が高まります。

 

②引き受け条件緩和型団信(ワイド団信)を利用する

クレディ・アグリコル生命が取り扱っていることで有名なワイド団信の利用を視野にいれて住宅ローン審査に申し込むのが王道です。これは、最も現実的な選択肢です。ワイド団信は加入条件が緩和されていますが、高度障害や死亡時に保障が受けられるという保障内容は一般団信と同じです。ただし、ワイド団信に加入することになった場合、住宅ローンの金利に年0.2%から年0.3%程度の金利が上乗せされてしまいます。できれば金利上乗せは避けたいですよね。そのためには、通常の団信に加入すべく①の努力を先に行うことが重要になってきます。

<ワイド団信を取り扱う金融機関例>

じぶん銀行の住宅ローン 年0.3%上乗せ

au住宅ローン 年0.3%上乗せ

ソニー銀行 年0.2%上乗せ

イオン銀行 年0.3%上乗せ

 

③団信への加入が任意であるフラット35を利用する

ご存知かもしれませんが、フラット35は団信に加入しなくても借り入れ・借り換えできる住宅ローンなので、糖尿病患者の皆様にとっては有力な選択肢に名乗りをあげることになります。ただし、団信は家族の安定的な生活のためには加入しておいた方がよいのは間違いありません。この選択肢をおすすめすることはできませんが、貯蓄が十分にある、すでに生命保険・収入保障保険などの保険などに加入済である、などの将来の家族が生活できるだけ状態を他で作れているようであれば、選択肢の1つとして考えるべきです。そのような備えが無い人でも、ご自身が死んだときのことを考える必要はないなどの考えで、団信に加入せずにフラット35を利用する人はいますが、その場合はギャンブル要素が強くなってしまうことを十分理解するようにしましょう。

 

④糖尿病を告知せずに(告知義務違反を覚悟して)加入審査に申し込む

正直褒められたやり方ではありませんが、「保険金を期待しない」のであれば、告知をせずに団信に加入だけしてしまって、③とほぼ同じ状態で民間の住宅ローンを利用できる可能性があるということです。

ただし、事後の対応を行うのは家族ですし、団信以外に十分な備えや蓄えが無いと残された家族が大変な思いをすることにもなりかねません。実際にこの判断を行っている事例は散見しますので、1つの対策として紹介しましたが、家族ともしっかり議論して慎重な判断をされることをおすすめします。

 

⑤住宅ローン(団信)の申込をしばらく待つ

ご存知の通り、糖尿病は完治しない病気と言われ、悪化しないようにコントロールしていくことが重要な病気とされています。特に一種型(先天性)は症状の改善は難しいとされていますが、二種型(後天性・生活習慣)であれば、早期発見と規則正しい生活・適度な運動・適切な食事・投薬治療などで症状が改善する可能性は残されています。現在の症状や治療状態では、住宅ローン(団信)の審査に落ちることが確実と考えられる場合は、まずは治療に専念して、症状が改善して(かかりつけの医師から良い診断書を書いてもらえる程度になってから)、住宅ローン(団信)の借り入れ・借り換えを申し込むという方法もあるでしょう。

 

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