【要注意!】住宅ローンの2年固定・3年固定・5年固定金利の落とし穴
<2024年7月26日追記>
ネット銀行を中心とした変動金利の引き下げ合戦にメガバンクも参入したことで、「2年固定」「3年固定」「5年固定」など極めて短期間の住宅ローン金利を打ち出す傾向は無くなりました。
各金融機関による積極的な変動金利引き下げで、住宅ローン契約者が選択する金利タイプは圧倒的に変動金利が選ばれている状況です。
日銀のマイナス金利政策解除により、ネット銀行を中心に変動金利を引き上げる動きも出ていますが、変動金利が現在の10年固定金利や長期固定金利の金利水準を追い抜くまでに上昇する状況は想定しづらく、引き続き変動金利が最も返済額が少ない金利タイプとして人気を集める状況は変わらないでしょう。
<2020年3月23日投稿>
メガバンクや大手信託銀行による「2年固定」「3年固定」「5年固定」などの短期間の金利をホームページ上などで積極的に露出しています。
下記は2020年3月時点の三菱UFJ銀行の住宅ローンカテゴリのTOPページのキャプチャーです。
3年固定で0.490%という一見低く見える金利を提示していますね。
ネット銀行の住宅ローンの変動金利(例えば、PayPay銀行(旧ジャパンネット銀行)の変動金利:年0.399%(全期間引下型)、SBI新生銀行の変動フォーカス:年0.490%よりも低い2年・3年固定の金利が提示されることもあり、利用者を実際に増やす効果もあってか、定期的に短期間の固定金利タイプの住宅ローンの金利を極端に引き下げる金融機関が後を絶ちません。
ネット銀行の変動金利よりも金利が低いと言われるとそれを選びたくなる気持ちもわかりますが、気を付けなければならないのは短い期間だけの金利が低くてもあまり意味がなく、固定期間終了後の金利の方が重要になるという点です。
具体的に三菱UFJ銀行・三井住友信託銀行の短期間の金利を固定できるタイプの住宅ローンとネット銀行の住宅ローンの金利を確認してみましょう。
2年固定・3年固定金利の金利比較
銀行 | 金利タイプ | 当初固定期間金利 |
固定期間終了後 (変動金利) |
---|---|---|---|
三菱UFJ銀行 | 変動金利 |
年0.625% ~ 年0.775% |
|
3年固定金利 |
年0.490% |
年0.625% ~ 年0.675% |
|
三井住友信託銀行 | 変動金利 | 年0.525% | |
2年固定金利 |
年0.400% ~ 年0.700% |
年0.775% ~ 年1.175% |
|
3年固定金利 |
年0.450% ~ 年0.750% |
年0.775% ~ 年1.175% |
|
PayPay銀行(旧ジャパンネット銀行) | 変動金利 |
年0.399%(全期間引下型) |
|
楽天銀行 | 変動金利 | 年0.527% |
※金利は2020年3月調査時のものを利用。当サイト調べ。
上記は金利を比較している期間が違うので単純比較すべきではありませんが、最初の2年~3年の金利は低くてもその後の金利が高いことがわかります。住宅ローンは借り入れ直後の金利が低いことは有利ではありますが、さすがに2年~3年の金利だけが低くてもあまり意味はありません。そもそも、2年後・3年後に毎月の返済額が増えるのはあまり良い気分ではありません。
固定期間の短い住宅ローンをえらぼうとしている人は、最低限この特集ページで紹介している内容を念頭におきつつ住宅ローンを比較するようにしましょう。
三菱UFJ銀行・三井住友信託銀行の2年固定・3年固定金利の落とし穴①
低い金利が適用されるのは最初の2年・3年だけです。当初固定期間終了後は変動金利が適用されます。そのため、残りの長い返済期間変動金利の金利で返済を続けることになります。最初の2年~3年だけの金利が低いだけではオトクな住宅ローンとは言えません。なによりも2年後・3年後に毎月の返済額が増えるのは気分が良いことではありません。
三菱UFJ銀行・三井住友信託銀行の2年固定・3年固定金利の落とし穴②
住宅ローンの審査によって適用される金利に幅がある。三井住友信託銀行の金利の幅を確認するとよくわかるのですが、適用される金利に大きな幅があります。もっとも低い金利が適用されるのは、住宅ローンの審査で最も良い判定を得た一部の人だけなので注意が必要です。
三菱UFJ銀行・三井住友信託銀行の2年固定・3年固定金利の落とし穴③
三菱UFJ銀行・三井住友信託銀行の住宅ローンの場合、保証料を支払う必要があります。もし住宅ローンの返済と一緒に後払いで保証料を支払う方法を選択した場合、金利に0.2%上乗せされます。つまり、三井住友信託銀行の住宅ローンの2年・3年固定金利は、年0.400%~年0.750%ですが、住宅ローンの審査で適用される金利が年0.750%になって、保証料を後払いで支払うことにした場合、なんと年0.950%です。さらに当初期間終了後の変動金利は年1.350%になってしまう可能性があるわけですね。もし、この金利になってしまったら、「年0.400%や年0.450%」とは何の話だったのか・・・と疑ってしまいたくなるほどです。
三菱UFJ銀行・三井住友信託銀行の2年固定・3年固定金利の落とし穴④
疾病保障が付帯していない点に注意。ここまで金利が低いと単純に金利だけで比較してしまいたくなりますが、auじぶん銀行・住信SBIネット銀行・楽天銀行には「費用負担無しで付帯する疾病保障」が付帯したうえでの金利だということを忘れてはいけません。がんや失業・ケガなどにそなえることができる保障で3行とも独自商品で大変魅力的ですし、追加費用を払う必要が無いのは大きなメリットです。
単純に「金利」だけで比較してもネット銀行の住宅ローンの方が有利だったりするのですが、疾病保障が付帯していることを考えると、それ以上の開きがあるということを理解しておきましょう。
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