みずほ銀行「自然災害支援ローン」とは|地震・津波に備える特約を解説

みずほ銀行は2018年2月19日から、自然災害(地震・津波など)に備える住宅ローン「自然災害支援ローン」を取り扱っています。2026年6月時点でもみずほ銀行の公式サイトで現行商品として案内されています(最新の取扱内容・上乗せ金利はみずほ銀行公式でご確認ください)。
この商品は損害保険ジャパン(旧・損保ジャパン日本興亜)と共同開発した、南海トラフ地震などの大規模災害に備える住宅ローンです。具体的には、通常の住宅ローン金利に0.1%~0.3%を上乗せすることで、自然災害による被災時に住宅ローンの返済が一部免除されたり、ローン残高が半分になったりする特約を付帯できる仕組みです。
この記事では、みずほ銀行「自然災害支援ローン」の内容を整理し、最後に他行の自然災害に備える住宅ローンと比較します。これから借りる方はもちろん、すでに返済中で借り換えを検討している方が「自然災害への備えをローンに組み込むべきか」を判断する材料としてお役立てください。
みずほ銀行の自然災害支援ローンの概要
みずほ銀行の自然災害支援ローンには「約定返済プラン」と「残高補償プラン」の2つのプランがあります。それぞれ確認していきましょう。
約定返済プラン
概要
みずほ銀行(損害保険ジャパン)が定める自然災害で、マイホームが「全壊」「大規模半壊」「中規模半壊」「半壊」になった場合に、被災の程度に応じて毎月の約定返済額が払い戻されるサービスです(最大24回=2年分)。毎月の住宅ローン返済が即時に免除されるわけではなく、いったん引き落とされたうえで後日払い戻される点に注意しましょう。
対象となる自然災害の種類
地震・津波・噴火だけでなく、台風・暴風・豪雨・洪水・高潮・土砂崩れ・雪災など、幅広い自然災害に対応しているのが約定返済プランの特長です(対象災害の詳細は公式の商品説明書でご確認ください)。なお、罹災区分は国の認定基準にあわせて見直されており、現在は「中規模半壊」も対象に含まれています。
金利負担
通常の住宅ローン金利 + 年0.1%
払い戻しの流れ・回数
注意したいのは、住宅ローンの返済は通常どおり行われるという点です。そのうえで、被災状況に応じた上限回数(全壊で最大24回)まで、返済用預金口座へ払い戻されます。自治体が発行する罹災証明書を提出した翌月から払い戻しが始まります。被災直後は自治体が混乱し、罹災証明書の発行まで時間がかかることがある点には留意しましょう(参考:SBI新生銀行の住宅ローン(安心パックS・自然災害時債務免除特約)は、罹災の程度に応じて一定期間の返済を免除する仕組みで、特約期間中1回まで利用できます)。
残高補償プラン
概要
みずほ銀行(損害保険ジャパン)が定める自然災害で、マイホームが「全壊」した場合に建物部分のローン残高が50%になる商品です。
※約定返済プランより対象が限定され、対象となる自然災害は「地震」「津波」「噴火」のみです。また土地部分のローン残高は対象外で、土地や諸費用を含めて借りる場合は建物部分と契約を分ける必要があるため注意しましょう。
金利負担
金利負担はやや大きめです。
通常の住宅ローン金利 + 年0.3%
残高を半減させる手続きについて
マイホームが「全壊」の認定を受けた場合に、建物部分のローン残高が半額になります。具体的には、①延滞利息、②延滞元金、③約定経過利息、④建物ローン元金の順に充当されます。自治体が発行する罹災証明書を提出した翌月に手続きが実施され、その後は毎月の返済額を軽減する形で調整されます(返済期間の短縮は受け付けていません)。
みずほ銀行の自然災害支援ローンはオトク?
