安心R住宅は中古住宅のマイナスイメージを払拭できるか?
安心R住宅とは?
”安心R住宅”とは、正式名称を”特定既存住宅情報提供事業者団体登録制度”と言い、中古住宅(既存住宅)市場の活性化を目的に、中古住宅の「不安」「汚い」などの悪いイメージを払拭することを目的に国土交通省が定めた制度で、簡単に言うと「国が定めた一定の基準を満たした中古住宅(既存住宅)」だけが利用できるマーク・目印です。
2018年4月1日から”安心R住宅”制度がスタートしていますので、すでに1年以上経過していますが、その存在感はイマイチな印象です。
住宅エコポイント(次世代住宅ピント)で安心R住宅制度の活用なども始まっていますが、もう少し世の中に浸透して欲しいところですね。この制度が浸透しないようだと日本の中古市場の活性化はなかなか厳しいものがあると思います。
「安心R住宅マークが付いている住宅は国が定めた品質基準を満たしている良い中古物件ですよ!」とすぐわかるようにして中古住宅を購入しやすくする制度というわけです。
中古住宅の活性化は日本の課題
2025年問題という言葉を聞いたことがあるでしょうか?2025年問題とは、2025年になると団塊の世代が75歳の後期高齢者になることで、過去に例のない超高齢化社会に突入することを示した言葉です。詳しくは「2025年問題が住宅ローン金利に与える影響は?」でも紹介していますので参考にしてください。
いずれにせよ、少子高齢化・人口減少が進んでいて、とっくに「世帯の数」よりも「住宅・家の数」の方が多いにも関わらず、新築住宅が次々と建てられています。つまり、現在進行形で空き家が増え続けているわけです。
近くに空き家がある人は想像できると思いますが、空き家は雑草が生い茂ったり、悪臭を放ったり、付近の生活環境や景観の悪化につながります。また、犯罪者などが不法侵入することで治安の悪化にもつながるとされています。国土交通省や住宅金融支援機構にとって「中古住宅問題」は大きな課題の1つというわけです。
海外では中古住宅の活用が進む
「海外では普通だから」と「日本の文化を否定する」つもりはありませんが、日本は全体の住宅売買・流通量の85%を新築住宅が占め、中古住宅はわずか15%程度と言われています。
ところが、欧米では全く状況が違っていて、イギリスでは88%超、アメリカ・フランスでも65%超とされています。日本は地震大国なので「最新の耐震性を持つ住宅の方が安心して住める」など、特殊な事情がありますので一概に比較すべきではないと思いますが、数値上は日本が中古住宅を大切できていないことは明確です。
これらの問題を解決すべく「品質の良い住宅を作り、メンテナンスして長く使う社会に移行する」ための整備を国土交通省を中心に進められているわけです。
安心R住宅制度の背景
安心R住宅制度の背景には、「中古」には品質が悪い・古くて汚い・物件の情報が少なくてよくわからないという悪いイメージがあり、新築物件に比べて流通しにくいという課題解決があります。国土交通省によると「安心R住宅」の「R」には、Reuse(リユース・再利用)、Reform(リフォーム・改装)、Renovation(リノベーション・改修)の3つの意味が含まれているとされます。
さきほど、「安心R住宅マークが付いている住宅は国が定めた品質基準を満たしている良い中古物件であることがすぐわかるようにして中古住宅を購入しやすくする制度」と説明しましたが、具体的には「耐震性・リフォーム・定期点検」などの基準を満たしている物件であることを示す目印になります。
安心R住宅QA
国土交通省のホームページに安心R住宅に関するわかりやすいQAが用意されていましたので紹介します。
まとめ
2018年4月1日にスタートした安心R住宅。世の中に浸透するにはまだまだ時間がかかりそうですが、新築よりも安価で、立地が良いことも多い中古物件選びの1つの材料として、活躍しつつはあります。
中古住宅購入を検討している人はこのお墨付きマークの有無は購入検討時にチェックするようにしましょう。
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