住宅ローン変動金利比較ランキング
2025年7月金利更新
変動金利タイプを選ぶ人は住宅ローン利用者全体の約7割を超える
日本銀行が長年続けてきた大規模な金融緩和政策は、日本の住宅ローン金利を歴史的な低水準に抑える大きな要因となってきました。しかし、2024年3月のマイナス金利政策解除を皮切りに、日本は金融政策の大転換期を迎えています。
実際に、2024年3月の政策変更後も、同年7月、2025年1月と段階的な利上げが相次いで決定され、金融市場は金利上昇トレンドへの移行を鮮明にしています。たとえば三菱UFJ銀行は短期プライムレートを引き上げ、他のメガバンクや地方銀行も住宅ローン金利や企業向け貸出金利、さらには普通預金や定期預金の金利まで見直しを進めています。
この金利上昇局面では、住宅ローンの借入を検討している人にとっても、すでに変動金利で借りている人にとっても「今後の返済負担がどうなるか」という点がより現実的な課題になります。特に、変動金利型ローンは半年ごとの基準金利見直しを経て、段階的に返済額が増えるリスクがあります。
一方で、こうした金利上昇の流れは金融機関の預金金利にも波及し、長らくゼロ近辺に張り付いていた定期預金金利もじわりと上昇。資産運用や貯蓄戦略を見直す動きも広がっています。
住宅ローンを選ぶ際には、固定金利と変動金利の将来的な返済額シミュレーションをしっかり行い、家計への影響を具体的に見極めることが大切です。また、銀行間の競争が再び活発化する兆しもあるため、各行の優遇キャンペーンや団体信用生命保険(団信)の保障内容なども含め、最新情報をこまめに比較検討する姿勢が重要になっています。
それでもなお、過去の高金利時代と比較すれば、現在の住宅ローン金利は依然として低水準にとどまっており、特に変動金利型住宅ローンの魅力は失われていません。変動金利と固定金利の差は依然として大きく、固定金利の上昇による負担感から、住宅ローン利用者の多くは今後も変動金利型を選ぶと予想されます。実際、これまでも新規借入・借り換えを問わず、約7割以上の利用者が変動金利タイプを選んでおり、今後もその傾向が継続する可能性が高いと言えるでしょう。

住宅金融支援機構
「住宅ローン利用者の実態調査」2024年4月調査結果より
住宅ローンを完済するまでに低金利が続いた場合、もっともオトクな住宅ローンの金利タイプは変動金利です。
今の変動金利タイプの人気は、「将来的に金利が上昇する可能性は少ない」、「多少金利があがったとしても、固定金利タイプよりも高い金利になる可能性は少ない」、と考えている人から支持を集めていることの証跡とも言えます。
変動金利のリスクについて
変動金利は金利が上昇した時にローンの返済額が増える可能性がある金利タイプです。また、現在の日本は「新型コロナウイルスによる経済ダメージ」「日銀の大規模金融緩和の継続」「少子高齢化」「人口減少」など、好景気&金利上昇に転じる要素が少ないのが実情です。
金利上昇が考えにくいと思っている人が多いからこそ変動金利が人気を集めているわけですが、将来の金利上昇の可能性を完全に否定するのは危険です。変動金利の住宅ローンを選ぶ場合は、将来的に金利が上昇して毎月の返済額が増える可能性を頭の中に置いて、繰上返済を積極的に行うなど金利上昇も念頭に入れた返済計画で対応していくことが大切になってきます。
変動金利タイプの住宅ローンのおすすめは?
変動金利タイプの一番のメリットは金利が低いことです。そのメリットを最大限に活かすには変動金利タイプの中で少しでも金利が低い住宅ローンを選ぶことが重要になってきます。また、少しでも早く完済できるように繰上返済が気軽に手数料無料でできることも変動金利タイプの住宅ローンを選ぶ時に重要ポイントです。
また、変動金利は「金利を変更する権利を銀行が持つ」という特徴があるので、突然、利益重視で金利を引き上げたり、経営状態が悪化して金利を引き上げたりしないように信頼性や企業の将来性にも配慮しておくこともなポイントです。
それでは住宅ローンの変動金利を探している人におすすめの住宅ローンをランキング形式で紹介していきます!
