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カタルーニャ独立運動が世界経済に与える影響とは?

スペイン中央政府のカタルーニャ州議会の解散を命を受けた選挙が12月21日実施され、カタルーニャ独立派が大勝しました。

2017年9月の住民投票の結果、スペインからの独立を宣言したカタルーニャ州政府の首相や幹部を国家反逆罪などの罪で起訴するなかで、スペイン政府は独立派の勢いを削ぐために解散を行っていましたが、完全に裏目に出て形です。

投票率は州議会として史上最高の83%を超え、定数135の州議会で独立派の3政党で合計70議席(得票率は48%)を獲得する一方、中央政府の国民党は11議席から3議席にまで議席を減らす大敗となりました。

選挙をうけ、スペイン中央政府に解任されたプチデモン前州首相は亡命先のブリュッセルで早期の帰国を求めるなど声明を発表しています。

カタルーニャの独立を憲法違反とする中央政府と、独立を求めるカタルーニャ市民の分断がより際立った結果となり、カタルーニャの独立問題は長期化様相を呈しています。スペイン経済にも暗雲が立ち込めることなり、EUの経済・財政問題にも影響を及ぼす可能性があります。

本ページではこの独立運動の経緯を振り返りつつ、世界経済や長期金利および住宅ローン金利に与える影響を考えて行きたいと思います。本ページではこの独立運動の経緯を振り返りつつ、世界経済や長期金利および住宅ローン金利に与える影響を考えて行きたいと思います。

 

カタルーニャについて

我々日本人にカタルーニャという地名は聞き慣れませんが州都が「バルセロナ」といえば1992年にオリンピックが行われた場所でありご存知の方も多いのではないでしょうか。

GoogleMapよりカタルーニャ地方の場所をおさらいしておきたいと思います。下記の赤い枠内がカタルーニャ地方です。

 

 

カタルーニャ地方の歴史

カタルーニャは独自の伝統・習慣・言語を持つことからカタルーニャ人としての民族意識が強く、実際中世にはカタルーニャ連合王国として栄えていました。1491年にスペイン王国が誕生すると政治的独立は失われ、1700年以降のスペイン継承戦争を経て完全なスペイン統治となり、カタルーニャ語を利用することを禁じられ、第2次世界大戦下の軍事政権化ではカタルーニャに対し激しい弾圧が行われました。

1978年の民主化受けた新憲法で自治が認められ、カタルーニャ自治州は発足しました。

 

カタルーニャ地方の独立運動の歴史

スペイン政府がカタルーニャ民族を軽視するような発言をすることや税負担の不公平感を理由に2010年代ころから独立運動が活発となります。特に2010年に憲法裁判所がカタルーニャ政府が制定した自治権を拡大するための憲章を違憲としたこと大規模なデモが頻発するようになり、州政府・中央政府が激しく対立するようになります。また、2012年の州議会選挙でカタルーニャ独立派が過半数の議席を確保しました。

2014年に非公式の独立を問う住民投票が実施され、2017年9月に州議会が再度の住民投票を実施する法案を可決していました。

 

独立運動の背景

2009年にギリシャの財政赤字粉飾を背景に発生した欧州債務危機で、ポルトガルを上回る経済規模を持つカタルーニャの人々が自分たちの税金が国内の他の貧しい地域に使われているとの経済的な不満があるとされています。スペイン自身も2012年に金融支援を受けており、経済的な問題を背景とした同地域の不満は根強いのでしょう。

 

2017年10月に実施した独立を問う住民投票について

2010年代に入りカタルーニャの独立を巡る動きが活発化しており、2017年10月1日にスペインからの独立を問う住民投票が実施され、独立賛成が9割に及ぶと言う圧倒的な結果となりました。州政府は48時間以内の独立を宣言するとしていましたが、これを延期しつつ、スペイン中央政府に交渉を要求していました。

スペイン中央政府は住民投票自体が違法であるとして、投票自体を認めず警察隊を動員して投票所の投票箱を押収したり、警防を使い市民を投票所から追い出すなど大きな波紋を広げています。中央政府は州政府の幹部を逮捕する姿勢を見せるなどEUでは緊張が高まっていました。

スペイン政府は2017年10月19日までに独立宣言をしたのかの明確な回答を要求していましたが、10月27日に自治権停止を発表していました。これに反発し、同日、カタルーニャ州政府が独立宣言を出していました。

独立宣言を受け、中央政府は州首相らの解任、州議会の解散などを決定、州首相など幹部を国家反逆罪で起訴するなど強行な姿勢を崩していませんでした。

 

カタルーニャ州の州都であるバルセロナ市は独立に反対し、また今回の動きに懸念を示す企業1200を越す企業がカタルーニャから移転を決めるなど混乱は拡大しています。

 

EU各国の対応

現時点でEUは2017年10月の独立を問う、住民投票を合法でないとしています。

12月21日の州政府選挙結果を受けても、ドイツ、フランスは中央政府支持を変えないとしていますが、2度にわたる選挙結果を否定するような西側諸国の動きには疑念の声も上がり始めています。

これはEUに他にもスペインのバスク地自治州、イギリスのスコットランドなどで独立運動が起きており、カタルーニャの独立を認めればEU各国で独立の動きが加速するとの懸念が背景にあるようです。

EUはカタルーニャが独立すればEU全加盟国の賛成がないとEUに加盟できない(残留できない)としています。カタルーニャのEU加盟にスペイン政府が賛成するとは考えにくい状況です。

 

今後の世界経済への影響は?

独立を問う住民投票に続き、中央政府が主導した州議会選挙でも独立という方向性の「民意」が示された結果となり、スペイン中央政府は扱いに苦渋の選択を迫られるものとなると思われます。独立派の3政党も独立に関する考えの違いがあり、一枚岩ではありません。また仮に再度独立を目指すとしてもEU加盟、通貨、防衛など国としての体をなすためには多くの課題が残されており実際に独立できるかは極めて不透明と言えます。

EUは欧州大陸は焼け野原となった反省から、「融合」を目指した概念であり、イギリスのEU離脱を含めて、EUの思想に反する動きが近年くすぶっています。こうした動きが続けばEUへの信頼を損ねることとなり、混乱が大きくなれば世界経済への影響も出てくると思われます。

 

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