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フラット35への借り換えのデメリット9つ|2026年8月金利と注意点

フラット35への借り換えを比較検討する夫婦のイメージ

フラット35は、住宅金融支援機構と民間金融機関が共同で提供する全期間固定金利の住宅ローンです。完済まで毎月の返済額が変わらないこと、自営業や契約社員など民間の審査で不利になりやすい方でも申し込めることから、借り換え先としても根強い人気があります。

ただし2026年に入ってからは長期金利の上昇を受けて、フラット35の金利も上昇局面にあります。2026年8月資金受取分の【フラット35】(借入期間21年以上35年以下・新機構団信付き)の「最も多い金利」は年3.290%で、前月から0.150%の上昇。現行制度になった2017年10月以降で最も高い水準です(住宅金融支援機構「最新の金利情報」2026年8月9日確認)。

「金利が上がる前に固定しておきたい」という動機で借り換えを検討する方が増える局面ですが、フラット35への借り換えは、金利差だけで判断すると損をすることがあります。諸費用が数十万円単位でかかるうえ、借り換え特有の制約もあるためです。

そこで本記事では、あえてフラット35に借り換えるデメリットと、その回避策を9つに整理しました。どんな住宅ローンにも完璧な商品はありません。弱点を先に把握しておくことが、結果的にいちばん有利な借り換えにつながります。

2026年8月のフラット35の金利水準(借り換えの前提)

まず前提として、現在の金利水準を確認しておきましょう。以下は住宅金融支援機構が公表している、取扱金融機関が提供する金利のうち最も多い金利です(新機構団信付き・2026年8月資金受取分)。

商品・返済期間最も多い金利(2026年8月)金利の範囲
フラット20(20年以下)年2.970%年2.970%〜年5.250%
フラット35(21年以上35年以下)年3.290%年3.290%〜年5.570%
フラット50(36年以上50年以下)年3.500%年3.500%〜年5.420%

※いずれも融資率9割以下の水準。借り換えの場合は融資率にかかわらず「9割以下」の金利が適用されます(住宅金融支援機構)。デュエット(ペア連生団信)は掲載金利+0.18%、新3大疾病付機構団信は+0.24%。健康上の理由などで団信に加入しない場合は、掲載金利より低い金利が適用されます。

注目したいのは金利の「範囲」が2%以上も開いている点です。フラット35の金利は機構が一律に決めているのではなく、取扱金融機関がそれぞれ決めています。つまり同じフラット35でも、どこで借りるかで総返済額が大きく変わります。この点は後述するデメリット⑨とも関係する、借り換えでいちばん取りこぼしやすいポイントです。

フラット35借り換えのデメリット①民間金融機関の住宅ローンのほうが有利な場合もある

かつては「長期固定ならフラット35が最も低金利」という時代がありましたが、現在は必ずしもそうではありません。民間金融機関も長期固定型のラインアップを充実させており、借入期間20年前後であれば、民間の固定金利型がフラット35と同等かそれ以下になることもあります

また民間の住宅ローンには、フラット35(機構買取型)にはない疾病保障付きの団信を上乗せ金利なしで付けられる商品もあります。たとえばSBI新生銀行は、保証料0円・一部繰上返済手数料0円・一般団信の上乗せ0円に加え、全疾病保障付団信も上乗せ0円で用意しています(2026年3月開始)。事務手数料は借入金額×2.20%(税込)の定率型で、事前審査を挟まず本審査のみで完結する点も、書類を二度そろえずに済むという意味では借り換え検討者には扱いやすい仕組みです。

ただし金利水準は毎月変わり、どちらが有利かは時期と借入期間によって入れ替わります。「フラット35のほうが安いはず」という思い込みで比較を省かず、必ず申込月の適用金利を各金融機関の公式サイトで確認してください。

なお、SBI新生銀行がかつて取り扱っていた「ステップダウン金利タイプ」(借入から10年経過後、5年ごとに段階的に金利が下がるタイプ)は現在は新規の取り扱いを終了しています。古い比較記事に残っていることがあるため、現行の金利タイプで比較してください。

フラット35借り換えのデメリット②融資事務手数料が必要(金融機関で3倍以上の差)

フラット35の借り換えでは、借入額に応じた融資事務手数料がかかります。一般的な水準である2.20%(税込)だと、1,500万円の借り換えで33万円。金利差で得られる利息の圧縮分を、いきなり削り取ってくる費用です。

ここで効いてくるのが、同じフラット35でも金融機関によって手数料がまったく違うという事実です。以下は住宅金融支援機構の金利情報検索(借換え・フラット35・2026年8月資金受取分)に掲載されている、主な取扱金融機関の融資事務手数料です。

