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変動金利から固定金利へ借り換える意味とは?金利上昇局面の判断

変動金利から固定金利への借り換えを考えるイメージ

この特集記事では「変動金利から固定金利に借り換える意味」について解説します。とくに2024年以降、日本の金利環境が『下がり続ける時代』から『金利のある時代』へと大きく転換したことを踏まえ、いま固定金利に借り換える意味を整理します。

住宅ローンの金利は、基本的に「変動金利<固定金利」が成り立ち、変動金利の方が低いのが一般的です。にもかかわらず、変動金利から固定金利へ借り換える人は一定数存在します。背景には金利の先行き不安があり、たとえば日銀が金融政策を見直す局面では、固定金利に借り換える動きが増えたという報道がたびたび見られます。

 

あえて金利の高い住宅ローンに借り換えるのには理由があります。結論としては、「将来金利が上昇しそうだから、相対的に金利が低い今のうちに固定しておく」「金利が上がるのではないかと不安を抱えながら暮らすのが嫌だから固定したい」「民間住宅ローンの審査に通らずフラット35(固定金利)に借り換えた」のいずれかが大半です。

 

近年の金利環境の変化(金利のある時代へ)

これまで日本の住宅ローン金利は長く低下・低位安定が続いてきましたが、状況は変わりました。日銀は2024年3月にマイナス金利政策を解除し、その後も段階的に利上げを進めています。2026年6月の金融政策決定会合では、政策金利(無担保コール翌日物の誘導目標)を1.0%程度へ引き上げました。これは約31年ぶりの高水準です(出典:日本銀行)。

 

政策金利の引き上げは、変動金利の基準となる短期プライムレートの上昇につながり、各行の変動金利を押し上げる要因になります。実際、2026年に入って基準金利の引き上げを発表する銀行が相次いでいます。一方で、固定金利(10年固定・フラット35など)は長期金利(10年国債利回り)の上昇を受けてすでに上昇しており、フラット35の金利は過去最高水準まで上がっています。「変動も固定もこれから上がるかもしれない」局面に変わった点が、以前との大きな違いです。

 

※金利は時点によって変わります。最新の適用金利は各金融機関・フラット35公式サイトでご確認ください。

 

変動金利の特徴について

変動金利は名前のとおり、金利が変動する——正確には「銀行が適用金利を変動させる権利を持っている金利タイプ」です。国内の短期金利市場(無担保コール翌日物・短期プライムレートなど)を参照しながら金融機関が適用金利を決めるため、突然、銀行の一存で大きく金利を引き上げることは通常ありません。

 

市場金利・短期金利が上昇し、それに合わせて銀行が住宅ローン金利を調整することで、変動金利の住宅ローンの金利が上がっていきます。日銀が利上げ局面に入った今、変動金利は「これまでの低位安定」から「上昇しうる」段階に移ったと理解しておく必要があります。

 

なお、多くの銀行の変動金利には「5年ルール(金利が上がっても5年間は毎月の返済額を据え置く)」「125%ルール(見直し後の返済額は従前の125%まで)」といった負担急増を和らげる仕組みがあります。ただしこれらは返済額の上昇を一時的に抑えるだけで、未払い利息が発生し元金が減りにくくなる可能性もあるため、金利上昇局面では注意が必要です(ルールの有無は銀行により異なります)。

 

変動金利から固定金利へ乗り換えるメリット

変動金利には金利上昇リスクがあり、完済までの毎月の返済額・総返済額が増減する可能性があります。一方、固定金利で借りれば毎月の返済額・総返済額を確定できます。固定金利を選ぶ最大の理由は「金利を固定できる」ことで、金利上昇が見込まれる局面では、固定する期間を通じて上昇リスクを避けられる点が安心材料になります。


ただし、金利水準自体は変動金利より高めです(メガバンクの変動金利より低い10年固定を出すネット銀行もありますが、全期間固定はより高くなります)。結果として変動金利がそれほど上がらなければ、変動で借り続けた方が総返済額は少なくなる可能性もあります。固定金利は「金利が上がっても返済額が増えない」という安心への対価(いわば保険料)と捉えると分かりやすいでしょう。

 

借り換えを考えるときのチェックポイント

変動から固定への借り換えを検討する際は、次の点を確認しましょう。

  • 残債・残期間:残高が多く残期間が長いほど、金利を固定する効果(上昇リスク回避の価値)は大きくなります。
  • 諸費用との損益分岐:借り換えには事務手数料・登記費用などの諸費用がかかります。固定化による安心と、かかる費用が見合うかを試算しましょう。
  • 固定する期間:10年固定・全期間固定(フラット35など)で性格が異なります。完済まで返済額を確定したいなら全期間固定が有力です。

全期間固定で借り換えたい場合はフラット35が代表的な選択肢ですが、長期の固定金利を扱う民間銀行もあります。たとえばSBI新生銀行は長期の固定金利型を用意しており、事務手数料が分かりやすいタイプを選べる点など、諸費用面も含めて比較する価値があります(金利・手数料・団信の内容は時期により変わるため、最新は公式でご確認ください)。

 

最後に

借り換えで変動金利から固定金利へ変更する一番のメリットは、金利を固定する期間の返済額を確定できることです。超長期固定であれば、完済までの返済額を固定してしまうこともできます。金利が上昇しうる局面では、この「確定できる安心」の価値は以前より高まっています。

変動金利より高い金利が適用されることを理解したうえで、金利を固定しておくことに納得できる方にとって、固定金利への借り換えは有力な選択肢です。

 

数十年先の金利や経済を正確に予測できる人はいません。変動金利は金利動向に左右されやすく、固定金利は堅実といえますが、どちらが正解かは結果が出てみないと分かりません。それぞれのメリット・デメリットを理解したうえで、ご自身が納得できる借り換えを行うことが何より重要です。

 

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