がん5年生存率64.8%|疾病保障付き住宅ローンを借り換えで比較

国立がん研究センターと厚生労働省は、がんの生存率を毎年のように更新しています。2026年2月13日に公表された「2018年 全国がん登録 5年生存率報告」では、2018年にがんと診断された15歳以上の5年生存率は前立腺で92.5%、女性の乳房で88.4%など、部位によって大きな差がありながらも全体としては横ばい〜改善傾向が続いています。
当サイトは住宅ローンの借り換えを扱う情報サイトです。がんの話題を取り上げるのは、「がんは治らない病気」ではなくなった一方で、治療をしながら返済を続ける期間が長くなったからです。返済中の人にとって、これは借り換えを考えるときに金利差と並ぶ判断材料になります。
この記事では、最新のがん統計を確認したうえで、費用負担なしでがん保障・疾病保障が付く住宅ローン3行を比較し、借り換えで団信を選び直すときの注意点まで整理します。
最新のがん統計を確認する(2026年8月時点)
2026年2月公表:部位別の5年生存率
厚生労働省が2026年2月13日に公表した「2018年 全国がん登録 5年生存率報告」によると、2018年に新たにがんと診断された15歳以上(AYA・成人)の5年生存率は次のとおりです。
| 部位 | 5年生存率 | 備考 |
|---|---|---|
| 前立腺 | 92.5% | 男性の罹患数1位(2023年) |
| 乳房(女性) | 88.4% | 女性の罹患数1位(2023年) |
| 子宮頸部 | 71.4% | — |
| 大腸(結腸・直腸) | 68.0% | 総数の罹患数1位(2023年) |
| 胃 | 64.4% | — |
| 肺 | 39.6% | 死亡数1位(2024年) |
| 肝および肝内胆管 | 34.4% | — |
| 膵臓 | 13.5% | 2016年と比べ上昇 |
厚生労働省は同報告で、全体としては概ね横ばいで推移するなかで、膵臓・多発性骨髄腫・肺は2016年と比べて上昇したとしています(2016年の生存率を100%としたとき±5%以上の変化を上昇・低下と判定。低下した部位はありませんでした)。
なお、がん全体(全がん)の数字としては、国立がん研究センターの「最新がん統計」で2018年に診断された人の5年相対生存率が男女計64.8%(男性63.2%・女性66.8%)と示されています。がん診療連携拠点病院などを対象にした「院内がん登録」の集計(2014〜2015年診断例・447施設・94万2,717例)では、全がんの5年生存率(ネット・サバイバル)は66.2%です。調査の対象範囲や計算方法が違えば数字も変わるため、「◯%」という数字を見たときは、どの統計のどの年の値かをセットで確認してください。
「5年生存率」は再発の有無を見ていない
5年生存率とは、がんと診断(治療開始)された人のうち、5年経過した時点で生存している人の割合です。ここで大切なのは、「再発しているかどうか」は考慮されていないという点です。5年間まったく再発していない人も、治療と再発を繰り返しながら生きている人も、同じように「生存」として数えられています。
つまり、生存率が上がったことは「働けない期間がなくなった」という意味ではありません。むしろ、治療をしながら暮らす期間が長くなったぶん、収入が減った状態で住宅ローンを返し続ける可能性は以前より現実的になっている、と読むほうが実態に近いといえます。
罹患は増え、死亡リスクは相対的に下がっている
国立がん研究センターの最新がん統計(2026年7月更新)では、次の数字が示されています。
- 2023年に新たに診断されたがん:993,469例(男性556,059例、女性437,406例)
- 2024年にがんで死亡した人:384,111人(男性221,786人、女性162,325人)
- 生涯でがんと診断される確率:男性61.1%・女性50.1%(いずれも2人に1人/2023年データ)
- 生涯でがんにより死亡する確率:男性24.4%(4人に1人)・女性17.2%(6人に1人)(2024年データ)
罹患数の多い部位は2023年で大腸・肺・胃・乳房・前立腺の順、死亡数の多い部位は2024年で肺・大腸・膵臓・胃・肝臓の順です。「2人に1人ががんになり、それでも死亡リスクは4人に1人・6人に1人にとどまる」——この差こそが、住宅ローンの返済期間と重なる部分だと考えてください。