フラット35借換時の融資事務手数料を金融機関別に比較した棒グラフ
※借入額1,500万円で試算。楽天銀行は最低手数料165,000円が適用されるため料率計算の148,500円ではなく165,000円。三井住友信託銀行の手数料無料コースは掲載金利が年3.400%(他は年3.290%)で、手数料の安さと金利はトレードオフの関係にあります。
金融機関・商品融資事務手数料(税込)掲載金利(2026年8月)
三井住友信託銀行(手数料無料コース)0円年3.400%
三井住友信託銀行(手数料定率コース)0.99%(最低220,000円)年3.290%
楽天銀行(借り換え/ハッピープログラム)融資額×0.990%(最低165,000円)年3.290%
楽天銀行(ハッピープログラム適用なし)融資額×1.430%(借り換えの最低165,000円)年3.290%
イオン銀行(Aタイプ)融資額×1.87%年3.290%
ドコモの銀行(旧・住信SBIネット銀行)融資額×2.20%(最低110,000円)年3.290%
ゆうちょ銀行融資額×2.2%年3.290%

金利は同じ年3.290%でも、手数料だけで3倍以上の差がつきます。一方で、手数料が0円の商品は掲載金利が年3.400%と高く設定されており、「手数料が安い=総額も安い」とは限りません。借入額が小さく返済期間が短いなら手数料無料型、借入額が大きく期間が長いなら定率型が有利になりやすい、というのが一般的な傾向です。必ず総支払額で比較してください。

また最低手数料の設定にも注意が必要です。たとえば楽天銀行の借り換え向け商品は料率0.990%(税込)ですが最低165,000円という設定があるため、1,500万円の借り換えでは計算上の148,500円ではなく165,000円になります。小口の借り換えほど、料率より最低額のほうが効いてきます。料率の低さで手数料を抑えたいなら楽天銀行のフラット35が候補になりますが、ハッピープログラムの適用が条件である点は事前に確認してください(適用がない場合は1.430%)。


フラット35の取扱手数料の比較についてはこちらも参考にしてください。

なお、これらの諸費用はフラット35の借入額に含めることができます(印紙税、融資手数料、抵当権の設定・抹消費用と司法書士報酬、物件検査手数料、繰上返済手数料と経過利息、火災保険料・地震保険料など)。手元資金が薄くても借り換えを実行できるのはフラット35の強みですが、借入額が増えれば利息も増えるため、損益分岐の計算には必ず諸費用込みの金額を使ってください。

フラット35借り換えのデメリット③登記関連の費用が必要

フラット35に限らず、住宅ローンの借り換えには既存ローンの抵当権抹消登記と、新しいローンの抵当権設定登記が必要で、それぞれに登録免許税と司法書士報酬がかかります。

費用の内訳金額の目安ポイント
抵当権設定の登録免許税債権金額×0.4%借入3,000万円なら12万円
抵当権抹消の登録免許税不動産1個につき1,000円土地+建物で2,000円が目安
司法書士報酬数万円程度事務所により異なる
印紙税契約金額に応じて電子契約なら不要な場合も

ここで見落とされがちなのが、抵当権設定の登録免許税を0.1%に軽減する特例は「住宅取得資金の貸付け」が対象で、借り換えには適用されない点です(租税特別措置法第75条)。住宅を買ったときの登記費用の感覚でいると、借り換えでは4倍の税額になります。3,000万円程度の借り換えなら、登記関連だけで20万円前後を見込んでおくとよいでしょう。

フラット35借り換えのデメリット④審査に必要な書類を集める必要がある

借り換え審査では、金融機関に提出する書類を自分でそろえる必要があります。職業によって必要書類は異なります。

正社員・派遣社員・契約社員・パート・アルバイト 自営業・個人事業主 会社役員・社長
身分証明書(運転免許証、パスポート、保険証など)
住民票
印鑑証明書
源泉徴収票2年分 不要
住民税決定通知書 不要
住民税課税決定通知書 不要
会社の決算書 不要 不要 原則不要
会社の法人税の納税証明書 不要 不要 原則不要
会社の法人事業税の納税証明書 不要 不要 原則不要
確定申告書2期分 △(確定申告をしている場合) ○(確定申告をしている場合)
所得税の納税証明書
敷地・建物の登記簿謄本
火災保険証書
現在の住宅ローンの返済予定表

これに加えて、フラット35では機構の技術基準に適合していることを示す「適合証明書」が必要になります。適合証明書の取得には物件検査手数料がかかり、金額は検査機関や適合証明技術者によって異なります。民間の借り換えにはない工程なので、スケジュールにも余裕を見ておきましょう。

