【調査結果】住宅ローンの審査方法・審査項目の実態調査(国土交通省・令和5年度版より)
国土交通省が毎年実施している「民間住宅ローンの実態に関する調査」の令和5年度(2023年度)調査版の結果を2024年3月に公表しています。
1,000社を超える金融機関の国土交通省へのアンケート回答を取りまとめたものですので、様々ある住宅ローンに関するアンケート調査の中でも抜群に信頼性の高い調査です。
今回の記事では、国土交通省が行ったこのアンケート調査のうち、住宅ローンの審査方法や審査項目に関する調査結果に注目して解説したいと思います。
住宅ローンの審査方法は?
住宅ローンは幅広い項目を審査しています。数年前に注目を集めた審査方法が”スコアリング方式”と呼ばれる審査方法です。スコアリング方式とは、住宅ローンの申込者の情報(年収・職業・企業規模・勤続年数・返済負担率)に点数をつけ、その点数をもとに審査をすすめる方法です。住宅ローンに限らず、様々な融資商品で利用されている方式ですし、ソニー銀行や住信SBIネット銀行が導入したAI(人工知能)を活用した住宅ローンの審査も広いスコアリング方式の延長線上にある審査方法と言えます。
以下のグラフは「スコアリング方式を中心にしている」「スコアリング方式を一部採用している」「スコアリング方式を中心にしている」の3つの質問に対する回答を年度別にまとめたグラフです。令和5年度の調査結果はちょっと面白いですね。スコアリング方式を利用していない金融機関は増加、スコアリング方式を中心にしている金融機関もわずかではありますが増加しています。一方でスコアリングを一部行っているという金融機関が減少しています。スコアリング方式ではしっかりした審査ができないと考えている金融機関が増えていることがわかります。この傾向はこの数年顕著になっています。
住宅ローンの審査項目は?
次に、金融機関がどのような項目を審査しているのかを確認しておきましょう。「完済時年齢」「健康状態」「借入時年齢」「担保評価」「年収」「返済負担率」「勤続年数」は90%以上の金融機関が審査項目にしていると回答しています。この調査がアンケート形式で無回答や回答ミスがあることを考えると、これらの項目はほぼ間違いなく審査されていると考えておくべきでしょう。
一方で連帯保証の項目が急減しているのも目立っていますね。
また、借り換え時の融資率を審査するとした金融機関が引き続き急減しています。金融機関が積極的に借り換え向けの融資をしている姿勢が見て取れます。
まとめ
今回の国土交通省のアンケート結果から、「AIなどの新しい技術」や「働き方改革など社会情勢の変化」などの少しずつ住宅ローン業界の変化を感じ取ることができます。まだまだメガバンクや地方銀行の古い住宅ローンを「お店が近いから」とか「安心できるから」という理由だけで利用している人が多いと言われています。住宅ローンを取り巻く環境も刻々と変化しています。
そんな中で、auじぶん銀行、住信SBIネット銀行、PayPay銀行(旧ジャパンネット銀行)など最新の住宅ローンを提供するネット銀行の勢いは増すばかりですし、以前であれば住宅ローンの借り入れが難しかった派遣社員や契約社員・パート社員などでも住宅ローンを借りられる時代になってきています。もちろん、住宅を持つことが正解かはわかりませんが、幅広い人が住宅ローンを利用できるようになってきているのは、私たち利用者にとってはうれしいことですね。
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