フラット35の団信を比較|金利0.2%差と保障内容・借り換えの注意点

この記事では、これから住宅ローンを借りる方・フラット35へ借り換えようとしている方に向けて、フラット35の団信と民間住宅ローンの団信を比較し、金利差がいくらになるのか、どの年齢まで選べるのか、借り換えのときに何を確認すべきかを整理します。
フラット35の団信は加入が任意。ただし費用は自己負担
民間の住宅ローンでは、団信への加入が原則として必須で、その保険料は金融機関が負担します。そのため利用者は団信の費用を意識せずに借りられます。 一方フラット35では、団信への加入は任意です。健康上の理由などで加入しない選択もできますが、そのぶん費用は金利という形で利用者が負担します。 団信が必須ということは、裏を返せば団信に入れなければ民間の住宅ローンは借りられないということでもあります。過去に大きな病気をした方や治療中の方は、加入審査で断られる可能性があります。この点をカバーするため、民間金融機関では引受条件を緩めた「ワイド団信」を用意する銀行が増えています。ワイド団信の費用は利用者負担で、金利に年0.300%程度が上乗せされるのが一般的です(auじぶん銀行は年0.300%上乗せ・65歳以下が対象、2026年8月時点・公式サイトにて確認)。| 比較の観点 | フラット35 | 民間の住宅ローン(団信) | 民間の住宅ローン(ワイド団信) |
|---|---|---|---|
| 団信への加入 | 任意 | 「団信」または「ワイド団信」への加入必須 | |
| 団信の審査 | 加入する場合のみ | 必ず実施される | 条件を緩和して実施される |
| 費用の負担 | 利用者負担(金利に反映) | 金融機関負担 | 利用者負担(金利上乗せ) |
団信の選び方で、フラット35の金利はいくら変わる?
フラット35の団信には「新機構団信」と「新3大疾病付機構団信」の2つがあり、公表されている金利は新機構団信付きの金利です。ここから、選ぶプランに応じて次のように調整されます。- 団信に加入しない場合:掲載金利 −0.200%
- デュエット(ペア連生団信):掲載金利 +0.180%
- 新3大疾病付機構団信:掲載金利 +0.240%

| 選ぶ団信 | 金利の調整 | 適用金利の目安(2026年8月) | 保障の範囲 |
|---|---|---|---|
| 団信に加入しない | −0.200% | 年3.090% | なし(債務は相続人に残る) |
| 新機構団信 | ±0(掲載金利) | 年3.290% | 死亡・身体障害保障 |
| デュエット(ペア連生団信) | +0.180% | 年3.470% | 夫婦どちらかに万一のとき債務全額が対象 |
| 新3大疾病付機構団信 | +0.240% | 年3.530% | 死亡・身体障害+3大疾病+要介護2以上 |
【借り換え前に必読】フラット35へ借り換えるときの団信チェック3点
借り換えは「金利が下がるかどうか」だけで判断されがちですが、団信は借り換えのときに必ず入り直しになります。当初借りたときの保障がそのまま引き継がれるわけではないため、次の3点は事前に確認しておきましょう。1. 年齢の条件をまだ満たしているか
保障が手厚いプランほど、申込時の年齢制限が厳しく設定されています。- 新3大疾病付機構団信:申込書の記入・入力日現在で満15歳以上満51歳未満(保障は満75歳の誕生日の属する月の末日まで。その後は新機構団信の保障内容に切り替わります)
- 新機構団信:同じく満15歳以上満70歳未満(保障は満80歳の誕生日の属する月の末日まで)
2. いまの健康状態で団信に通るか
最初に借りたときは健康でも、10年経てば持病が見つかっていることもあります。団信の告知は借り換え時にあらためて行うため、審査に通らなければ借り換え自体が成立しません(民間住宅ローンは団信が必須のため)。この点、フラット35は団信に加入しなくても借りられるので、健康状態に不安がある人にとっては借り換え先の有力な選択肢になります。民間で借り換えたい場合は、ワイド団信(金利上乗せ 年0.300%程度)を扱う銀行を候補に入れておくと安全です。3. 諸費用を回収できる金利差か
借り換えには融資事務手数料・登記費用・印紙税などの諸費用がかかります。団信を手厚くすると金利が上がるため、「金利差による軽減額 − 諸費用 − 団信の上乗せ分」がプラスになるかで判断しましょう。保障を厚くすること自体は悪い選択ではありませんが、借り換えの損得計算とは分けて考えるのがコツです。団信の三大疾病・疾病保障を比較
| 比較の観点 | フラット35(新機構団信) | フラット35(新3大疾病付) | SBI新生銀行 | auじぶん銀行 | ドコモの銀行 |
|---|---|---|---|---|---|
| 団信の名称 | 新機構団信 | 新3大疾病付機構団信 | 全疾病保障付団信 | がん50%保障団信 | スゴ団信 |
