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フラット35から変動金利への借り換えはアリ?損益分岐で判断【2026年】

フラット35から変動金利への借り換えを検討するイメージ

固定金利タイプと変動金利タイプの金利差が大きく開いたままで、フラット35(固定金利タイプ)から変動金利タイプへの借り換え効果を試算する価値が高い状況が続いています。2026年8月の【フラット35】の最も多い金利(借入期間21年以上35年以下・融資率9割以下・新機構団信付き)は年3.290%。前月の年3.140%から0.150%ポイント上がり、3%台が続いています。一方、当社編集部が2026年8月に主要12の金融機関の公式サイトを確認し、借り換え用の変動金利(最優遇)13件を集計したところ、最も低いもので年0.950%、中央値で年1.130%、最も高いものでも年1.347%でした。固定と変動の差はなお2%ポイント超という水準です。

元々、フラット35のように返済終了までの金利を完全に固定できるタイプの住宅ローンは、変動金利と比較すると金利が高く設定されます。加えて近年は長期金利の上昇を受けて固定金利タイプの上げ幅が先行し、変動金利タイプとの差はむしろ広がりました。

 

もちろん、フラット35を利用していると金利の上昇を気にしなくても良いというメリットはあるのですが、借入中の人であっても金利の動向に注視して借り換えにより総返済額を減らせないか検討することが望ましい住宅ローンでもあります

 

この特集ページでは、フラット35を利用している人がどのような住宅ローンに借り換えを検討すべきなのかを、金利差と諸費用の損益分岐を軸に解説していきたいと思います。

 

一般的に、フラット35で借り入れている人は、借り換えるときに再度フラット35を選ぶ傾向があると言われています。

理由としては、①金利上昇リスクに備えたい考えが変わらない、②住宅ローン審査の都合上フラット35以外の住宅ローンが難しいなどの理由が考えられます。その考えや事情を否定するものではありませんが、当サイトでは「フラット35から変動金利への借り換えを検討する価値は十分ある」と考えています。ただし後述のとおり、日銀の利上げで変動金利も上昇し始めているため、「金利差・諸費用・金利上昇への許容度」の3点をセットで確認することが以前にも増して重要になっています。

 

フラット35の金利は今どこにある?(2026年8月時点)

【フラット35】の借入金利は、住宅金融支援機構が取扱金融機関への提供金利の範囲と「最も多い金利」を毎月公表しています。2026年8月分(新機構団信付き・融資率9割以下)は次のとおりです。

商品・返済期間融資率最も多い金利(2026年8月)
フラット35(21年以上35年以下)9割以下年3.290%
フラット20(20年以下)9割以下年2.970%

9割以下・21年以上35年以下の「最も多い金利」は2026年6月が年3.210%、7月が年3.140%、8月が年3.290%と推移しました(いずれも住宅金融支援機構の公表値。当社編集部が各月に確認)。融資率が9割を超える場合や、借換融資の場合は適用される金利が異なりますので、ご自身の条件は機構の公式ページでご確認ください。返済期間・融資率・団信の組み合わせで金利が変わるため、自分の条件に当てはまる欄を見ることが大切です。デュエット(ペア連生団信)を付ける場合は掲載金利に年0.180%、新3大疾病付機構団信は年0.240%が上乗せされます。

2026年8月時点の借り換え用金利の比較。変動金利は年0.950〜1.347%、フラット20が年2.970%、フラット35が年3.290%であることを示す棒グラフ
変動金利は当社編集部が2026年8月4日に主要12の金融機関の公式サイトを確認した借り換え用の最優遇金利13件(最低・中央値・最高)。フラット35・フラット20は住宅金融支援機構が公表する2026年8月の最も多い金利(融資率9割以下・新機構団信付き)。

 

フラット35からフラット35への借り換え

フラット35はフラット35に借り換えることが可能ですし同じ金融機関に借り換えることも可能です。商品性が同じなので安心して行えますが、現在は新規のフラット35の金利(2026年8月:年3.290%)が、過去の低金利期に借りた人の金利を上回っているケースが大半です。例えば2016〜2021年頃にフラット35を1%台で借りた人が今のフラット35に借り換えると、むしろ金利が上がってしまいます。

そのため、フラット35からフラット35への借り換えでメリットが出るのは、3%前後の高金利期に借りたまま現在まで返済を続けているような限られたケースと考えておきましょう。その場合のポイントは2点で、1点目は最も低い金利で提示している金融機関を選ぶこと(多くの金融機関が同じ金利で横並びのため決め手にはなりません)、2点目が「手数料」です。低い金利でフラット35を提供している金融機関の大半は「借入金額×2.20%(税込)」の手数料がかかりますので、決め手になるのはこの手数料です。

なお、借り換えでフラット35を利用する場合は、返済期間が20年以下になれば「フラット20」の金利(2026年8月:年2.970%)が適用されます。残期間が短い人ほど適用される金利が下がる点は覚えておきましょう。

手数料の比較については フラット35の借り換え手数料を徹底比較/安い金融機関はドコ? を一読ください。

 

