50代の住宅購入・借り換えと住宅ローン審査|年齢制限・返済計画・団信のポイント

目次
50代で住宅を購入するメリット
このコラムでは、50代での住宅購入のメリットと、住宅ローン審査で押さえておきたいポイントを解説します。借り換えを検討している50代の方にも役立つよう、返済計画や金利の考え方もあわせて整理しました。
住宅ローンを利用する人の中では、50代はやや高齢といえる年代です。しかし医療の発展と長寿化が進む日本では、50代は人生の折り返し地点といっても過言ではなくなりました。50代で新しい家を購入し、新たなマイホームで生活を始める人は今後も増えていくと見られています。

まずは統計データを確認しておきましょう。日本では少子高齢化が進み、長生きする人が増えています。晩婚化も進み、住宅購入のタイミング(≒住宅ローンの利用タイミング)も高齢化が進んでいます。
住宅金融支援機構の【フラット35】利用者調査でも、住宅購入・住宅ローン利用の中心はいまも30代・40代であることに変わりはありませんが、50代の利用も一定の割合を占め続けています。下表は2016年度の年代別利用者数(参考データ)ですが、こうした傾向は近年も続いており、住宅ローンを契約する人の一定数が50代であることがわかります。
参考:【フラット35】の年代別利用者数(2016年度・住宅金融支援機構)
| 地域 | 合計 | ~24 | ~29 | ~34 | ~39 | ~44 | ~49 | ~54 | ~59 | ~64 | 65~ |
| 全国 | 76,101 | 1,365 | 8,990 | 17,446 | 16,416 | 12,060 | 6,883 | 4,421 | 3,425 | 2,485 | 2,610 |
※住宅金融支援機構公表の2016年度【フラット35】利用者の実態調査結果集計表より(参考データ。最新の年代別データは住宅金融支援機構の利用者調査でご確認ください)。
住宅ローンの借り換えを除けば、50代で住宅ローンを契約する≒50代でマイホームを購入する、という意味になります。50代でももちろん住宅ローンは問題なく利用できますが、完済時の年齢が70歳~80歳になり借入期間が短めになりやすい点、また疾病保障などに加入できないケースがある点が注意点です。
人生100年と考えると・・・
50代でマイホームを買い、住宅ローンを契約するのは、老後を考えると心配ごとが多いように感じるかもしれませんが、人生100年時代を前提にするとメリットも多くあります。
まず、平均寿命の問題です。1950年ごろは約60歳だった日本人の平均寿命は、1990年ごろには男性76歳・女性82歳まで伸び、近年の調査では男性約81歳・女性約87歳まで長くなっています(厚生労働省の簡易生命表による。最新値は時点により変動します)。
さらに、今から約40年後の2060年代には、男性は84歳を超え、女性は90歳を超えるという予測も発表されています。つまり50歳は、近い将来、本当に人生の折り返し地点に過ぎなくなるわけです。
50代で住宅ローンを組む≒住宅を購入するメリットとして、まずあげられるのは住宅の老朽化への対策です。30代で購入・建築した住宅は100歳になるころには築70年になりますが、50代で購入・建築した物件は、100歳になっても築50年未満です。
一般的に、住宅の耐用年数はマンションでは100年、木造戸建てでは50年などと言われます。ただし実際には30年~40年でリフォームが必要と言われ、大切に使って50年持つかどうか、というのが実情です。戸建ての場合、築70年になっても問題なく住める物件はほとんどないでしょう。耐用年数を超えた物件は危険を伴い、何よりも快適性が損なわれます。
住宅購入タイミングが50代であれば、老後の生活を比較的築年数の浅い快適な住宅環境で過ごせる効果があります。その時点での最新技術が組み込まれた、より快適性の高い住宅に入居できることにもなります。
加えて、50代(または60代)は、家庭環境によりますが子供が独り立ちしていく時期でもあります。それまで必要だった子供部屋が空き部屋になり、夫婦で生活するスペースがあれば十分快適に暮らせるようになります。
