アルヒの変動金利住宅ローン「ARUHIスーパー40(ARUHI変動S)」のメリット・デメリットとは?
ARUHI スーパー40は、2024年9月30日(月)をもって仮審査の新規受付を停止となります。
フラット35取扱件数で1位を獲得し続けているアルヒが、2022年5月に「ARUHI変動S」という変動金利タイプの住宅ローンの商品性を改定したARUHIスーパー40の取り扱いを開始しました。
※上記をクリックするとフラット35のページが表示されますが「来店予約」すればARUHIスーパー40についても相談できます。
ARUHIスーパー40は、アルヒと静岡銀行グループが業務提携して提供されている住宅ローンです。住宅ローンそのものはARUHIが提供しますが、静岡銀行グループの静銀信用保証株式会社がその住宅ローンの保証業務を担当する形で提供されています。この特集記事ではそんな「ARUHIスーパー40」のメリット・デメリットについて解説しています。
目次
まず、ARUHIスーパー40の金利を確認しておきましょう。
ARUHIスーパー40の金利(2022年5月)
auじぶん銀行や住信SBIネット銀行などのネット銀行などが提供している変動金利タイプの住宅ローンの金利水準に比べると、ARUHIスーパー40の金利水準はやや割高になっていることがわかります。
保証会社である静銀信用保証に対する保証料はこの金利に含まれていますが、それを考慮しても若干割高な水準です。事務手数料も融資金額の2.20%支払う必要がありますので、通常であればこの住宅ローンを選択する理由はあまりなさそうにみえます。
続いて、事務手数料・保証料・一部繰上返済手数料・団信など住宅ローンの基本的な商品性について確認しておきましょう。
ARUHIスーパー40の特徴
利用できる人
年齢:申込時の年齢:満18歳以上満65歳未満(完済時年齢が満80歳未満)
国籍:日本国籍または永住許可
年収:税込年収で100万円以上
年間返済負担率:40%以内
団体信用生命保険:加入必須
資金使途
本人・家族が住む新築住宅の建設・購入資金、中古住宅購入資金、リフォーム資金
本人・親族が住む住宅のリフォーム資金
その他、上記に関連する諸費用
※セカンドハウス不可、また借り換えには対応していない
団体信用生命保険
保険料はアルヒが負担。加入必須。(ARUHI団体信用生命保険)
保証料
住宅ローンの金利に含む
※「適用金利は、基準金利および保証料率をもとに決定される」とある。つまり、保証料率は審査によって決定されそれが金利に反映されるので実質としては保証料を負担
※保証会社は静岡銀行グループの静銀信用保証
事務手数料
融資金額の2.20%(税込)、最低事務手数料は22万円(税込)
一部繰上返済手数料
一部繰上返済手数料:インターネットの場合は無料、店頭・郵送は1.1万円(税込)
全額繰上返済手数料:5.5万円(税込・インターネット受付無し)
ARUHI スーパー40は、2024年9月30日(月)をもって仮審査の新規受付を停止となります。
ARUHIスーパー40のメリット
金利・商品内容を確認する限りでは①金利が高い、②事務手数料も高い、③保証料も実質的に負担、④一部繰上返済手数料も安くない、⑤団体信用生命保険への加入必須となっていますのでそんなに魅力的ではないように感じますが、自営業の人にとってはかなり魅力的な住宅ローンに様変わりする可能性があります。
続けて、ARUHIスーパー40のメリットを確認していきたいと思います。
小さ目の戸建て住宅にも対応
フラット35は戸建て住宅の場合70㎡以上、集合住宅の場合30㎡以上の床面積がある住宅が対象です。一方で、ARUHIスーパー40は40㎡以上の戸建て住宅でも利用可能となっています。
例えば、auじぶん銀行の住宅ローンを利用できるのは戸建て住宅の場合30㎡以上なので、ARUHIスーパー40だけが比較的小さめの戸建て住宅に対応しているわけではありませんが、フラット35を利用と比較して利用できる物件の範囲が広めに設定されています。
年収100万円でも借り入れ可能
ポイントになるのはこの年収制限の低さです。年収100万円から利用できます。この年収基準の低さ「節税目的で所得を少なくしている自営業・個人事業主の人」にとってはかなり魅力的です。
返済負担率が40%まで
低い年収基準と合わせ技で効果を発揮するのが返済負担率基準の甘さです。通常、返済負担率は30%~35%が上限、実質的には20%~25%が借り入れ額の目安とされています。