フラット35から変動金利への借り換え

変動金利タイプは、当社編集部が2026年8月に主要12の金融機関の公式サイトを確認したところ、借り換え用の最優遇金利は13件で年0.950%〜年1.347%(中央値 年1.130%)でした。新規のフラット35(年3.290%)と比べると、なお2%ポイントを超える差があります。フラット35を1%台後半で借りている人にとっても、変動金利との間には意味のある金利差が残っています。

 

なお、2024年3月の日銀のマイナス金利政策解除以降、利上げを受けて変動金利もかつての年0.3〜0.4%台から年1%前後へ上昇しています。「変動金利は常に超低金利」という前提はすでに過去のものになっているため、借り換え後の金利上昇も織り込んで判断する必要があります。

 

残高2,000万円・残り20年でいくら違うのか(当社実測金利にもとづく試算)

当社編集部が2026年8月に各行公式サイトで実測した適用金利をもとに、「借り換え後の残高2,000万円・残り20年」という共通条件で毎月返済額と総返済額を試算しました。比較のため、いまの適用金利のまま返済を続けた場合も並べています。

借り換え先(金利)毎月返済額総返済額(概算)いまが年1.800%の場合との差
借り換えず 年1.800%のまま99,293円約2,383万円
変動 年0.950%へ(実測の最低水準)91,533円約2,197万円約186万円の削減
変動 年1.130%へ(実測の中央値)93,143円約2,235万円約148万円の削減
フラット20 年2.970%へ(固定のまま借り換え)110,619円約2,655万円約272万円の増加

※変動金利・フラット20の行は、当社編集部が各行公式サイトで実測した2026年8月適用金利(確認日 2026年8月4日)にもとづく当社試算です。元利均等・毎月返済のみ(ボーナス返済なし)、事務手数料・保証料・団信上乗せ・登記費用などの諸費用は含みません変動金利の総返済額は、全期間にわたって金利が変わらないと仮定した概算で、実際は半年ごとに見直されます。「借り換えず年1.800%のまま」の行だけは実測金利ではなく、いまの適用金利の一例として当編集部が同じ計算式で算出した参考値です(特定の金融機関の商品ではありません)。毎月返済額は円未満切り捨て、総返済額は毎月返済額×返済回数の概算のため、金融機関の公式シミュレーションと数百円〜数千円の差が出ることがあります。

残高2,000万円・残り20年で借り換え先ごとの総返済額を比較した棒グラフ。変動金利へ借り換えると総返済額が減り、フラット20へ借り換えると増えることを示す
元利均等・ボーナス返済なし・諸費用を含まない概算。変動金利は全期間で金利が変わらないと仮定。金利は2026年8月適用分(当社実測・確認日2026年8月4日)。

ここから読み取れることは3つです。

1つ目は、変動金利へ借り換えた場合の削減効果は、諸費用(後述のとおり60万〜80万円が目安)を差し引いてもプラスが残るということ。いまの金利が年1.800%なら、削減額(約148万〜186万円)から諸費用60万〜80万円を引いて、約68万〜126万円が手元に残る計算です。

2つ目は、いまの金利水準が低いほど効果は小さくなるということ。同じ条件でいまの金利が年1.500%なら削減効果は約81万〜119万円まで縮み、諸費用を引くとほとんど残らない〜60万円弱にとどまります。逆にいまが年2.500%なら削減効果は約308万〜347万円で、諸費用を引いても約228万〜287万円が残ります。

3つ目は、いまの金利が3%前後でない限り、フラット35から再びフラット35(フラット20)へ借り換えると総返済額は増えるということです。固定を続けたいという判断そのものは合理的ですが、「借り換えれば安くなる」わけではない点は押さえておきましょう。

 

諸費用はいくらかかる?損益分岐の計算方法

借り換えで得になるかどうかは、「金利差による利息軽減」と「借り換えの諸費用」のどちらが大きいかで決まります。一般的な目安として「金利差1%ポイント以上・残債1,000万円以上・残期間10年以上」がそろえばメリットが出やすいと言われますが、これより条件が小さくても諸費用次第でプラスになるケースはあります。主な諸費用は以下のとおりです。

諸費用の項目金額の目安備考
事務手数料借入金額×2.20%(税込)など定額型(3万〜33万円程度)の金融機関もあり
登録免許税(抵当権設定)借入金額×0.4%(本則)0.1%の軽減税率は住宅の新築・取得後1年以内の登記などが要件のため、借り換えでは通常適用されません
登録免許税(抵当権抹消)不動産1件につき1,000円土地・建物それぞれにかかります
司法書士報酬5万〜10万円程度依頼先により異なる
印紙税2万円程度(借入2,000万円の例)電子契約では不要となる場合あり(別途、電子契約利用手数料がかかることがあります)
全額繰上返済手数料0〜5.5万円程度現在の借入先に支払う

※金額は一般的な目安です。登録免許税の軽減措置の適用可否は個別の事情で変わりますので、正確な金額は各金融機関の見積もりと、司法書士・法務局にご確認ください。

借入金額2,000万円で事務手数料が定率型(2.20%=44万円(税込))の場合、登記費用や司法書士報酬を含めた諸費用はおおむね60万〜80万円が目安になります。上の試算表の削減額からこの金額を引いた残りが、実際の借り換えメリットです。金額は登記費用や司法書士報酬で上下するため、見積もりが出たら必ず計算し直してください。