広い住宅は維持・メンテナンスも大変で、光熱費もかさみがちです。50代での住宅購入は、その後の人生を見据えながら、必要十分で経済的かつ利便性の高い住宅を選びやすいのが利点です。子供がいない単身者の場合も同様に、今後の生活に必要なスペースや間取りを意識して住宅を選べます。これは50代で住宅を購入する大きなメリットの1つです。
また、実際に50代で住宅を購入・建築する人は、快適な老後生活を考えて「バリアフリー」を意識した住宅に住み替えることが多いと言われます。老後の生活を考えて住む地域を自由に決められるのもこの年代の強みで、子供の近くを選ぶ人もいれば、自然豊かな地域を選ぶ人もいます。広さを求めなければ、都心でも快適な住宅を比較的安価に手に入れることが可能になります。
このように50代での住宅購入や住み替えには、若い世代ではあまり考えていなかったポイントを見つめ直したうえで住宅を選べるメリットがあります。
50代の住宅ローン審査のポイント
次に、住宅ローンの審査で押さえておきたいポイントを見ていきましょう。
何歳まで働くのか・働けるのかは人によって違いますが、まず最初に気にしなければならないのは住宅ローン審査における年齢制限です。一般的な住宅ローンでは完済時の年齢を80歳未満としているところが多く、たとえば55歳であれば最長25年で住宅ローンを組むことになります。
合理的に住宅を選べば住宅価格を抑えやすいとはいえ、ある程度の自己資金を用意するなど、借入金額をできるだけ少なくしておかないと、返済負担が老後生活の足かせになる可能性があるので注意が必要です。
例えば、2,000万円の住宅ローンを55歳(金利は年1%、期間25年、元利均等返済)で組んだとしましょう。
毎月の返済額は約7.5万円、総返済額は2,260万円程度になります(完済時年齢は80歳程度)。80歳まで返済を続ける計画はあまり好ましくないため、現役世代のうちに繰上返済を進め、定年を迎えるころには残高をできるだけ減らしておくよう心がけましょう。50代での住宅購入はメリットが多い一方で、返済計画をしっかり立てる必要がある点は必ず念頭に置いておきましょう。
例えば上記の例で毎月7.5万円を繰上返済(期間短縮型)し、毎月あわせて15万円を返済に回した場合、完済までの期間は約12年になり、完済時年齢を80歳⇒67歳に早めることができます(最初から12年で組む方法もありますが、不測の事態に備え、契約上は長めに組み、繰上返済で総返済額・期間をコントロールするのがおすすめです)。特に借入当初は利息負担が大きく、早めの繰上返済が効果的です。
やはり資金計画が重要です。今の住まいが持ち家で、住宅ローン残高よりも高く売却できる見込みがあるなら、その資金を自己資金や繰上返済に充当することも有効です。老後は収入が減りますので、退職金には過度な期待をしないのが無難です。
今の住宅をリフォームして住みやすく。リフォーム&借り換えも
今の立地に不満がない、気に入っている場合は、現在の資産(土地)を生かして住宅を建て替える方法も、老後生活を充実させる対策の1つとして人気です。
建て替えのメリットは新たな住宅を購入する場合と基本的に同じです。十分な資金力があれば購入や建て替えは問題ありませんが、「資金面でやや不安がある」「住宅以外にもお金を使いたい」と考えるなら、今の資産・土地を生かしてリフォームするのも1つの手です。
リフォームは国や自治体も力を入れており、補助が受けられる可能性があります。金融機関でもリフォームへのサポートが充実した住宅ローンが増えてきました。例えば、SBI新生銀行では「現在の住宅価格」+「リフォーム資金」を合算して住宅ローンを丸ごと借り換えられる仕組みがあるなど、リフォーム資金に対する金融機関のサービスも年々充実しています。
「バリアフリー」「居住環境のコンパクト化」「耐震性の向上」「断熱性」などに対応できるのは新築だけではありません。今の住環境の不便な点をリフォームで解消するのも有力な選択肢です。国や地方自治体のリフォーム補助金・減税は、必ずチェックしてできるだけ活用しましょう。
住宅ローンの低金利が続いてきたこともあり、返済中の住宅ローンの金利が高いようなら、リフォーム資金を合算して借り換えても毎月の返済額が大きく変わらない可能性があります。リフォーム資金を上乗せして貸し出してくれるSBI新生銀行などの住宅ローンの存在は、選択肢として念頭に置いておくとよいでしょう。
中古マンションが人気?