フラット35借り換えのデメリット⑤床面積などの基準がある

フラット35(借換融資)を利用するには、住宅の床面積が次の基準を満たす必要があります。

建て方床面積の基準
一戸建て・連続建て・重ね建て50㎡以上
共同建て(マンションなど)30㎡以上

敷地面積の要件はありません。店舗付き住宅などの併用住宅では、住宅部分の床面積が非住宅部分(店舗・事務所など)の床面積以上である必要があります。

床面積が30㎡に満たないワンルームマンションは対象外になりますが、30㎡以上あれば単身向けの住戸でも基準は満たします。「ワンルームだから無理」と決めつけず、登記簿上の床面積を確認してください(マンションの床面積の考え方は機構の基準に沿って判断されます)。

フラット35借り換えのデメリット⑥ワイド団信の取り扱いがない

フラット35(機構買取型)の新機構団信には、引受条件を緩和したワイド団信の設定がありません。健康状態によっては団信に加入できず、保障のない状態で借りることになります。現在のローンで団信に加入できている方が借り換えると、その保障は借り換えによって終了するため、万一への備えを失うリスクと金利差のメリットを天秤にかける必要があります。

なお、スーパーフラット(SBIアルヒが【フラット35】(保証型)を用いて提供する独自商品)で利用できる団体信用生命保険C(引受保険会社:クレディ・アグリコル生命保険)にはワイド団信が用意されており、うつ病・高血圧症・糖尿病・肝機能障害などの持病がある方でも加入できる場合があります(すべての方が加入できるわけではありません)。

【フラット35】(保証型)を扱う金融機関は限られており、取扱状況も変わります。ワイド団信を付けられるフラット35を探す場合は、各金融機関の最新の取り扱い状況を公式サイトで確認してください。

クレディ・アグリコル生命保険

フラット35借り換えのデメリット⑦借入期間は原則15年以上(ただし例外あり)

フラット35の借換融資は、原則として借入期間15年以上(申込ご本人または連帯債務者が満60歳以上の場合は10年以上)が必要です。残り10年で完済予定の方が15年に延ばすと、毎月の返済額は下がっても利息の総額はかえって増えることがあります。

ただし、ここには見落とされがちな例外があります。借換融資の借入期間の上限は、次の①②のうち短いほうです。

① 「80歳」-「借換融資の申込時の年齢(1年未満切上げ)」
② 「35年」-「住宅取得時に借り入れた住宅ローンの経過期間(1年未満切上げ)」

そして②が15年(満60歳以上は10年)未満になる場合は、その年数が上限となり、このときの下限は1年になります(住宅金融支援機構)。つまり住宅を取得してから20年以上経っている方は、期間を無理に延ばさなくても借り換えられるケースがあるということです。「残り期間が短いからフラット35は使えない」と早合点せず、取扱金融機関に確認してみてください。

なお、20年以下の借入期間を選ぶと、原則として返済途中で21年以上へ変更することはできません(フラット20の金利が適用されるかわりに、後戻りできない選択になります)。

フラット35借り換えのデメリット⑧団信加入の審査が再度必要

フラット35に限った話ではありませんが、借り換え時には団信への加入審査を改めて受ける必要があります。現在のローンで加入している団信の保障は借り換えによって終了するため、直近の健康状態によっては新しい団信に加入できないことがあります。

団信に加入しない場合でもフラット35の借換融資は利用でき、その場合は掲載金利より低い金利(取扱金融機関の例では▲0.20%)が適用されます。保障を外して金利を下げるか、保障を優先するかは、家族構成や他の生命保険の加入状況とあわせて判断してください。デメリット⑥のとおり、ワイド団信が使える商品を選ぶという回避策もあります。

フラット35借り換えのデメリット⑨金利交渉ができない(が、選ぶことはできる)

地銀・信金・都市銀行などのプロパー住宅ローンでは金利の引き下げ交渉ができる場合がありますが、フラット35では交渉の余地がありません。フラット35は取扱金融機関と住宅金融支援機構が提携して提供する商品で、窓口の金融機関に金利を変える裁量はないためです。

ただし前述のとおり、フラット35の金利は金融機関ごとに決められており、2026年8月時点でも年3.290%〜年5.570%と2%以上の開きがあります。交渉はできなくても、金利と手数料の組み合わせを「選ぶ」ことで総支払額は大きく変えられます。住宅金融支援機構の金利情報ページでは、借換え・借入期間・融資率の条件で全取扱金融機関の金利と融資手数料、総支払額の概算を並べて比較できます。借り換え先を決める前に、必ず一度は目を通しておきたいページです。