住宅ローン変動金利比較ランキング(2025年6月)
1位 SBI新生銀行の住宅ローン
非常に魅力的な水準の諸費用がポイント!
SBI新生銀行は、住宅ローン残高が約1兆円に達するなど、15年以上にわたって住宅ローン分野に注力してきた実績を持つ銀行です。その長年の取り組みは、ネット銀行の低金利競争が激化する中でも、「変動金利が魅力の人気住宅ローン」というポジションを維持する要因となっています。特に、低金利の提供とともに、手数料の低さやサービスの質の高さが評価されており、借り換え先としても安定した人気を誇ります。
さらに、SBI新生銀行は住宅ローンだけでなく、銀行口座の利便性でも高い評価を得ています。例えば、住宅ローン利用者は月10回まで他行宛の振込手数料が無料になるほか、一部繰上返済にかかる手数料も完全無料という優遇措置があります。このようなサービスの充実度は、他の銀行と比較しても非常に高く、ネット銀行の中でも際立った存在感を放っています。
住宅ローンの借り換えを検討している方にとって、SBI新生銀行は「低金利×高機能サービス」を兼ね備えた有力な選択肢の一つです。金利だけでなく、日々の銀行取引まで見据えた住宅ローン選びをする上で、候補から外す理由は見当たりません。
金利 | 変動金利(手数料定率型:年0.590%(キャンペーン適用))
※自己資金10%以上の場合 |
借入可能上限額 | 3億円 |
一部繰上げ返済手数料 | 無料 |
保証料 | 無料 |
事務手数料 | 手数料定率型:融資金額の2.20%(税込) |
団体信用生命保険料 | 銀行負担(無料) |
2位 PayPay銀行(旧ジャパンネット銀行)
ヤフーと三井住友銀行グループが支える「PayPay銀行の住宅ローン」――ネット完結型で、驚異的な低金利を実現
PayPay銀行は、Zホールディングス(旧ヤフー)と三井住友銀行グループの出資により設立されたネット銀行で、安定した経営基盤と先進的なIT技術を活かした金融商品を多数展開しています。中でも注目を集めているのが、国内最低水準ともいえる変動金利型・10年固定金利型住宅ローンです。
加えて、申込から契約までを完全にオンラインで完結できる「スマホ完結型住宅ローン」としての利便性も高く、紙の契約書が不要なため印紙税も不要。こうしたデジタル完結型の仕組みは、対面型店舗ではなかなか実現できないPayPay銀行ならではの強みです。
特に住宅ローンの借り換えニーズを想定しており、新規購入時に必要とされがちな物件資料(売買契約書など)の提出を省略できるなど、申込手続きの簡素化が図られています。これにより、借り換えを検討している利用者にとっては、非常にスムーズかつ負担の少ない住宅ローン体験が実現されます。
このように、先進的なデジタルサービス×超低金利という二つの柱を武器に、PayPay銀行の住宅ローンは今、変動金利型住宅ローンの中でも非常に有力な選択肢として高い評価を受けています。
ただし利用には注意点も
PayPay銀行の住宅ローンは魅力的な一方で、以下のような利用制限があります。該当する場合は申し込みできないため、事前確認が重要です。
-
自営業者・個人事業主の方は利用不可
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市街化調整区域内の物件は対象外
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非線引き区域の物件も対象外
ネット銀行ならではの先進性と利便性を活かしながらも、利用条件には制約があるため、自身の属性や物件の所在地を踏まえた上で慎重に検討する必要があります。
金利 | 変動金利(新規購入時):年0.730%(全期間引下型)
変動金利(借り換え時):年0.730%(全期間引下型)
|
借入可能上限額 | 2億円 |
一部繰上げ返済手数料 | 無料 |
保証料 | 無料 |
事務手数料 | 融資金額の2.20%(税込) |
団体信用生命保険料 | 銀行負担(無料) |
3位 ソニー銀行の住宅ローン(変動セレクト)
低金利+がん50%保障特約(無料)+疾病保障も低コスト!