 

変動金利に借り換える場合の注意点(金利上昇リスク)

フラット35から変動金利への借り換えは、「金利が完済まで確定している安心」を手放して、金利上昇リスクを自分で引き受ける選択です。次の点は必ず確認しておきましょう。

5年ルール・125%ルール:多くの銀行の変動金利(元利均等返済)では、金利が上がっても毎月返済額は5年間変わらず、見直し時も直前の125%が上限になります。ただし返済額が変わらなくても利息の負担自体は増えており、元金均等返済には原則としてこれらのルールがありません。SBI新生銀行のように、元利均等返済でも5年ルール・125%ルールを採用していない銀行もあります(返済額はすぐ動く代わりに、未払利息が積み上がりにくいという考え方です)。

基準金利の見直し時期は銀行ごとに違う:例えば三菱UFJ銀行は、2026年6月16日発表の短期プライムレート引き上げを受けて2026年9月1日から変動金利の基準金利を見直し、以降は毎月1日を基準日とすると公表しています(2026年9月分の基準金利は2026年8月31日に発表予定)。年2回の定例見直しから毎月の見直しへ変わる例もあるため、借り換え先を選ぶときは見直しの頻度と返済額への反映時期まで確認しておきましょう。

家計の余裕:仮に金利が1%ポイント上昇しても返済を続けられるか、事前に試算しておきましょう。上の条件(2,000万円・20年)なら、年1.130%が年2.130%になると毎月返済額は93,143円から102,412円へ、およそ9,300円増える計算です。

残期間が長い人ほどリスクも大きい:金利差によるメリットが大きい一方、将来の金利上昇の影響を受ける期間も長くなります。

 

今後の住宅ローン金利の見通しは

日本銀行は2024年3月にマイナス金利政策を解除し、その後の利上げを経て2026年6月16日には政策金利の誘導目標が年0.75%程度から年1.0%程度へ引き上げられました。1995年9月以来、約31年ぶりの水準です(その後7月末の会合では据え置きが決まっています)。「金利のある世界」に戻ったことで、市場では今後の追加利上げも意識されており、変動金利も以前のような超低水準が続く保証はありません

一方で、固定金利(フラット35)は長期金利の上昇を先に織り込んで大きく上昇しており、変動金利と固定金利の金利差はむしろ広がっています。この金利差がある限り、フラット35から変動金利への借り換えメリット自体は依然として大きい状況です。

そのうえで、当サイトは将来の金利動向を確約することはできません。「いま得られる金利差のメリット」と「将来の金利上昇リスク」を天秤にかけ、損益分岐と家計の余裕を確認したうえで判断することをおすすめします。この特集が1つの参考情報になれば幸いです。

 

よくある質問(FAQ)

Q.フラット35から変動金利への借り換えはどんな人に向いていますか?

A.残債・残期間が大きく金利差のメリットを取りやすい人で、かつ将来の金利上昇にも家計で対応できる余裕がある人に向いています。逆に、返済額が確定している安心を最優先したい人はフラット35のまま返済を続ける選択も合理的です。

Q.借り換え先はどう選べばよいですか?

A.表面金利だけでなく、事務手数料・団信の内容・繰上返済のしやすさまで含めた総コストで比較しましょう。例えばSBI新生銀行の住宅ローン(変動金利)は、保証料0円・一部繰上返済手数料0円・一般団信の保険料0円で、事務手数料は借入金額の2.20%(税込)。SBIハイパー預金の利用者向けに変動金利(半年型)の当初借入金利を年0.090%引き下げるプログラムもあり、店舗相談とオンライン手続きの両方に対応しています。こうした諸費用・使い勝手まで含めて複数行を比較するのがおすすめです(最新の金利・条件は各社公式サイトでご確認ください)。

Q.フラット35から民間の変動金利へ移るとき、審査で気をつけることは?

A.フラット35は物件の技術基準を重視する一方、民間の住宅ローンは返済負担率・勤続年数・健康状態(団信の加入可否)をより細かく見ます。フラット35は団信への加入が任意であるのに対し、民間の多くは団信加入が必須のため、健康上の理由で団信に入れず借り換えできないケースがあります。これまでの返済実績に延滞がないことはプラス材料になります。審査の結果によって適用金利や上乗せ金利が変わることもあるため、条件が確定してから損益分岐を計算し直しましょう。

Q.フラット35に戻したくなったら、また借り換えられますか?

A.制度上は、変動金利からフラット35へ借り換えることもできます。ただしそのつど事務手数料・登記費用などの諸費用がかかり、そのときのフラット35の金利が適用されます。「金利が上がったら固定に戻せばよい」という前提で変動を選ぶと、戻したいタイミングでは固定金利がすでに上昇していることが多い点に注意してください。

 

※本ページに記載の金利・手数料・団信の内容は変更されることがあります。最新の取り扱い状況は必ず各金融機関・住宅金融支援機構の公式サイトでご確認ください。

 

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