ARUHIスーパー40の場合、返済負担率は40%を上限としていますので、年収・収入に対して借り入れできる金額が多いことになりますので、他社の住宅ローンで希望金額が借り入れできなかったりするケースでもARUHIスーパー40であれば満額融資してもらえる可能性があることを意味しています。
返済負担率基準が甘めで融資を受けやすいとされるフラット35でも年収400万円未満の場合の返済負担率は30%です。例えば、年収200万円・35年返済・金利1.5%でフラット35の返済負担率の30%以内に収まるのは約1,600万円の借り入れです。同じく年収200万円・35年返済・金利0.9%でARUHIスーパー40の返済負担率40%に収まるのは約2,400万円です。800万円近い多い金額を融資してもらえる可能性があるわけです。
※実際の借り入れ可能金額は審査によって決定されます。
実質的な世帯年収も評価
ARUHIスーパー40の審査では、申込人本人以外の「家族や親の金融資産」「勤務先(ビジネス)の状況」「年齢」などを含んで、実質的な世帯年収や将来の計画性も評価してくれます。たとえ、額面上の年収が少ないとしても将来の計画性に問題がないと判断されれば審査に通る可能性があります。これはたくさんの住宅ローンがある中でも珍しい存在と言えます。
事務所・店舗との併用住宅にも利用可能
店舗や事務所と併用した住宅でも利用可能で住宅部分の床面積が全体の1/2以上という条件を満たせば利用可能となっています。美容室や個人事務所など自宅を職場として利用しているケースなどに利用しやすいのは条件に該当する人にとっては大きなメリットです。
フラット35と同日・同時申込が可能
アルヒではフラット35も取り扱っているわけですが、1度の来店でフラット35とARUHIスーパー40に同時に申込できるのも特徴です。ARUHIスーパー40は、基本的に静岡銀行のグループ会社の静銀信用保証が審査を行っているのでフラット35とは審査基準が大きく異なります。
どちらにしても1度の来店で両方に申し込んで条件と審査結果を確認して選べば良いのは大きなメリットです。
まとめ
結論としてARUHIスーパー40は、「自営業・個人事業主で、節税の為に所得をできるだけ抑える努力をしている人が、自宅兼事務所として家を買ったり、リフォームしたいと考えた時の最有力の住宅ローン」だと思います。
まず、「正社員で年収100万円程度の人はほとんどいないと思いますが、自営業で年収100万円は十分にあり得ます。例えば、年収200万円の自営業が年収300万円や400万円のサラリーマンよりも経済的に余裕があることはよくある話です。自営業や個人事業主を営んでいる人は、税金を考えて可能な限り経費に計上して所得を抑えるように努力しているからですね。
「年収100万円以上」、「返済負担率40%まで」、「変動金利を中心に据えて融資可能額を最大化」、「自宅兼事務所でも利用可能」という4つを兼ねたARUHIスーパー40は、節税の努力をしている自営業・個人事業主を行っている人向けに最適な住宅ローンと言えますし、ARUHIも明らかにそのような人にターゲットを絞ってこの住宅ローンを開発していますね。
自営業・個人事業主にとって必要な「節税」。ただし節税を優先して所得を低くすると「住宅ローンを借りにくい」というデメリットが生まれます。
ARUHIスーパー40は、事務手数料・保証料・一部繰上返済手数料・金利など、表面的な金利や商品性が有利とは言いにくい住宅ローンかもしれませんが、住宅ローンを借りるために経費計上をあきらめて納税額が10%も20%が増えることに比べれば低い所得で高い金額を借り入れできるARUHIスーパー40を利用した方がかなりオトクになるでしょう。
節税中の自営業・個人事業主の救世主的存在になりそうなARUHIスーパー40。上記のような条件を満たす人は、最寄りのアルヒ店舗に相談してみましょう。きっと、他の金融機関よりも良い返事がもらえることと思います。
※一般的に返済負担率40%は、住宅ローンの返済負担が大きく安定的に返済していくことが難しい水準です。毎月の返済額と収入をしっかり確認して無理のない返済計画になることをご自身で確認してから利用するようにしましょう。
ARUHI スーパー40は、2024年9月30日(月)をもって仮審査の新規受付を停止となります。
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