50代の住宅購入の特徴として「中古マンション」の購入割合が高い点があります。「中古」は新築や注文住宅と比べて住宅価格を抑えやすく、「マンション」は戸建てと比べて「コンパクト」で「耐震性」「断熱性」にも優れています。中古物件の費用対効果は高く、合理的な判断をしている人が多いことがわかります。
50代におすすめの住宅ローンとは
50代専用の住宅ローンがあるわけではなく、30代でも50代でもおすすめの住宅ローンが大きく変わるわけではありません。
住宅ローン選びの基本が金利であることは、何歳でも変わりません。まずは低金利な住宅ローンをしっかり選ぶようにしましょう。
ただし50代の場合、35年も住宅ローンを組むことは少なく、フラット35ではなくフラット20を選ぶ可能性が高くなりますし、より低金利な「10年固定金利」が魅力的な選択肢になるケースが多いでしょう。さらに借入直後から積極的に繰上返済を行うなら、変動金利も当然選択肢に入ってきます。また、年齢とともに疾病リスクは高まるため、保障が充実した住宅ローンを利用したいところです。
ちなみに、疾病保障付きの団信は加入できる年齢が限られていることが多く、商品説明書に年齢制限が記載されています(例えば、がん50%保障付き団信は満50歳未満が加入条件とされる金融機関が一般的です)。50代で保障を付けたい場合は、加入できる年齢条件を必ず確認するようにしましょう。
疾病・就業不能の保障を重視するなら、上乗せ金利なしで保障を付帯できる住宅ローンが候補になります。例えば住信SBIネット銀行は所定の保障を金利上乗せなしで付帯できる団信を、SBI新生銀行も2026年3月から全疾病保障付団信を上乗せ0円で付帯しています。加入できる年齢や保障範囲は商品ごとに異なるため、各社の最新の商品説明書でご確認ください。
当サイトをご覧の方であれば、インターネットで住宅ローンを申し込むことは問題なくできるはずです。合理的でない不動産会社や工務店の意見に惑わされず、ネット銀行の住宅ローン金利もしっかり比較して選ぶようにしましょう。
絶対にネット銀行が良いとは言いませんが、低金利のネット銀行の住宅ローンは比較対象として一度はチェックしておいてほしいところです。不動産会社に勧められた住宅ローンがあるなら、その金利とメガバンク・地方銀行・ネット銀行の金利を比較してみてください。老後資金は少しでも多い方がよいのは言うまでもありません。しっかりとした節約意識を持つことを忘れないようにしましょう。
「がんに対する保障を付帯しながら、変動金利・10年固定金利で業界最低水準の金利を提供しているauじぶん銀行」
※がん50%保障は51歳以上は利用できません(加入時年齢の条件にご注意ください)。
「諸費用のわかりやすさに加え、全疾病保障付団信を上乗せ0円で付帯でき、リフォーム資金を含めた借り換えにも対応しているSBI新生銀行」
50代の住宅ローン・借り換えに関するよくある質問(FAQ)
Q. 50代でも住宅ローンの借り換えはできますか?
A. 完済時年齢(多くの金融機関で80歳未満)などの条件を満たせば、50代でも借り換えは可能です。ただし残りの返済期間が短くなりやすいため、金利差で減らせる利息と、借り換えにかかる諸費用(事務手数料・登記費用など)を比較して、損益分岐を見極めることが大切です。一般に「残りの返済期間が長い」「ローン残高が大きい」「金利差が大きい」ほど借り換えメリットが出やすくなります。
Q. 借り換えとリフォームを同時に行えますか?
A. 金融機関によっては、現在の住宅ローン残高にリフォーム資金を上乗せして借り換えることができます。金利が下がる分でリフォーム資金分の返済増を吸収できるケースもあるため、「金利の高い既存ローン+リフォーム」を検討している方は、リフォーム資金合算に対応した住宅ローンもあわせて比較するとよいでしょう。
Q. 50代だと変動金利と固定金利のどちらがよいですか?
A. 一概には言えません。借入直後から積極的に繰上返済を進めて短期間で完済する見込みなら変動金利、退職後まで返済が続き、金利上昇の影響を避けたいなら固定金利(フラット20や10年固定など)が候補になります。返済期間が短いほど金利上昇の影響は限定的になるため、ご自身の返済計画に合わせて選びましょう。最新の金利は各金融機関の公式サイトでご確認ください。
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