住宅ローン借り換え審査にカードローンの利用が影響?
住宅ローンの借り換えとは、新しい住宅ローンでそれまで借りていた住宅ローンを完済することです。
新しい住宅ローンを契約することになるので、当然、新しい住宅ローンの審査を通過する必要があります。住宅ローンの審査を受ける時に注意したいのが他の借り入れの整理で、カードローンやフリーローンもしくはクレジットカードのキャッシングなどの「無担保ローン」と言われるような借り入れをできるだけ返済しておくことが重要になってきます。特にカードローンやフリーローンなどの無担保でかつ使途が自由なローンを利用していると住宅ローン審査にマイナスの影響を与えるとされています。
この記事では、住宅ローンの審査を受ける際に注意が必要なカードローン・フリーローンの扱いをいくつかのケースに分けて注意点やその対策を説明したいと思います。
目次
無担保ローンとは
無担保ローンとは、名前の通りで「担保がいらないローン」をまとめて表す言葉です。カードローンやフリーローンに加えて、自動車ローンなども無担保ローンに含まれることがあります。
ちなみにバブル経済崩壊後、消費者金融の無担保ローンの貸し付けは社会問題になったこともありますが、過去には過剰な融資が問題になったこともありました。現在は、総量規制と言われる制度が導入されていて、年収の3分の1までの貸し出しに制限をする規制が行われています。
(この総量規制は消費者金融会社や信販会社のみを対象としており、銀行による貸出は対象外とされています)
なぜカードローンなど無担保ローンの借入があると住宅ローン審査にマイナスなのか?
まず、住宅ローンの申し込みを受け付けた金融機関は、その人にお金を貸しても大丈夫かを確認するために「信用情報機関」から個人の信用情報を取得して審査を行っています。無担保ローンの利用はすべてこの「信用情報」の中に含まれていますので金融機関はその情報を確認することができるのです。
何年か前にカードローンを利用したことがある程度であれば住宅ローンの審査に通る可能性はありますが、「無担保ローンの返済を延滞した経験がある」「多額の借り入れがある」場合、住宅ローンの審査に通らない可能性が一気に高くなります。多額の借り入れがある場合、お金の管理能力を問われてしまうのはもちろん、住宅ローンの借入限度額を計算する上での「返済負担率」の観点でも影響もありますので、仮に審査に通ったとしても希望する金額を借りられない可能性が高くなってしまいます。
カードローンなど無担保ローンを利用している人は「現金を必要としている」人とみなされますので、どうしても住宅ローン借り換え審査にマイナスの影響を与えてしまうことになります。
次に返済負担率について簡単に説明したいと思います。住宅ローンを貸せる金額は年収や物件の価値など様々な観点で決定されていますが、その中の1つに年間返済負担率という考え方があります。これは、年間のローンの返済額(住宅ローン、無担保ローン、自動車ローンなど各種ローンの総計)が年収に対し何パーセントであるかを計算して算出されるものです。
年間返済負担率の上限は金融機関によって異なりますが、フラット35などの場合、年収400万円までは30% 、年収400万円以上は35%とされています。
年収400前であれば年間のローン返済金額は140万円が上限です。仮に現在カードローンなどの無担保ローンの返済が毎月2万あると140万円から24万円(2万円×12カ月)を差し引いた約116万円が住宅ローンの返済に利用できると言った形で計算されています。
住宅ローン借り換え審査対策
ケース1 現在カードローンなど無担保ローンを利用している
前述の通りカードローンの借入があることにより住宅ローン借り換え審査にマイナスの影響を及ぼす可能性があります。できるだけ、住宅ローン借り換えに申し込む前に無担保ローンの一括返済と解約をしておきましょう。個人信用情報には最低でも5年間はローンを利用した実績が残りますが、現在進行形で借り入れているよりは有利ですし、完済していれば年間返済負担率に影響することはありません。
繰り返しになりますが無担保ローンを利用していることを金融機関にかくしても意味がありません。信用情報機関と言われる個人のお金に関する信用情報を管理する機関がカードローンなどの無担保ローンの現在の利用状況や過去の借入履歴などを保有しており金融機関はこの信用情報を利用して簡単に確認できるので隠蔽することは不可能なのです。一番まずい対応はカードローンを利用しているのにそれを隠して申し込んでしまうことです。
ケース2 カードローンなどの無担保ローンの借入が過去にあったが現在は完済している
支払いの遅延・延滞経験がなく、かつ、カードローンなどの無担保ローンの借入を既に完済して解約している場合、住宅ローン借り換え審査に大きな影響はないと考えてよいでしょう。1つの対策としては、住宅ローンの借り入れや借り換えを急いでいないのであれば、個人信用情報から利用実績が消えるまで待つという方法があります。契約を解約していれば5年で信用情報機関から削除されます。
ケース3 現在カードローンなど無担保ローンの借入があり延滞したことがある
残念ながらカードローンなどの無担保ローンはもちろんクレジットカードの支払遅延等の情報は信用情報機関にしっかりと登録されます。債務整理などをした場合は最大で10年間記録が残ります。残念ながらこのような記録が残っている間は住宅ローンの審査に通る事は極めて難しいと言えるでしょう。
ケース4 カードローンなどの無担保ローンの契約だけが残っている
カードローンは契約が残っていれば枠内であればいつでも借入することができます。住宅ローン審査を行う金融機関からすると、たとえ審査時点でカードローンの借入がなくても契約が残っているだけでマイナスに評価されてしまいます。利用していないカードローンやフリーローンはすべて解約してから審査申込するようにしましょう。
まとめ
個人信用情報は自分の情報であればいつでも確認することができます。もし信用情報機関に登録されてる情報が誤りであれば修正依頼をかけることも可能です。解約したつもりでも個人信用情報上では契約が残っていることもありますので、カードローンなどの無担保ローンの利用を利用したことがあって、住宅ローン借り換え審査に不安がある人は信用情報機関に対して信用情報の照会を行ってみると良いでしょう。
日本国内には下記の3つの信用情報機関があり金融機関により利用している信用情報機関が異なります。信用情報の照会を行うときはそれぞれに対して照会を行うか、申し込み予定の金融機関が利用している信用情報機関に対して照会するようにしましょう。
JICC 日本信用情報機構(指定信用情報機関)
CIC
全国銀行個人信用情報センター
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