日本のネット銀行として最初に住宅ローンの取り扱いを開始したソニー銀行の住宅ローンの特徴は利用者視点で考えられたわかりやすく透明性の高い商品性にあります。例えば、住宅ローンの金利を前月の半ばに発表したり、変動から固定、固定から変動へと金利タイプの切り替えが何回でも可能なように開発するなど、非常に珍しく他の銀行が実現できないようなサービスを何年も前から継続的に実施しています。
もちろん魅力はそれだけではありません。ソニー銀行の住宅ローンにはがんと診断されるだけで住宅ローン残高が半分になる、がん50%保障が無料で付帯されます。
さらに注目したいのはさらに保障を充実させたい場合のがん100%保障です。ソニー銀行では年0.10%でがん100%保障へのアップグレードが可能です。
将来、がんになってしまった場合の保障を充実させたいという考えがある人にとってソニー銀行の住宅ローンは間違いなく注目の住宅ローンの1つでしょう。
金利 | 変動金利:年0.897%(借り換え時)(変動セレクト)
※2023年11月1日からのお借り入れ分について、新規購入での物件の購入価格を超えてお借り入れの場合は、金利が0.05%上乗せになります |
借入可能上限額 | 2億円 |
一部繰上げ返済手数料 | 無料 |
保証料 | 無料 |
事務手数料 | 融資金額の2.20%(税込) |
団体信用生命保険料 | 銀行負担(無料)
※がん50%団信が無料で付帯 |
4位 イオン銀行の住宅ローン
イオングループでの買い物がいつでも5%オフに!
イオン銀行の住宅ローンの変動金利は、ネット銀行に次ぐ低い水準でありながら、イオングループでの買い物がいつでも5%オフサービスが付帯することで人気を集めています。
マイホームの周辺にイオングループの対象店舗がある場合は見逃せない特典です。
全国に店舗を構える利便性を有するイオン銀行の住宅ローン。最近はネット銀行の住宅ローンに押され気味で住宅ローン実行額も減少しつつあるようですが、充実した店舗網とイオン銀行独自の付帯サービスは引き続き魅力的であり、検討候補の1つの住宅ローンと言えるでしょう。
金利(定率型) | 変動金利:年0.780%(金利プラン)
当初10年固定:年1.560%(当初固定金利プラン)
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借入可能上限額 | 1億円 |
一部繰上げ返済手数料 | 無料 |
保証料 | 無料 |
事務手数料(定率型) | 融資金額の2.20%(税込) |
団体信用生命保険料 | 無料 |
※借り換え時の金利
まとめ
変動金利タイプの住宅ローンはたくさんの人に選ばれている住宅ローンです。変動金利タイプの住宅ローンで圧倒的な存在感を示しているのがネット銀行の住宅ローンで、メガバンクや地方銀行よりも一段低い水準で金利引き下げ競争が繰り広げられています。
ただし、変動金利は銀行が将来の金利を決定する権利がある住宅ローンなので、変動金利タイプの住宅ローンを選ぶのであれば会社の信頼性や経営状況にも注意しておく必要があります。
(もっとも、今の日本のネット銀行の業績は好調でネット銀行の親会社は日本を代表する大手企業なので、業績悪化に苦しむ地方銀行などよりは安心感があります。)
金融庁や日銀は、「地銀の半分以上はすでに2年連続で本業赤字になっていて、このままでは赤字が当たり前になっていく」とコメントするようになってきているぐらい、地域金融機関を取り巻く環境は厳しくなっています。筆者であれば、正直、金利が高いうえに、経営状態も厳しい地銀の変動金利の住宅ローンを利用する気にはなれません。
住宅ローンは長い期間返済を続けていかなければなりません。人口減少とAIなどの技術革新が進むことで金融機関の生き残り競争は激しくなると言われています。商品特性としてある程度リスクを取らざるを得ない変動金利だからこそ、その取引先の銀行は慎重に選ぶようにしましょう。
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