がん保障付き住宅ローンで備える|団信の選び方と借り換え活用

目次
がんの疾患で半数の方が収入が半分以下に
2017年9月に、ネット生命保険最大手のライフネット生命保険がNPO法人キャンサーネットジャパンと協力して、全国のがん経験者の男女566人を対象に、日々の生活やお金、仕事に関する悩みなどの実態を調査した結果を発表しました。
※2020年にも同様の調査が実施され、結果が発表されていますが、2017年の調査が最も内容が充実しているため、当時のアンケート結果を継続して紹介しています。
がんにかかったとき、最も不安に感じるのは再発や転移で、アンケート回答者の82%ががんの進行や悪化に不安を感じていることがわかります。また、仕事や家族の負担、治療費、生活の制限、治療方法、収入減少などの悩みも続いています。
この調査で注目したいのは、がんになった時に収入がどのように変化するかという点です。なんと、がんになった人の47%もの方が「収入が半分以下になった」と回答しています。収入が減少することは予想できるものの、2人に1人の割合で収入が半分以下になってしまうという実態は、想像以上です。
しかも、収入がゼロになった方も18%に上り、約5人に1人が全く収入がなくなってしまうという厳しい現実が浮かび上がっています。
がんを患えば、当然、治療費がかかります。その上、収入が激減することで家計のバランスが大きく崩れてしまっていることが、この調査結果からも明らかです。
この調査では収入が減った人が、どのような点で経済的に困窮したのかも調査しています。その調査結果によると医療費や本人や家族の生活費を挙げた人が多く、次いで家賃や住宅ローンの支払いなど住居費を上げています。
日本人の国民病とも言えるがん。日本人の2人に1人ががんになると言われています。友人・知人にもがんを経験されている方がいると思いますが、日本人にとって将来のがんに備えることは非常に重要です。
特に、最近は医療の高度化や定期健診の普及により、がん=死ではなく、治療できる病気へと変わってきています。
(参考記事:がん5年生存率が65%超に。がん保障・疾病保障付住宅ローンを徹底比較)
そうなると問題になるのは「がんになった時の経済的な負担」です。
特に住居費用は家計の支出の多くを占めているため、備えが重要になってきます。
まず、賃貸の場合の住居費用は「家賃」ですが、家賃は賃貸契約を解約したり、安い家賃の家に引っ越すなどの方法があるため、比較的調整しやすいという特徴があります。
一方で、住宅ローンの場合は簡単に調整できないため、「保険」を充実させておくことが重要です。
現在、多くの銀行や金融機関では、がんに対する備えを付帯できるようになっています。がんを保障対象とする団信には、「がんと診断されるだけで住宅ローン残高がゼロ(支払い免除)になるもの」と「がんになり1年程度働けないことで住宅ローン残高がゼロ(支払い免除)になるもの」の2つがあります。
がんと診断されると住宅ローン残高がゼロになる住宅ローン
ソニー銀行のがん団信100
ソニー銀行が扱うがん100%保障の特徴は、金利上乗せ幅が0.1%と他行の半分であること、他行にはない100万円のがん診断給付金の保障が付帯している点です。
がん100%の保障を住宅ローンに付帯させたい方にはソニー銀行の住宅ローンがイチオシです。(ただしソニー銀行は年収400万円以上の方向けの住宅ローンです)

auじぶん銀行 がん100%保障団信
がんと診断されるだけで住宅ローン残高がゼロとなる、auじぶん銀行の「がん100%保障団信」。加入には金利の上乗せが必要ですが、2023年の団信リニューアルで上乗せ幅は年0.050%(2026年7月時点)と、ネット銀行でも最低水準まで引き下げられました。auじぶん銀行の住宅ローン金利はもともと最低水準のため、上乗せをしてもメガバンクとそん色ない水準と言えます。また、がんと診断されたときに住宅ローン残高が半分になる「がん50%保障団信」は上乗せ金利0円(無料)で付帯でき、コストを抑えつつある程度の保障を得たい方に向いた商品設計です。
さらにこの無料の「がん50%保障団信」には、全疾病長期入院保障(すべてのケガ・病気で入院が180日以上続くと残高0円)に加え、2023年の拡充で急性心筋梗塞・脳卒中・肝疾患・腎疾患の4疾病50%保障や月次返済保障も無料で付帯され、疾病保障が一段と充実しています(最新の保障内容・上乗せ幅は公式サイトでご確認ください)。
