【コラム】住宅ローンはどこの銀行がいい?失敗しない住宅ローン選びのポイント
このページに訪問いただいた人は、おそらく住宅ローンの借り入れや住宅ローンの借り換えを検討中の人だと思います。住宅ローンは人生最大の借金であり、人生において1回か2回しかまじめに考える機会がありません。「利用者(私たち)」と「提供者(金融機関)」との情報格差が大きくなりますし、悪い言い方をすれば金融機関に騙されやすい商品です。
そのような場合に有効なのが「友人や知人などの信頼できる人に相談すること」ですが、住宅ローンの場合、友人や知人に「どこの銀行がいい?」とか「どこの銀行がおすすめ?」と安易に聞く前に、住宅ローンのことを自分で少し勉強しておく必要があります。というのも、銀行口座を開設するだけだったり、1年ぐらいの定期預金を預けるだけであれば、深く考えずに友人や知人のおすすめの銀行を選んで後悔することは少ないと思いますが、住宅ローンの場合はそうはいかないからです。
住宅ローンは何十年も返済を続けていく金融商品です。それ人任せにすることは絶対にできませんし、最終的には自分で判断しなければなりません。その時、知人のおすすめだから、という理由で判断するのは大変危険です。このコラムでは、これから初めて住宅ローンについて考える人、改めて住宅ローンの選び方を整理したい人、住宅ローンの借り換えを検討している人のために、失敗しない住宅ローン選びのポイントを紹介したいと思います。
”どこの銀行がいい?”を考える前に
”住宅ローンの金利タイプってどうしたら良いと思う?”と質問できるようにしましょう。
住宅ローン選びのスタートは銀行選びではありません。最初に決めたくてはならないことは”どの金利タイプにするか”です。まずこの”金利タイプ”整理しておくことが何よりも重要です。まず最初に住宅ローンの金利タイプについて整理してみましょう。住宅ローンには大きく3つの金利タイプがあります。その3つの金利タイプの特徴(メリットとデメリット)を理解することが最初のスタートです。
金利タイプ | 説明 |
変動金利タイプ | 名前のとおり、返済期間中に住宅ローン金利が変動する可能性のあるタイプ。変動するといっても基本的に借入時より金利が下がることはなく、将来、「日銀・政府の金融政策が方向転換」したり、「好景気になって国内の金利が上昇」した場合に住宅ローンの金利があがってしまうデメリットがある。その代わり「全期間固定」「固定金利選択」タイプよりも相対的に金利が低い点がメリット。3つの金利タイプの中では「ハイリスク・ハイリターン」の金利タイプ。低い金利の効果で「毎月の返済額が少なくなる」ことから、収支のバランスがギリギリの家庭で選ばれることもあるが、ギリギリの収支の家庭が変動金利の住宅ローンを選んでしまうと、万が一金利が上昇した時に毎月の返済が重荷になって返済が滞ってしまう可能性がある。本来的には、「ある程度、毎月の家計に余裕をもたせながらローンを返済できる人」に選んでほしい金利タイプ。 |
全期間固定金利タイプ | 住宅ローンの借り入れ期間全ての金利を最初から決定できる金利タイプ。「全期間の金利が同じ」ということではなく、「1年目から5年目は●%、6年目以降は▲%といったように金利が段階的に変わる」金利タイプも全期間固定金利タイプに含まれる。デメリットは他の金利タイプよりも金利が高いこと。メリットは毎月の返済額が急に増えるようなことがないこと。代表的な全期間固定金利タイプの住宅ローンに住宅金融支援機構とフラット35がある。住宅ローンの返済額を完全に確定させることが、将来の家計を安定的に管理することができるようになる。安心・安全を重視する人に選んでほしい金利タイプ。また、家計の収支がギリギリの場合はできるかぎり全期間固定金利タイプで住宅ローンを選んでほしい(収入が途絶えたり、収入減により家計が火の車になるのは半ばやむを得ないと言えるが、収入は一定なのに住宅ローンの返済額が増えて家計が火の車になってしまうのは避けたい)。 |
固定金利選択タイプ(当初期間固定タイプ) |
変動金利タイプと全期間固定金利タイプの中間に位置する金利タイプ。当初期間固定金利タイプとも言われる。この金利タイプの主力は10年固定金利。10年固定金利とは住宅ローンの借り入れから10年間の金利を固定させ、11年目から変動金利タイプに変更になる金利(その時点で金利タイプを選ぶことができる)。メリットは全期間固定金利タイプよりも低い金利で借り入れ可能でありながら、10年間(10年固定金利タイプの場合)の金利を決定できること。住宅ローンの残高が借り入れ直後から数年~10年の金利を固定できるので、金利変動リスクの低減効果は想像以上に大きい。また、たとえば残りの返済期間が10年~15年程度になっているタイミングでの借り換えの場合、全期間固定金利とほぼ同じ役割を果たすため借り換え時に選ばれやすい金利タイプでもある。 |
性格別に金利タイプをおすすめするなら、「慎重派には全期間固定金利タイプ」、「積極派には変動金利タイプ」、「バランス派には固定金利選択タイプ」というわけです。もちろん、性格だけで住宅ローンを選ぶべきではなく、本来は今後の日本の景気の動向や金利の動向を予想して、住宅ローンの金利タイプを選ぶことが理想です。
今後の景気や日本経済の行く末を予想?