借り換えの損得に「保障」を入れて考える
一般的な団信がカバーするのは「結果」だけ
住宅ローンを借りるときは、原則として団体信用生命保険(団信)への加入が必要です。団信は「死亡時」だけでなく、所定の「高度障害状態」に該当した場合にも残債が保険金で完済されます。高度障害状態は一般に次の8つのいずれかを指します。
(1)両眼の視力を永久に失った場合
(2)言語またはそしゃくの機能を永久に失った場合
(3)中枢神経系・精神に著しい障害があり終身常に介護が必要と診断された場合
(4)胸腹部臓器に著しい障害があり終身常に介護が必要と診断された場合
(5)両手を手関節以上で失うか、永久に機能しない状態になった場合
(6)両足を足関節以上で失うか、永久に機能しない状態になった場合
(7)片手を手関節以上で失って、かつ、片足を足関節以上で失うか、永久に機能しない状態になった場合
(8)片手が永久に機能しない状態になり、片足を足関節以上で失った場合
※一般的な医療用語をかみ砕いた表現にしています
ここから分かるのは、一般的な団信は「結果」に対する保険であり、そこに至るまでの「経過」は対象外だということです。がんの治療中で働けない、休職して収入が途絶えた——こうした状況でも、返済は毎月やってきます。医療保険やがん保険は治療費をカバーする保険であって、住宅ローンの返済を肩代わりしてくれるわけではありません。
返済中だからこそ、借り換えは「保障の入り直し」でもある
借り換えを検討している人は、すでに何年か返済を続けている人です。ここで見落としやすいのが、借り換えは借入先を変える手続きであると同時に、団信に入り直す手続きでもあるという点です。
金利が0.2〜0.3%下がるかどうかだけを見て決めると、いまの団信より保障が薄くなることも、逆に費用負担なしで疾病保障を上乗せできることも見逃してしまいます。借り換えの損得は「金利差 − 諸費用」で計算しますが、そこに「保障の差」という項目を足して考えるのが、返済中の人にとって現実的な判断のしかたです。
上乗せ金利0.200%は総返済額でいくらになるか
疾病保障を手厚くするタイプの団信は、金利に年0.100〜0.400%程度が上乗せされるものが少なくありません。この上乗せが借り換え後の総返済額にどれだけ効くのかは、残債と残り期間で決まります。
残債2,000万円・残り25年で借り換えた場合、上乗せなし(年1.000%)と上乗せ後(年1.200%)を比べると次のようになります。

| 条件 | 毎月返済額 | 総返済額 |
|---|---|---|
| 上乗せなし(年1.000%) | 75,374円 | 約2,261万円 |
| 上乗せあり(年1.200%) | 77,199円 | 約2,316万円 |
| 差額 | 月1,825円 | 約55万円 |
※元利均等返済・ボーナス返済なし・繰上返済なしで計算した試算例です。事務手数料や登記費用などの諸費用は含みません。実際の返済額は借入先の計算方法により数円〜数十円異なる場合があります。
25年で約55万円、月あたり1,825円。これを「保険料」として見たときに納得できるかどうかが判断の分かれ目です。そして次に見るように、この上乗せを払わずに疾病保障が付く住宅ローンも存在します。
費用負担なしで疾病保障が付く住宅ローン3行を比較
金利上乗せなし(または保険料を銀行が負担)で疾病保障が付く代表的な3行を比較します。各行の公式サイトで2026年8月時点の内容を確認して作成していますが、支払条件の細部は「被保険者のしおり」等で必ずご確認ください。
| 比較の観点 | 楽天銀行(金利選択型) | auじぶん銀行 | SBI新生銀行 |
|---|---|---|---|
| 上乗せなしで付く団信 | 50%保障がん団信(全疾病特約付) | がん50%保障団信 | 全疾病保障付団信 |
| 費用負担 | なし(保険料は楽天銀行が負担) | なし | なし(金利上乗せ0円) |
| がん診断時の保障 | 残高の50%(免責90日・上皮内がん等は対象外) | 残高の50%(免責90日・上皮内がん等は対象外) | がん単独の診断保障はなし。重度がんと判断された場合は残高100% |