がんと診断されると住宅ローン残高がゼロになるフラット35の新3大疾病付機構団信
フラット35取り扱いシェア1位のSBIアルヒ(旧ARUHI)
SBIアルヒはフラット35の実行件数シェア16年連続No.1(2025年度27.7%/2026年5月公表)です。
※2010年度-2025年度統計、取り扱い全金融機関のうち借り換えを含む【フラット35】実行件数(2026年3月末現在、SBIアルヒ調べ)
年0.24%の金利上乗せが保険料として必要になりますが、フラット35にはがん・急性心筋梗塞・脳卒中の3疾病を保障する新3大疾病付機構団信を付帯できます。保険料は有料になるものの、がん以外(3疾病)も保障され、0.24%という水準は安価に利用できる部類と言えます(最新の取り扱い・上乗せ幅は各金融機関の公式サイトでご確認ください)。
【参考】3疾病保障の保険料比較
| 金融機関名 | 保険料 |
| ソニー銀行 | 年0.3%上乗せ |
| みずほ銀行 | 年0.3%上乗せ |
| 三菱UFJ銀行 | 年0.3%上乗せ |
| 千葉銀行 | 年0.3%上乗せ |
| りそな銀行 | 年0.25%上乗せ |
※上記は参考値です。各行の3大疾病保障は「金利上乗せ型」「保険料支払型」など方式や上乗せ幅が改定されることがあります。最新の保障内容・保険料は各金融機関の公式サイトでご確認ください(2026年7月時点)。
まとめ
今回は、がんと診断されると住宅ローン残高がゼロとなるものや、がんになり1年程度経過すると住宅ローン残高がゼロになるものの代表的な例として、auじぶん銀行などの住宅ローンを紹介しましたが、地銀はもちろん、多くの銀行でもがんを保障する住宅ローンが取り扱われています。
がんと診断された時点で保障が欲しいのか、がん以外の病気や怪我も保障して欲しいのかによって、選ぶべき住宅ローンが変わってきます。ぜひ、もしもの際を想定し、選択をしてみてください。
借り換えは「団信(がん保障)」を見直す好機
いま返済中の住宅ローンにがん保障が付いていない、あるいは保障が手薄だと感じる場合、借り換えは団信を入り直せる数少ない機会です。借り換え時は新しい住宅ローンの団信に加入し直すため、現在の商品にがん保障が無くても、がん保障付きの住宅ローンへ切り替えることで保障を得られる可能性があります。ただし団信の加入には健康状態の告知と保険会社の審査が必要で、既往歴があると加入できないこともある点は押さえておきましょう。
がん保障を目的に借り換える場合も、判断の基本は総返済額での比較です。がん100%保障の上乗せ金利(年0.05〜0.3%程度)は総返済額を押し上げるため、金利差・諸費用とあわせて損益分岐を試算しましょう。「上乗せ0円のがん50%保障で十分か、上乗せしてでも100%保障にするか」も、家計と保障の必要度から検討したいポイントです。諸費用の分かりやすさで選ぶなら、保証料0円・一部繰上返済手数料0円で、一般団信のほかガン団信や全疾病保障付団信(2026年3月開始・上乗せ0円)を選べるSBI新生銀行なども、借り換え先の選択肢の一つになります(最新の金利・条件は公式サイトでご確認ください)。
がん保障付き住宅ローンと借り換えのよくある質問(FAQ)
Q. 住宅ローンの借り換えで、あとからがん保障を付けられますか?
A. 借り換えでは新しい住宅ローンの団信に加入し直すため、いまの商品にがん保障が無くても付けられる可能性があります。ただし健康状態の告知・審査が必要で、必ず加入できるとは限りません。
Q. がん保障の上乗せ金利は、借り換えの損得にどのくらい影響しますか?
A. がん100%保障の上乗せは年0.05〜0.3%程度が目安で、その分だけ総返済額が増えます。借り換えの損得を測る損益分岐の試算に、この上乗せ分も含めて計算するのが正確です。コストを抑えたい場合は上乗せ0円の「がん50%保障」を選ぶ方法もあります。
Q. がんの既往歴があると団信に入れませんか?
A. 通常の一般団信は難しい場合がありますが、引受基準を緩和した「ワイド団信」を用意する金融機関もあります(金利上乗せが必要なことが多い)。加入可否は保険会社の審査によるため、複数行で確認してみましょう。
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