借り換えで使える金利引下げメニューは「子育てプラス」だけ

新規借入れでは【フラット35】S(省エネ性・耐震性など)や維持保全型、地域連携型といった金利引下げメニューを利用できますが、これらは借換融資では利用できません。借換融資で利用できる金利引下げメニューは【フラット35】子育てプラスのみです(住宅金融支援機構)。

子育て世帯・若年夫婦世帯に該当する場合は、ポイント数に応じて当初一定期間の金利が引き下げられます。該当しそうな方は、適用条件とポイントの数え方を機構の公式サイトで確認しておきましょう。

借り換えの損得はこう計算する(損益分岐の考え方)

フラット35への借り換えを検討するときは、次の順番で計算すると判断を誤りにくくなります。

1. 現在のローンの残債・残期間・適用金利を返済予定表で確認する
2. 借り換え後の総返済額を、申込月の適用金利と実際の残期間で試算する
3. 諸費用の合計を出す(融資事務手数料+登記関連費用+印紙税+物件検査手数料+現在のローンの繰上返済手数料と経過利息)
4. 「2で減った利息」-「3の諸費用」がプラスなら借り換えメリットあり

このときいちばん間違えやすいのが、返済期間を延ばして「毎月の返済額が下がった」ことをメリットと数えてしまうことです。期間が延びれば毎月の負担は軽くなりますが、利息の総額は増えます。比べるのは同じ残期間での総返済額です。

また、変動金利から全期間固定へ移る借り換えでは、目先の総返済額はむしろ増えることがあります。この場合に買っているのは「安さ」ではなく将来の金利上昇リスクを打ち止めにする安心です。何を目的にした借り換えなのかを先に決めておくと、比較の軸がぶれません。

フラット35への借り換えに関するよくある質問

Q. 借りてから1年経っていなくても借り換えられますか?
できません。住宅取得時に借り入れた住宅ローンの借入日(金銭消費貸借契約締結日)から借換融資の申込日まで1年以上経過し、かつ申込日の前日までの1年間、正常に返済していることが条件です。

Q. いくらまで借り換えられますか?
100万円以上1億2,000万円以下(1万円単位)で、「借換対象となる住宅ローンの残高」または「機構による担保評価額の200%」のいずれか低い額までです。残高に加えて、融資手数料・登記費用・印紙税・物件検査手数料などの諸費用を含めることができます。

Q. 現在フラット35を返済中でも、フラット35へ借り換えられますか?
できます。ただし借換後のフラット35のために、あらためて機構を抵当権者とする第1順位の抵当権を設定する必要があり、その費用は自己負担です。

Q. 保証料や繰上返済手数料はかかりますか?
どちらも不要です。一部繰上返済の最低金額は、インターネットサービス「住・My Note」なら10万円以上、取扱金融機関の窓口なら100万円以上となります。繰上返済を前提にした返済計画を立てやすいのは、フラット35の見過ごされがちな長所です。

Q. 賃貸に出している家のローンも借り換えられますか?
できません。フラット35は申込ご本人またはご親族が実際に住む住宅が対象で、投資用物件には利用できません。目的外の利用が判明した場合は全額の一括返済を求められます。

最後に

低金利の長期固定資金は、かつては国の信用力がなければ提供できないものでした。しかし金融サービスの高度化により、いまは民間金融機関でも全期間固定・長期固定の住宅ローンが選べます。フラット35が常に最有力とは限らないのが現在の環境です。

一方で、勤続年数や雇用形態の制約が緩やかで、保証料が不要、繰上返済手数料も不要、そして完済まで返済額が動かないという安心感は、フラット35にしかない価値です。本記事で挙げた9つのデメリットは、いずれも事前に知っていれば回避策を打てるものばかりです。手数料の安い取扱金融機関を選ぶ、床面積と残期間の条件を先に確認する、団信の条件を比較する——この3点を押さえるだけでも、借り換えの成否は大きく変わります。

民間の長期固定型では、SBI新生銀行の住宅ローンのように諸費用と団信の条件が分かりやすい商品もあります。フラット35と民間の固定金利、両方を同じ条件で試算してから決めることをおすすめします。

※金利・手数料・取扱条件は毎月見直されます。最新の取り扱い状況は必ず住宅金融支援機構および各金融機関の公式サイトをご確認ください。

フラット35の金利動向については、フラット35の金利はどうなる?フラット35の金利動向を予想もあわせてご覧ください。翌月のフラット35の金利動向予想を前月中旬ごろに随時公開しています。

 

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