| がん以外の重い病気 | 就業不能状態が続けば病名を問わず対象 | 4疾病保障(急性心筋梗塞・脳卒中・肝疾患・腎疾患)で残高の50%※がん診断保障とあわせて1回のみ | 8疾病(がん・急性心筋梗塞・脳卒中・高血圧症・糖尿病・慢性腎不全・肝硬変・慢性膵炎)とその他の病気・ケガ |
| 残高が0円になる条件 | 所定の就業不能状態が1年をこえて継続 | すべての病気(精神障害を除く)やケガで入院が31日連続し、継続して合計180日以上 | 所定の就業不能状態が所定の期間を超えて継続 |
| 月々の返済に対する保障 | 当月に就業不能状態が15日をこえて継続したとき当月分(通算36か月) | 入院31日連続後、30日に達するごとに月々の返済額(1回の入院で5回・通算36回まで) | 就業不能状態が続く間の毎月の返済額(8疾病は1回最大12回・それ以外は最大21回/通算36回) |
| 年齢の条件 | がん保障は融資実行日に満50歳以下。51歳以上は全疾病特約付団信(上乗せなし) | 特約付き団信は50歳以下。51歳以上は一般団信 | 全疾病保障付団信は20〜49歳(完済時80歳未満)。一般団信は20〜65歳 |
| 上位プラン | 100%保障がん団信は年0.200%上乗せ | がん100%保障団信は年0.050%上乗せ/プレミアムは年0.150%/ワイド団信は年0.300% | ガン団信は年0.100%上乗せ |
| 引受保険会社 | 楽天生命保険 | ライフネット生命保険 | SBI生命保険 |
3行の違いをどう読むか
楽天銀行は、「がんと診断された時点で残高が半分」と「働けない状態が続いたときの保障」を両方、上乗せなしで持てるのが特徴です。毎月の返済に対する保障も、就業不能状態が当月に15日をこえて続いていれば対象になるため、入院を伴わない在宅療養でも支えになり得ます(ただし在宅療養は医師の指示による所定の状態に限られます)。
auじぶん銀行は、上乗せなしのがん50%保障団信に4疾病(急性心筋梗塞・脳卒中・肝疾患・腎疾患)の50%保障まで含めているのが強みです。一方で残高0円になる全疾病長期入院保障は「31日連続入院+合計180日以上」と入院日数が条件なので、通院中心の治療では要件を満たしにくい点は理解しておきましょう。がん診断保障と4疾病保障は、あわせて1回のみの支払いである点にも注意が必要です。
SBI新生銀行は、「働けない状態」に正面から着目した設計です。8疾病かどうかで免責や支払回数の条件は変わりますが、病気やケガの種別を限定せず(精神障害等を除く)、就業不能状態が続く間は毎月の返済額が保障され、所定の期間を超えれば残高が0円になります。これが金利上乗せ0円で付く点は、諸費用の分かりやすさ(事務手数料は借入金額の2.20%〈税込〉の定率型)とあわせて、借り換え先の候補として検討する価値があります。なお、かつての介護保障型「安心保障付団信」は新規申し込みを終了しており、現在の中心は上乗せなしの全疾病保障付団信です。
要するに、「がんと診断された事実」で早く効くのが楽天銀行・auじぶん銀行、「働けない状態が続くこと」を幅広く拾うのがSBI新生銀行という整理になります。どちらが優れているという話ではなく、自分が怖いと感じるシナリオがどちらかで選ぶのが実務的です。
借り換えで団信を選ぶときの注意点
- 年齢の条件が最大の関門:手厚い無料保障は「50歳以下」「20〜49歳」といった年齢制限付きです。借り換えは新規借入より年齢が上がってから検討するため、ここで選択肢が絞られるケースが実際に起こります。
- 健康状態の告知が必要:借り換えでは団信に入り直します。いまの健康状態で告知することになるため、当初の借入時には通った団信に、借り換え時には加入できない可能性があります。団信に加入できないと借り換え自体ができない金融機関がほとんどです。
- 免責期間・待機期間がある:がん保障は責任開始日から90日以内の診断確定は対象外というのが一般的です。SBI新生銀行の全疾病保障は実行日から90日が待機期間、8疾病以外は就業不能となってから最初の3か月が免責期間です。
- 上皮内がんは対象外が原則:「皮膚の悪性黒色腫以外の皮膚がん」や上皮内がん(子宮頸がん0期、大腸粘膜内がんなど)は、がん診断保障の対象になりません。
- 完済時年齢の上限:団信の保障は借入期間と同一ですが、満80歳を超える部分は対象外になるのが一般的です。借り換えで期間を延ばす場合は、保障が切れる年齢まで確認してください。
