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自然災害に備える住宅ローンは必要?火災保険・地震保険と併用?

はじめに。日本は自然災害が多い

日本は自然災害が非常に多い国と言われています。特に世界有数の地震被害の多い国で、世界における日本の国土はわずか0.25%しかないにも関わらず、マグニチュード6以上の地震の発生回数の世界シェアは20%を超えると言われています(参考:内閣府・防災白書より)

 

東日本大震災(2011年3月11日)、熊本地震(2018年4月14日・16日)の大震災はまだまだ記憶に新しいですし、2011年から2014年は北日本の日本海側・関東甲信越で大雪の被害が甚大でした。それ以外にも、広島県で大雨により発生した広島土砂災害、長野県・岐阜県に被害をもたらした御嶽山の噴火など、多数の死者を出した地震・噴火・大雨(大雪)は数多くありますし、家屋が損壊するような自然災害は日本全国で数えきれないほど発生しています。

 

自然災害の被害を受けても住宅ローンは残る

まず、原則として自然災害によりマイホームが損害を受けた場合でも住宅ローンの返済義務は残ります。加えて、マイホームが全壊した場合は新たな住宅を確保する必要がありますし、仮に半壊程度だとしても大きな金額の修繕費が必要になります。つまり、自然災害によりマイホームが損害を受けた場合、既に住めない状態になってしまった住宅に関する債務(借金)と、生活を再建するための費用が必要になってしまうわけです。

 

破産手続きで清算も可能

上記のような状況に陥ってどうしようもない状態になってしまった場合の対策の1つに自己破産を申し立てる方法があります。破産手続きを申請すると、支払能力の有無が確認されて、債務の支払不能と裁判所により認められた場合、債務(借金)を整理することになります。債務だけが整理されるわけではなく、資産を整理して可能な限り債務を返済したうえで破産宣告が為されますので、基本的には全ての資産と債務がなくなりゼロからスタートすることになります。

なお、破産宣告されると5年以上は住宅ローンなどのローンは利用できず、クレジットカードも保有することができないなどのデメリットも存在するのでゼロと言うよりはややマイナスの地点から再建を目指すことになります。

 

自然災害による被災者の債務整理に関するガイドラインとは?

耳慣れない言葉かもしれませんが、自然災害への被災の債務(借金)返済をサポートするガイドラインが2016年から運用されています。このガイドラインは全国の銀行が加入する全国銀行協会が自然災害により住宅ローンなどの返済が困難になった人の債務整理や再建手続きをサポートすることを目的として定められたもので、東日本大震災時に利用された個人債務者の私的整理に関するガイドラインを参考に定められた全国の銀行が模範として利用する自主ルールになります。そのため、法令でもなんでもありませんので、必ずしもこのガイドラインに定めらるとおりの債務整理が行えるわけではない点は注意は必要です。(ただし、全国の銀行を束ねる協会が示す自主規制ですので、条件に合致さえすれば利用できる可能性は高いと考えて問題ありません)。

この手続きにより債務整理が進められた場合、個人信用情報に登録されない(ブラックリスト扱いにならない)という点が1つ目のメリットです。その為、債務整理後に新たなローンの借り入れも可能ですし、クレジットカードなどもすぐに保有できる可能性があります。加えて、破産手続きと異なってすべての財産を差し出す必要がないというメリットもあります。

 

なお、このガイドラインに基づいて住宅ローンの返済を免責できる人は、「住居が災害の影響を受けたことによって、住宅ローン、住宅のリフォームローンの返済がができない・または近い将来に返済できなくなることが確実であること」や「過去にローンの返済が滞ったことがないこと」などの条件がありますし、破産手続きに比べれば有利に債務整理が行えますが、マイホームを手放さなければならないことに違いはありませんし、再建が困難な状況には違いはありません

 

自然災害時債務免除特約付住宅ローンの登場

そんな中で最近注目を集めているのが「自然災害時債務免除特約」が付帯する住宅ローンです。三井住友銀行が日本で初めて提供を開始して話題を集めた商品で、その後、いくつかの銀行が取り扱いを開始しています。最近では新生銀行が2017年10月から「安心パックS」という商品名で取扱いを開始しています。

 

ここからは「破産手続き」や「自然災害債務免除ガイドライン」などの債務整理の方法が用意されている、しかも自然災害に備える保険として「火災保険」「地震保険」がすでに存在するにも関わらず、わざわざ住宅ローンに「自然災害時債務免除特約」を付帯させる意味があるのかを考えてみたいと思います。

 

政府や銀行により自然災害に被災した人へのサポートは徐々に整備されてきていますが、どうしてもセーフティネットをどのように作るかの議論が中心となります。その為、被災後もできるだけ高い水準の生活レベルを維持できるようにするには、自然災害にも自らの手で備えておくことが重要になってきます。

 

住宅ローンの自然災害時債務免除特約とは?