ここで覚えておいてほしいのは、①5年前・10年前の日本の金利水準を的中させのは、総理でも日銀総裁でも難しいこと、また、②住宅ローンの相談相手になるフィナンシャルプランナーや金融機関の住宅ローンの担当者は、例え住宅ローンについては詳しくても、将来の日本の金利を予想できるような経済の専門知識を持っていない人が大半だということです。極端な話、FPさんに相談してもほぼ無意味だったりするわけです。
35年後どころか5年後・10年後の住宅ローン金利の水準は、だれにもわからないということですね。それは当サイトでも同じで、確実に的中できる自信はありません。もちろん、5年後・10年後の住宅ローン金利を予想する記事など、できる限り根拠をもって予想していますが、的中する保障はどこにもないのです。
金利タイプを選ぶことは金利上昇の可能性を考えること
先ほどの記事でも紹介していますが、「どの金利タイプの住宅ローンを選ぶかを考えること」は、「変動金利タイプの住宅ローンを選んでも良いのかを考えること」と言い換えることができます。それは、5年後・10年後に日本の金利が上昇して、変動金利タイプの住宅ローン金利が高くなってしまうのではないか?を考えることです。さらに言えば、「変動金利を選ぶよりも固定金利を選んだ方がローン返済額が少なくなるほど、変動金利が高くなることがあるのか」を考えることです。
筆者は「変動金利」で住宅ローンを借りて、現在も返済を続けています。変動金利にした理由は、「まず、数年間~10年間は金利上昇の可能性が低いと予想したこと」、「仮に金利が上昇したとしても変動金利を選ぶよりも固定金利を選んだ方がローン返済額が少なくなるほど、変動金利が高くなることはないと考えたこと」の2つです。また、何よりも少しでも早く完済したかったので、変動金利の低金利ローンをとにかく繰上返済していくのが早道と考えたためです。
このあたりは人によって優先したいことが違いますので、これまでの記事などをもとに考えをまとめておくようにしましょう。
住宅ローンはどこの銀行がいい?
選ぶ金利タイプの方向性が決まってくれば、次はその金利タイプの中で、有利な金利やサービスを提供している金融機関選びに移れます。ここまで来ると以外に住宅ローン選びは簡単です。説明を省いてどこの銀行の住宅ローンが良いかを考えると以下のような候補になります。
疾病保障についての情報はいずれも2022年5月現在のものです。
変動金利を選ぶなら
PayPay銀行(旧ジャパンネット銀行)・・・変動金利で業界最低金利を実現、ネット完結型の住宅ローン。がん50%保障が無料で付帯。 auじぶん銀行・・・がん50%保障団信と全疾病保障が無料で付帯、非常に魅力的な水準の金利を実現 楽天銀行・・・事務手数料が330,000円(税込)で固定も魅力。がん50%保障と全疾病保障が無料で付帯 ソニー銀行・・・がん50%保障が無料で付帯。
全期間固定金利を選ぶなら
アルヒ(フラット35)・・・フラット35の商品ラインナップは豊富、事務手数料は2.20%(税込)と割高
固定金利期間選択を選ぶなら
auじぶん銀行・・・10年固定金利を非常に魅力的な水準で提供、がん50%保障団信と全疾病保障が無料で付帯 SBIマネープラザ・・・住信SBIネット銀行が実店舗申込み限定で提供する住宅ローン(対面) ソニー銀行・・・ワイド団信が年0.20%と非常に魅力的な水準のローコストで付帯可能
疾病保障で選ぶなら
ソニー銀行・・・がん50%保障団信を無料で付帯。ワイド団信が年0.20%と非常に魅力的な水準のローコストで付帯可能 auじぶん銀行・・・がん50%保障団信と全疾病保障が無料で付帯
どんなにいい銀行・どんなにいい住宅ローンでも
住宅ローンの審査に落ちて利用できなければ全く意味がありません。しかも住宅ローンの審査は複雑で金融機関によって異なるので、案外落ちてしまったりするものです。また、時間もかかったりすることが多いので、最低でも2つの住宅ローンの審査を同時にすすめておくことと良いでしょう。
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