各行の自然災害時債務免除特約の比較(約定返済プラン類似商品)
| 銀行名 | 費用負担の方式 | 取り扱い開始・補足 |
|---|---|---|
| SBI新生銀行 | 安心パックSに付帯(金利上乗せ・追加費用なし)※2024年10月末で新規取扱終了 | 損害の程度に応じて一定期間の返済を免除。特約期間中1回まで利用可。手数料体系は商品により異なるため公式で要確認 |
| 三井住友銀行 | 年0.1%を金利に上乗せ | 2014年2月から取り扱い開始 |
| 常陽銀行 | 年0.05%を金利に上乗せ | 2016年9月から取り扱い開始 |
| りそな銀行 | 年0.1%を金利に上乗せ | 2019年から取り扱い開始 |
| みずほ銀行 | 年0.1%を金利に上乗せ(約定返済プラン) | 2018年2月から取り扱い開始 |
※上記は各行が公表する取り扱い内容にもとづく整理です。補償範囲・条件は商品ごとに異なるため、最新の内容は必ず各行公式でご確認ください。
たとえば3,000万円の住宅ローンを30年返済で借りた場合、年0.1%の金利上乗せ方式では、返済期間を通じた上乗せ分の総負担はおおむね数十万円規模になります(残高に応じて上乗せ利息がかかるため、序盤ほど負担が大きくなります)。常陽銀行の年0.05%ならその約半分です。これに対し、SBI新生銀行の『安心パックS(自然災害時債務免除特約)』は金利上乗せ・追加費用なしで付帯できる仕組みでしたが、2024年10月末で新規取扱を終了しています(既契約は継続。最新の取扱は公式でご確認ください)(事務取扱手数料の体系は金利タイプによって異なるため、総コストは公式の試算で確認しましょう)。
残高補償プランについて
被災時に建物部分の残高を半分にする住宅ローンの類似商品はほかにないため、単純な比較はできません。性格としては地震保険に近い商品です。地震に備えるなら、基本は火災保険+地震保険への加入が前提になります。ただし地震保険だけでは「全壊でも100%は保障されない」「時価評価でローン残高に満たない保険金になることがある」といった限界があり、その上乗せの備えとして利用する商品と位置づけられます。
その考え方自体は合理的ですが、「年0.3%の金利上乗せ」は決して小さくなく、火災保険+地震保険に加えてここまでの費用を負担するかは、世帯の資産状況やリスク許容度で判断が分かれるところです。
借り換えで自然災害特約を組み込むときの検討ポイント
すでに返済中の方が借り換えで自然災害特約を付ける場合は、「金利差で得られるメリット」と「特約の上乗せ金利」を合わせて損得を判断するのがポイントです。たとえば借り換えで金利が0.3%下がっても、約定返済プラン(+0.1%)を付ければ実質の金利低下は0.2%にとどまります。残高・残期間が大きいほど特約の上乗せ総額も増えるため、「特約なしで借り換えて浮いた分を火災・地震保険に回す」という選択肢とも比べてみると判断しやすくなります。
よくある質問(FAQ)
Q. 自然災害支援ローンは今も申し込めますか?
A. みずほ銀行は2026年6月時点でも約定返済プラン・残高補償プランを公式サイトで案内しています。最新の取扱状況・上乗せ金利はみずほ銀行公式でご確認ください。
Q. 約定返済プランと残高補償プランは併用できますか?
A. 公式の商品説明では、約定返済プランと残高補償プランは別商品として扱われ、それぞれ加入条件があります。組み合わせ可否は公式・店頭でご確認ください。
Q. 火災保険・地震保険に入っていれば不要では?
A. 火災保険・地震保険は建物や家財の損害を補償する保険で、住宅ローン残高そのものを減らす仕組みではありません。自然災害特約は「被災時にローン返済・残高をどう軽くするか」という別軸の備えです。重複や過不足がないか、保険とあわせて総合的に検討しましょう。
自然災害への備えをローンに組み込むかどうかは、世帯のリスク許容度と総コスト次第です。各行の特約の違いを正しく押さえたうえで、火災・地震保険との役割分担も含めて判断してください。参考にしていただければ幸いです。
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