| 費用負担 | 金利に込み(加入しない場合は −0.200%) | 掲載金利 +0.240% | 上乗せ金利なし | 上乗せ金利なし | 上乗せ金利なし |
| 保障範囲 | 死亡保障 身体障害保障(1級・2級) |
死亡・身体障害保障 3大疾病保障 介護保障(要介護2以上) |
死亡・高度障害保障 すべての病気・ケガ(精神障害等を除く)の就業不能保障 就業不能期間中の毎月の返済額も保障 |
死亡・高度障害保障 がん診断・4疾病の50%保障 全疾病長期入院保障・月次返済保障 |
死亡・高度障害保障 3大疾病の50%保障 全疾病保障(就業不能保障) |
| 年齢の条件 | 申込時 満15歳以上満70歳未満(保障は満80歳まで) | 申込時 満15歳以上満51歳未満(保障は満75歳まで) | 借入時 20〜49歳・完済時80歳未満(一般団信は20〜65歳) | 上乗せなしの対象は借入時満50歳以下(51歳以上は一般団信) | 3大疾病50%保障は借入時満50歳以下(全疾病保障は年齢を問わず基本付帯) |
| 引受保険会社 | 住宅金融支援機構が幹事生命保険会社等と契約 | SBI生命 | ライフネット生命 | SBI生命 | |
| 各保障の細かな支払条件・免責期間・加入可能年齢は、金融機関・引受保険会社・申込時期によって異なります。必ず各社公式サイトと商品説明書で最新の内容をご確認ください(2026年8月時点・各社公式サイトにて確認)。 | |||||
※住宅金融支援機構パンフレットより抜粋
三菱UFJ銀行や三井住友銀行などの大手金融機関でも3大疾病保障などを付帯できますが、その多くは住宅ローン金利に年0.300%程度(銀行・プランにより異なります)が上乗せされます。これと比べると、フラット35の新3大疾病付機構団信の +0.240% は、3大疾病に加えて「原因を問わない要介護2以上」までカバーする内容としてはバランスの取れた水準です。原因を問わない介護保障は、がん・心疾患・脳血管疾患以外の理由で働けなくなったときにも効くため、40代以降の借り換えでは検討する価値があります。
なお、新3大疾病付機構団信は過去にがんと診断された方は加入できません。また、デュエット(ペア連生団信)は新機構団信でのみ利用でき、新3大疾病付機構団信では利用できません。夫婦で連帯債務にする場合は、「保障の厚さ」と「2人で保障を受けること」のどちらを優先するかを選ぶことになります。
50代以降で疾病保障をある程度確保したい場合は、ドコモの銀行のスゴ団信のように全疾病保障が年齢を問わず基本付帯するものや、金利上乗せ型のプランも含めて比較するとよいでしょう。SBI新生銀行は上乗せ金利なしの「全疾病保障付団信」(借入時20〜49歳)を扱っており、就業不能状態が続いたときにローン残高だけでなくその間の毎月の返済額も保障される点が特徴です。50代の方でも一般団信なら20〜65歳まで上乗せ金利なしで加入できるため、借り換え先の候補として検討しやすい銀行と言えます(2026年8月時点・公式サイトにて確認)。
フラット35の団信は途中で解約・変更できる?
民間の住宅ローンでは、団信だけを解約することはできません(費用を負担していないため、解約する意味もありません)。 フラット35でも同様に、「団信込み」で契約したあとに団信だけを解約して金利を下げることはできません。逆に、「団信なし」で契約してから途中で加入することも原則としてできません。途中加入が認められるのは、①契約者本人が亡くなり相続する場合 ②債務引受(支払者の変更)をする場合 ③契約者本人が80歳を迎え、連帯債務者として加入したい場合の3つに限られます。 つまり団信の選択は、申し込みの時点で決め切る必要があるということです。借り換えを機に保障を見直せる数少ないタイミングなので、金利だけでなく団信の中身も並べて比較しておきましょう。 ※2017年9月までの申込みに適用される制度のフラット35を利用中の場合は、団信のみの解約が可能です。フラット35の団信・3大疾病まとめ
- フラット35の団信加入は任意。加入する場合は金利に0.200%が上乗せされる形で費用を負担する(=加入しなければ掲載金利 −0.200%)
- 「団信込み」で契約すると途中で団信だけを解約することはできない。逆に途中から加入することも原則できない
- 機構団信は高度障害保障ではなく身体障害保障を採用しており、一般的な団信より保障範囲は広め
- 新3大疾病付機構団信(+0.240%)は、3大疾病に加えて原因を問わない要介護2以上までカバーする点でコストパフォーマンスが良い
- 手厚い保障ほど年齢制限が厳しい(新3大疾病付は満51歳未満、民間の無料付帯型は借入時50歳以下が中心)。借り換えのタイミングでは「もう選べない」ことがある
- 借り換えは団信の入り直しになるため、年齢・健康状態・諸費用の3点をセットで確認する