よくある質問
Q. 借り換えのときも団信に入り直す必要がありますか?
A. はい。借り換えは新しい金融機関から借り直す手続きなので、その金融機関の団信に新たに加入します。健康状態の告知が必要で、内容によっては加入を断られることがあります。加入できなければ借り換えもできないのが一般的です。
Q. いまの団信より保障が薄くならないか、どこを見ればよいですか?
A. 「残高が0円になる条件」と「毎月の返済に対する保障の有無」の2点を、現在の契約と並べて比べてください。同じ「全疾病保障」という名前でも、入院日数が条件のものと就業不能状態が条件のものでは、効く場面がまったく違います。
Q. 持病があって団信に通りにくい場合、借り換えの選択肢はありますか?
A. 引受基準を緩和したワイド団信(たとえばauじぶん銀行は年0.300%上乗せ・65歳以下)を扱う金融機関があります。また【フラット35】は団信への加入が任意のため、団信に加入できない場合でも利用できる可能性があります。取扱いの有無や条件は金融機関ごとに異なるため、各社の公式サイトでご確認ください。
Q. すでにがんと診断された後で借り換えはできますか?
A. 告知が必要なため、一般の団信への加入は難しくなるのが実情です。いま加入している団信の保障を失う点も含めて、借り換えの是非は慎重に判断してください。返済が苦しい場合は、借り換えより先に現在の借入先へ返済方法の変更(返済期間の延長など)を相談するほうが現実的なことがあります。
Q. 上乗せ0.200%を払うのと、その分を繰上返済に回すのでは、どちらが得ですか?
A. 損得だけで言えば、何事もなければ繰上返済に回したほうが有利です。上の試算では25年で約55万円の差でした。ただし保険は「何かあったとき」に効くものなので、貯蓄や既加入の医療保険・就業不能保険でどこまで賄えるかとセットで考えてください。上乗せなしで疾病保障が付く銀行を選べば、そもそもこの二択に悩む必要がありません。
まとめ
最新の統計が示しているのは、がんは「かかる人が多く、それでも生きて治療を続ける病気」になったということです。住宅ローンの返済期間は最長35年以上に及び、その間に治療と返済が重なる可能性は誰にでもあります。
借り換えを検討するときは、金利差と諸費用の損益分岐に加えて、「働けない期間をどこまで支えてくれるか」を必ず比較項目に入れてください。とくに年齢条件のある無料保障は、先延ばしにするほど選べなくなるという性質があります。
金利上乗せ0円で就業不能状態をカバーするSBI新生銀行の全疾病保障付団信、がん診断時点で残高が半分になる楽天銀行・auじぶん銀行——それぞれ効く場面が違います。自分と家族にとって現実的なシナリオはどれかを決めてから、金利を見に行く。この順番のほうが、結果として納得のいく借り換えになります。
この記事の内容は各社公式ページなどをもとにした当サイトの調べによるものです。保障内容や支払条件の詳細、最新の取扱状況は、必ず以下の各金融機関の公式サイトでご確認ください。
住宅ローン借り換え.jpのおすすめ特集
借り換えにおすすめの住宅ローンを徹底比較
住宅ローンの金利動向予想記事