住宅ローンの自然災害時債務免除特約についてはこちらの記事でも詳しく紹介していますが、自然災害時債務免除特約とは、自然災害で住居が損壊した時に一定の期間について住宅ローンの返済を免除するものです。破産や債務免除などと違って、「資産の整理」が伴いませんし、住宅ローンの返済能力があったとしても条件を満たすことで一定期間住宅ローンの返済が免除されるという点がまず最初のポイントです。

 

自然災害に備えるための基本は火災保険

住宅を購入する際に加入するのが火災保険も自然災害にも対応しています。対応しているというよりも、基本的な自然災害への備えは火災保険です。なお、一般的な火災保険には「地震・噴火やそれらに対する津波」への保障は含まれませんので、地震への備えを追加したり手厚くしておきたい場合は地震保険などを追加で付帯することが基本になります。

 

地震保険は保険金の割に掛け金が高い

ここでポイントになるのは地震保険による保険金の金額です。日本は地震大国で地震が頻発するうえに、大規模地震が発生した場合、地震による保険金の支払いで保険会社の経営が揺らぐ危険性すらあります。その為、地震保険の扱いについては保険会社も慎重になっています。

そのため、地震保険は単体では加入できず、火災保険にセットする形で加入しなければならなかったり、地震保険による保険金は火災保険の30%~50%程度となることが一般的だったりします。仮に1500万円(建物のみ)の評価額の物件の場合、火災保険の保障範囲に該当する場合は1500万円の保険金になりますが、地震保険の範囲の場合は、最大(全壊)50%の750万円の保険金の受け取りになります。

この750万円を受け取る地震保険に加入する場合、追加の保険料を年間で2万円~3万円(10年間で20万円~30万円)程度の保険料を負担しなければならない、という構図になっています。

 

ここで考えなければならないのが①火災保険の半分の保険料で問題ないかと②10年間で20万円~30万円の保険料を支払えるか(支払う気があるか)です。それぞれを言い換えると「①は火災保険では物件の評価額の半分しかカバーされないことを不安に感じるか」であり、「②は750万円の保険金の為に20万円~30万円の保険料を払いたくないと感じるか」です。

 

もし、①のように考える場合、「住宅ローンに自然災害時債務免除特約」を付帯させるのは非常に効果的です。例えば、毎月10万円の住宅ローンを返済している場合「自然災害時債務免除特約」の条件を満たした場合、最大で24か月住宅ローンの返済が免除されますので、保険金総額としては240万円相当になりますので、地震・噴火に対する備えを手厚くすることができます。

 

②のように考える場合、地震保険には加入せずに「住宅ローンに自然災害時債務免除特約」を付帯させて最低限の備えを行うと言った対応が考えられます。ただし、三井住友銀行などの住宅ローンの自然災害時債務免除特約は金利に0.1%上乗せになるので費用負担が大きくなってしまいますので注意が必要です。その分、「火災保険の補償範囲」の部分は重複してカバーされるので手厚い保障になります。

 

<自然災害時(地震・噴火を含む)の保障を手厚くしたい人>

・火災保険+地震保険+住宅ローンに自然災害時債務免除特約を付帯

 

<自然災害時(地震・噴火以外)の保障を手厚くし地震・噴火には少し備えたい人>

・火災保険+住宅ローンに自然災害時債務免除特約を付帯

※地震保険には加入しない

 

新生銀行の安心パックSの費用対効果は高い

自然災害に備える住宅ローンとして2017年10月にスタートした新生銀行の住宅ローン「安心パックS」は、+54000円の事務手数料を契約時に支払うだけで10年間の自然災害債務免除特約を付帯させることができる商品です。他の金融機関の自然災害債務免除特約と比較しても地震保険の10年間保険料と比較しても非常に割安となっています。

 

筆者は自然災害債務免除特約の付帯する住宅ローンは利用価値が低い(金利に0.1%上乗せという保険料負担の大きさに比べて得られるメリットが少ない)と考えていましたが、新生銀行が今までの常識を覆す程の低い経済負担で提供したことでその考えを改めました。

 

自然災害・地震災害への備えの基本は「火災保険」+「地震保険」ですが、先ほど紹介したように5万円程度の費用負担(で払いきり)であれば、備えを手厚くする目的としても、最低限に備える目的としても利用できますので、使い勝手は良いでしょう。

 

新生銀行の安心パックSの保障内容の確認はこちらから

 

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